オズのカエルマン
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第四幕その七
「あそこの人達は結構」
「今はそうしたことはないよ」
「攻撃してきたりとかはですか」
「うん、すっかりオズの国の住人になってね」
「優しくなったんですね」
「だからね」
それで、というのです。
「安心していいよ」
「それなら」
「うん、笑顔で迎えてくれるよ」
かつては村に来た人に攻撃的だったあの人達もというのです。
「だから安心してね」
「わかりました」
「そういえば」
恵梨香がここで言うことはといいますと。
「ギリキンの国はオズマ姫がおられた場所でしたね」
「うん、最初はね」
カエルマンが恵梨香にすぐに答えました。
「あの国でね」
「男の子として育っていましたね」
「かつてはそうだったよ」
「そうでしたよね」
「魔女の家を飛び出てね」
「ジャックさんや馬さんと一緒に出て」
「そしてだったんだ」
カエルマンは恵梨香ににこにことしてお話します。
「エメラルドの都に行って」
「ジンジャー将軍の騒動にも巻き込まれて」
「その騒動も解決させてね」
「最後に女の子に戻ったんですね」
「オズマ姫自身も女の子とは知らなかったけれど」
それが実はだったのです、男の子と自分でも思っていたのに実はとても可愛らしい女の子であったのです。
「しかもオズの国の元首でもあって」
「プリンセスだったんですね」
「そうだったんだ」
「我が国ですと内親王であり」
恵梨香はこうも言いました。
「そして女王様でもあるんですか」
「そうなるね、お姫様だけれどね」
「国家元首ですね」
「オズマはそうだよ」
「女帝ではないですね」
「うん、また違うね」
カエルマンもそこは違うとお話しました。
「オズマは女帝ではないんだよ」
「お姫様ですね」
「そうなんだよ」
「お姫様でありオズの国の国家元首」
「それがオズマなんだ」
こうカエルマンにお話するのでした。
そしてです、そうしたお話をしながらでした。
皆はいよいよギリキンの国に入ります、目の前に絨毯みたいにはっきりとある鮮やかな紫の草原を見てです。
神宝はにこりとしてです、こう皆に言いました。
「いよいよだね」
「うん、いよいよだね」
「ギリキンの国だね」
ジョージとカルロスが神宝に応えます、二人もにこりとしています。
「本格的にあの国に行くのは」
「今回がはじめてだったかな」
「奥深くまで行くのは」
「そうだったね」
「今度は全てが紫の国」
神宝はこのことを思うとでした。
自然にです、顔を微笑まさせて言うのでした。
「面白いよね」
「紫はいい色よ」
「ええ、高貴な色よね」
ナターシャと恵梨香は紫という色について俗に言われていることもお話します。
「奇麗なだけじゃなくて」
「そうした意味でもいい色よね」
「私は好きよ」
「私もね」
二人でお話するのでした。
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