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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
世界の終焉
  第39話

 
前書き
今回こそは、SAOを完結させます。 

 
≪ガキンッ‼︎≫
キリトは正面から斬り掛かるが、茅場はその攻撃を<神聖剣>で躱す。
≪シュババババ……‼︎≫
サチは茅場の背後目掛けて無数の剣尖を繰り出すが、茅場は盾でそれを躱す。
≪カンカンカン……‼︎≫
金属音が鳴る度に土煙りが舞い、アスナ達からはキリト達の姿はほぼ見えないに等しい状態だった。

その土煙りの中では、キリト達の戦いが続いていた。

キリトは剣を上下左右に振り回して攻撃するが盾で躱し、時々側面から攻撃を仕掛けるサチには<神聖剣>で迎撃。

サチ『キリト、一旦下がって‼︎』
キリト『解った‼︎』
サチの言葉に呼応して、キリトは後方に下がり茅場と距離を置く。それを確認したサチは茅場に突進する。
≪カンカンカンカン……‼︎≫
サチは無数の連撃を放つが、これも躱される。
サチ『……。』
焦りの表情を浮かべたサチは茅場と距離を置くと、"身軽な身体","シールドコーティング","ディフェンススタンス","ダメージカット"を立て続けに発動し、自身を強化。
キリト『うおぉおお〜〜〜〜‼︎』
今度はキリトが茅場に突進。凄まじい速さの剣撃を浴びせるが、これもまた躱される。
余談だが、キリトはここまで、【二刀流】を使っていない。元より、【二刀流】は茅場がデザインしたモノ。使った所で全て読まれて躱されるのは間違い無い。
それにしても、キリトとサチの攻撃をこうも立て続けに躱すとは、流石は茅場(ヒースクリフ)である。

キリト『くっ、(ならば、これならどうだ‼︎)くそおぉおお〜〜〜〜‼︎』
攻撃を躱されるのに痺れを切らしたキリトは、【二刀流】の奥義技の1つにして最上位剣技"ジ・イクリプス"を発動。
ヒースクリフ『ふっ。』
“これを待ってた。”と言わんばかりの笑みを浮かべた茅場は盾で躱そうとしたが…、
サチ『はあぁああ〜〜〜〜‼︎』
サチが叫び声と同時に背後から茅場に襲い掛かり、槍の上位ソードスキルの1つ"ジャッジメント・ピアッサー"を発動。
ヒースクリフ『⁉︎』
これには茅場は驚きの表情を浮かべた。
幾ら最強プレイヤーでも、前と後ろから上位ソードスキルを使われたら流石に躱しきるのは不可能。
それでも茅場は盾と<神聖剣>で躱そうとしたが、やはり全て躱すのは不可能だった。

その後、数撃程攻撃を喰らった茅場のHPは0となり、攻撃が終わった頃には、茅場はポリゴン状となって消滅した。

ーーーーーーーーーー

『『『『『おおおお〜〜〜〜‼︎』』』』』
茅場が消滅した直後、辺りから歓声が湧いた。
キリトとサチは手にしていた武器を収めると、互いを見つめ合った。
サチ『終わったね、キリト。』
キリト『そうだな、サチ。』
そう言った2人は互いに抱き合い、キスした。

アスナ『キリト君‼︎』
麻痺毒から回復したアスナは、2人の元に駆け寄ろうとしたその時…、
≪ポワアァアア〜〜〜〜ッ≫
その直後、白い光りが2人に覆い被さり…、
≪パリンッ‼︎≫
『キリト君⁉︎』
『キリト、サチ‼︎』
『キリトーー‼︎』
光りが弾けたと思うと、キリトとサチはポリゴン状となって消滅した。
その時、キリトは誰かの声が聞こえた気がした。エギルなのかクラインなのか、はたまたアスナなのか、誰かは解らなかった。

アナウンス『2024年11月7日、午後2:55。ゲームはクリアされました。』
その時、アインクラッド全体にゲームクリアを知らせるアナウンスが流れた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それから どのくらい経ったのか、キリトとサチは目を覚ました。
キリト『うん……。』
サチ『ここは……?』
2人が目覚めた先は足元が透明な硬質ガラスのような板で、空は夕焼けの如く輝いている所だった。
サチ『キリト、あそこ‼︎』
キリト『⁉︎』
突然サチは、下の方を指差した。キリトがその方向に目をやると、そこには段々崩れていく浮遊城アインクラッドがあった。
あまりの光景に、2人は言葉を発する事が出来無い。

するとその時…、
『絶景だな。』
隣から男の声がした。キリトとサチが声のする方を向くと…、
茅場『……。』
そこには白衣姿の茅場 晶彦が居た。
キリト『茅場…晶彦、何故ここに?』
サチ『何で?』
2人は驚きを隠せなくなった。
茅場『今現在、SAOの全記憶装置は完全消去され初めている。もう10分もすれば、この世界は完全に消滅する。』
サチ『アインクラッドに居た人達はどうなったの?』
茅場『今まで生き残った6147名のログアウトが確認された。
因みに、死んだ者達は永遠と帰って来ない。死者の魂が戻らない事は、どの世界でも同じだ。』
サチは生き残った人達の事を茅場に聞いた。茅場の無事ログアウトしたとの言葉を聞いたサチは安堵した。
その後暫し静寂が流れたが、キリトは今まで気になっていた事を茅場に聞いた。

キリト『あんたは何故、こんな事をしたんだ?』
茅場『何故…かぁ……。私は長い間、フルダイブコンピュータの開発を始めて…否、それ以前から、あの城を作り出そうと思っていた。浮遊城アインクラッドを。
そして私は、あの城が必ず何処かにある事を信じているのだよ、絶対にね。』
サチ『私も…そう、思う。』
キリト『ああっ。』
茅場は事を起こした理由を言った。そしてアインクラッドの城が何処かにある事を2人に言い、2人もそれに同意した。
茅場『ゲームクリアおめでとう、2人共。
それと…私の代わりに、やって欲しい事がある。』
キリト『一体、何をしろって?』
≪パァーー‼︎≫
キリトがそう言った直後、空が金色に光り輝き、金色の卵がキリトの手元に下りて来た。
キリト『これは一体?』
茅場『<ザ・シード>、“世界の種子”だよ。
芽吹けばどういったものか解る。後は君等の答えに任せよう。
消しても良いが、君等がアインクラッドに何かを残しているのなら、それを開花させる事をお勧めするよ。』
キリト『何かを……。』
キリトはザ・シードを見つめながら言った。

茅場『では、私は行くよ。何れ、また会おう。』
茅場 晶彦はそう言うとその場から姿を消した。その直後に、アインクラッドは完全に消滅した。

ーーーー

サチ『そうだ。最後に、キリトの本当の名前を教えて。』
キリト『桐ヶ谷 和人。おそらく、今年で16歳だ。』
サチ『和人かぁ…私は眞田(さなだ) 智代(ちよ)。和人と同い年の16歳だよ。』
キリト『智代…現実世界でも、会えるよな?』
サチ『ええ、絶対に会えるよ。約束する。』
キリト『そうだな、智代。』
その会話の後に目を閉じた2人は互いを抱き締めてキスした。
その直後に2人は、白い粒子状となって消滅した。

_____________________

キリト『……。』
キリトが目覚めた先は、密閉された空間だった。しかも薬の匂いがする上に、腕には点滴の針が刺されている。明らかに病室だった。
そうキリトは、和人は、現実世界に無事帰還したのだ。しかも頭部にはナーヴギアが装着されていた。
和人『ち…よ……。』
その時は、サチの本名を呟いた。

和人はサチに、智代に会いたいと思った。そう思った和人は、ベッドから起き上がった。
だが、2年も眠っていたせいか、足元がおぼつかず、しかも身体は随分と痩せ細っていた。
それでも和人は点滴の支柱を握り締めると、智代と再会する為の第一歩を踏み出した。
 
 

 
後書き
次回、ALO Ⅰ始動。 
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