オズのカエルマン
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第四幕その五
「大変ですよね」
「五行はこの世の摂理だからね」
「その摂理が狂いますね」
「少しの間ならいいけれど四霊獣はそれぞれの方角から動いたらいけないんだ」
別の方角に長い間いてはよくないというのです。
「そうしたことをしたらね」
「世界に悪い影響が出るんですね」
「摂理が狂ってね」
「だからですね」
「うん、青龍が東にいないと」
長い間そうであるとどうなるかといいますと。
「彼が司る木のこととかが狂うよ」
「木が枯れたりとか、ですか」
「あと育ち方がおかしくなったりとかね」
「そうしたことになるんですね」
「このことは他の四霊獣でも同じだよ」
それこそ青龍に限らず、というのです。
「それぞれの方角から離れたら摂理が狂うんだ」
「だから青龍は東にいるべきなんだね」
「それが理想だよ」
「だから私達はギリキンに行って」
「青龍に会ってね」
そして、というのです。
「彼からどうして北にいるのか聞いてね」
「そして、ですね」
「東に帰ってもらわないといけないんだ」
「そういうことですね」
「うん、四霊獣は神様なんだ」
そうした存在だというのです、彼等は。
「それぞれ重要なものを司っているから」
「神様ですか」
「だからどうにかしないとね」
それこそとも言う魔法使いでした。
「駄目なんだ」
「そうですか」
「だから行こう」
ギリキンの国の青龍のいる場所にです。
「いる場所はもうわかっているしね」
「川の中でしたね」
カルロスがその青龍が今いる場所について尋ねました。
「そこは」
「そうだよ、そこに不機嫌な顔でいるよ」
「ギリキンで一番大きな川の中に」
「オズの国は何処も水が豊かでね」
木もです、オズの国は本当に自然が「豊かです。見れば一行が今歩いている周りも木が一杯あります。少し離れた場所には森もあります。そして湖や小川もあります。
「ギリキンの国も川が多くて」
「その川の中でも」
「一番大きな川にいるよ」
その青龍がというのです。
「僕達はそこに行くんだ」
「途中何か危険なことは」
「あるかも知れない、けれどね」
「その時はですね」
「もうそうした時に備えて一杯持って来ているよ」
魔法使いはにこりと笑って五人にその手に持っている鞄を見せました。
「魔法の道具をね」
「魔法使いさんの魔法を、ですね」
「うん、一杯あるから」
だからだというのです。
「それこそ何があっても、何が出て来ても」
「大丈夫ですね」
「巨人が出て来てもドラゴンが出て来てもね」
こうも言う魔法使いでした。
「大丈夫だよ」
「そうですか、じゃあその時はお願いします」
ナターシャも魔法使いに応えます。
「魔法使いさん達がいれば頼りになります」
「それは僕もなんだね」
「はい、勿論です」
ナターシャは微笑んでカエルマンにも答えました。
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