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インフィニット・ストラトス~黒衣の創造神~

作者:黒鐡
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第4巻後編
  更識家は記憶共有者×簪の新たな機体

米国からの来訪者であるナターシャが帰国した頃、俺らはとても忙しい時期となっていた。この前ヨーロッパ各地で、粛清という名の講習会や飛行機テロでの活躍のお陰で階級が一段階上がったのだった。俺は大佐から少将となり、副隊長劉零は大佐となり、セシリアやシャルに他の部隊長は中佐に昇進した。その他の部下達は少佐のままとなっているが、これに関しては本人の希望により少佐のままとなった者らもいる。

「全く、少将に上がったのはいいが最近は事務仕事が多いな。IS学園の者にとっては夏休みだが、俺らにとっては学生生活が長期休暇みたいな感じだからかもしれん」

「それだけ少将の人気度も上がったのでしょうがないかと。それに我ら第00独立特殊機動部隊ブラック・シャークの名は、世界中では有名な部隊ともなりました」

「そうですよマスター。私達もマスターの仕事を手伝い出来るだけで、お得感が出ます」

「ま、ボクらはマスターの仕事を手伝いする事から始まったけどね」

「私は主にマスターの服を直したりするのがお仕事です~」

「私は武装点検と神姫バトルで腕を磨く事が仕事」

と俺、劉零、アン、アイネス、レーネ、マイの武装神姫らが順番に答えていった。ISの開発資金はほとんどが各国の謝礼金を回したので、俺の財布には入って来ない。それに別の俺だと巨大グループ蒼い翼の社長兼CEOをしているそうだが、ここには蒼い翼という会社は存在しない。ソレスタルビーイングも存在しないからか、ここでは主に国連軍として動いている。

「にしても、別の俺は色々とやっているそうだな」

「そのようですね。別の隊長は、色々とやっていますしここでは国連軍少将ですから」

一応創造神黒鐵なのか、別の俺というのは今ここにいる俺が分身体みたいな感じだからだ。記憶共有者は今の所は、ブラック・シャークの者達とセシリアとシャルでしか確認出来ていない。だが別外史での活躍は、ここ以上に活躍をしているみたいだった。エヴォルトシステムについてもだが、どうやらIS関連で新たなモノを開発すると自動的にあちらにもあるようになっているらしい。その時、電話が鳴ったので俺は書類を片付けながら電話を取った。

「はい。こちらブラック・シャーク大隊長兼司令官室」

『お仕事中でしたが、外からのお客様が来ておりますが通しますか?』

「客?そんなの聞いてねえぞ。劉零、お前は聞いてないか?」

「さあ~。私にも聞いていませんね」

「そうか。まあいいんだが、一応聞くが客とは誰なんだ?」

俺は電話しながらコーヒーを飲んでいたが、客の正体を知った瞬間思わず吹いてしまった。書類には掛からなかったので問題なかったが、俺が吹いた事でアン達は雑巾を持ってきて拭いていた。劉零は背中をさすってくれたが、もう一度聞いたら空耳では無さそうだ。

『更識家の者達で、元々ブラック・シャーク隊の者達と会合をしたかったらしいですが、織斑大佐・・・・失礼しました。織斑少将からなかなか招待状が無かったため、こちらから来たとの事です』

「げほげほ・・・・そういえばそんな話があったな。だが最近昇進してから忙しかったから、そんな事すら忘れていた。更識家の者達には、そちらに桜花達を行かせるのでしばらく待ってほしいと言っといてくれ」

『了解しました』

電話を終えてから、書類とかはあとでやろうかなと思ったが劉零が代わりにやってくれるらしいから、俺は桜花らを国連軍日本支部の正門付近にいる更識家を会議室に連れて来いと伝えた。それと今ここにはセシリアとシャルがいるので、仕事が一段落したので一緒に待っていた。セシリアとシャルは学生でもあるが、現在は軍属となっているので桜花らと共に昇進してから毎日のように仕事していた。

「更識家ってもしかして簪さんの家でしたわよね?」

「そうなんだけど何でここに来たのかが分からない」

「もしかして日本に帰る前のメールにあったんじゃないの?」

「そういえばあったような?履歴を見てみると・・・・確かにそう書いてあるな。父親と母親がぜひ俺に会いたいと書かれているが、目的が今一分からない」

小型端末でメールを読み返してもよく分からない状況だったが、会ってみると分かるかもしれないと思ってしばらく待っているとノック音がしたので入室許可を出した。桜花らが先頭に立っていたが、私服姿の大人二名と楯無と簪が制服姿で来た事で俺らは立ち上がって敬礼した。

「一夏久しぶり~」

「久しぶりだな簪。だが今の俺は国連軍少将織斑一夏としているからな」

「昇進したんだ。それにセシリアとシャルロットも昇進したんだね」

簪は俺を見た瞬間にこちらに来たが、今は更識家の者らと一緒にいさせた。

「おやおや織斑大佐から少将へと昇進したのですか。これは次元パトロール隊第4課としては、嬉しい限りですな」

「なぜ次元パトロール隊の事を知っているんだ?もしかして記憶共有者か?」

「はいその通りでございます。私の名は更識奈々と申しますが、いつも私の娘らがお世話になっています。そしてこちらは更識誠、更識家の前当主ですが名前を聞いて思い出せませんか?」

「なるほど・・・・別の俺から聞いたが、他外史では記憶共有者のバーゲンセール状態だと聞く。誠と奈々は、元々第4課の者だったが別外史では第0課として働いていると聞いたな。まさかとは思ったが、セシリアやシャルとブラック・シャーク隊以外の者と接触するとは思わなかった」

ここではまだ次元パトロール隊第0課という事はまだ無い状態で、次元パトロール隊の者らがここに来ている事はブラック・シャーク隊以外の者は確認出来ていない。だが更識家の者らである誠と奈々は、確かに次元パトロール隊の者だと感じ取る事が出来るがまさか現当主である楯無と簪もなのか?

「現当主である楯無と妹の簪は、ナンバー13の外史から脱出したIS関連の者らが織斑少将の元へと行った事で記憶が改竄されたのかと思われます」

「なるほど、道理で楯無と簪はここにいるセシリアとシャルに似た感覚があったのか。それで?俺らとお喋りに来た訳では無いのだろう」

「お察しが早いようですので、ストレートに言うと更識家とブラック・シャーク隊との連携と共に簪を入隊させたいのです。流石に楯無は無理でも簪なら入隊は可能かと思いまして」

「私はつい最近になって覚醒したの。ちょうどハイジャックされた時にね、お姉ちゃんも同じ時期に覚醒したらしいの」

「私の場合は、一夏さんと空港で出会ってから覚醒したんだけどね」

そういう事だったんで、桜花にグリーン司令を呼んで来いと指示後に来たら即刻辞令と制服と道具を持ってきたグリーン司令だった。既に配属先もブラック・シャーク隊となっているが、表では更識家との友好同盟を結んで互いの事を名前で呼び合う事になった。俺だけは年上なので、自動的にそうなったが問題は簪のISだった。日本の代表候補生から軍属となったので、日本政府から正式にISをこちらのモノとなった。

「簪ちゃんよく似合っているわ」

「ありがとうお姉ちゃん、あとはISだけだよ。それにしても良かったの?お父さんとお母さんは帰っちゃったけど、お姉ちゃんはここにいてもいいの?」

「大丈夫だって、私はロシア代表操縦者でもあるけど味方なんだから。それにしても覚醒前は知らない事ばかりだったけど、まさか一夏さんが私らの上司だったなんて今も驚きよ」

「それに関しては私らも驚きはしましたが、今回からはイレギュラーな事が起こると一夏さんから聞いてはいましたわ」

「僕もだけど、まさか今回から他の記憶共有者で次元パトロール隊の者だったとは。流石の僕や一夏でも驚きだよ」

今セシリア達がいるのは、国連軍日本支部の食堂にいた。話終わった後、ここを案内するとセシリアとシャルにより国連軍内への案内をしていたら昼食の時間だったから来てみると、本当に他の軍とは違うような感じとなっていた事に驚いていた楯無だった。米軍やヨーロッパ軍では男性差別が酷いと聞いていたが、ここでは男女共通になっている事自体が不思議だったらしい。

「そういえば簪ちゃんのISをどうするの?」

「それなら心配には及びませんわ。こちらの軍属となったからには、こちらの規格に合わせるのでコアから創り直しています。無論私とシャルロットと同じようなシステムを入れた新たなISですわ」

「国家代表候補生である前に軍属となった事で、僕らのISも他国のモノとは偉い性能違いなISになると思うよ。好きな機体が選べるから、簪が得意な戦法に合った機体を使う事になると思う」

「という事は私以外の者は一夏さんが開発した例のシステムを入れたモノなのか~。私はミステリアス・レイディだけど、何とかならないかしらねぇ」

「いくら記憶共有者でも、国籍をロシアになっているからいくら何でも無理だよお姉ちゃん」

簪がそう言ったら扇子には残念という文字が入っていたので、本当に残念がっていた。現在八月であるが、IS学園にいるのは日本の者とそれ以外の者らだけだ。生徒の半分を世界中からやって来た生徒だからだ。

鈴も中国なので国に帰るかと思っていたが、定期通信によると学園に残っているようだ。両親はいないし、軍施設で面倒な訓練を受けたくないとの事だ。セシリア達は昼食を食べながら、これを食べ終わるとどこを案内するかは決まっていた。俺は研究所にてコアを創っていたが、IGコアを創り直すのはもう慣れてきたから面倒ではない。

「それにしても、せっかく完成した打鉄弐式を一から創り直すのも面倒な事態になったな」

「ですがまた仲間が増える事に関しては、とても嬉しい事かと思います。もうすぐしたら、セシリアさん達が楯無さんと簪さんらを連れてここに来ると言ってました」

「そうなれば早めに完成させないといけないな。エヴォルトシステムに耐える機体を一から創ってから、簪のデータを入れる事となるがもしかするとフリーダム辺りだと思うな。マルチロックオンシステムを入れてあるから、簪は広範囲殲滅タイプだと思う」

そうしてから、機体を一から創り直してからコアと基本フレームである0ガンダムとなった。そんでコアの人格を打鉄弐式にあったのをそのまま入れた事で、簪の得意分野をフル活用出来るようにしといた。残りは、搭乗者のデータ入力である『初期化(フィッティング)』とそれによって機能を整理する『最適化(パーソナライズ)』なので簪らを呼び出した。

「失礼しますわ、簪さんのISが完成したと聞いたので連れて着ましたわ」

「ご苦労さん。簪の新たなISがこれだが、あとは『初期化(フィッティング)』と『最適化(パーソナライズ)』だけなのでな。簪には搭乗してもらいたい、シャルは楯無を見ていてくれ。セシリアは簪を更衣室に行って着替えて来い」

そう言ってから着替えてきた簪を搭乗させてから、最終的な事を素早く終わらせた事で簪専用のISを完成させた。あとは模擬戦をするだけなので、相手を楯無がする事になった。待機状態はクリスタルの指輪で、全身装甲のためパイロットスーツとなったのが嬉しかった様子だ。

そんでテストを始めたが、明らかに性能違いなのですぐに倒されてしまった楯無。そんで夕方になったので、楯無と簪らはIS学園に戻ったが俺とセシリアにシャルはまだ仕事が残っていると言ってから先に帰ったのだった。 
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