オズのカエルマン
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第四幕その二
「それにお風呂、寝ることに読書もね」
「読書もですか」
「僕は自分が何も知らないことを知ったからね」
「知る為にですね」
「そう、読書をしているんだ」
恵梨香にこう答えるのでした。
「いつもね」
「そうなんですね」
「それにね」
さらにお話するカエルマンでした。
「食べるものはお魚とか海老、貝にね」
「お水の中にいるものですね」
「何でも食べるけれどね」
「特にですね」
「お水の中にいるものが好きだよ」
「じゃあお刺身とかお寿司は」
「いいね、どちらも」
カエルマンは恵梨香の問いににこりとして答えました。
「日本のシーフードだね」
「はい」
「あと天麩羅もいいね、鰻も好きだよ」
「鰻丼ですね」
「そう、あれもいいね」
その味を思い出してです、カエルマンはにこにことしています。どうやら本当そうしたものが好きみたいです。
「嫌いなものはないよ」
「何でもですね」
「僕は食べるよ」
そしてその中でもなのです。
「その中でもなんだ」
「そういうことですか」
「あと甘いものなら」
そちらはといいますと。
「ケーキの焼いてくれたクッキーだね」
「それわかります」
カルロスはカエルマンの今の言葉にすぐに答えました。
「ケーキさんの作ったクッキーは最高ですから」
「本当に美味しいよね」
「何か何もかもが違いますよね」
今度はカルロスが笑顔になっています、ただ彼の笑顔は太陽みたいに晴れやかです。
「一体どうしてあそこまで美味しいのか」
「あら、別に作り方は一緒よ」
ケーキ自身はこう答えます。
「何も変わりのないね」
「普通のクッキーですか」
「そうよ」
あくまで、というのです。
「何も変わらない」
「そうなんですか」
「そう、だから特別美味しいかっていうと」
そう言われることはといいますと。
「少し驚くわ」
「そうですか」
「ええ、私のクッキーは同じよ」
他の人が作るものと、というのです。
「本当に違ったところはないから」
「そうですか」
「これはケーキさんが基本を守っているからだね」
ここで魔法使いが言いました。
「ケーキさんはいい意味で細かい性格だからクッキーの作り方も食材管理もしっかりしているんだよ」
「分量もですね」
ナターシャは魔法使いにこのことを言いました。
「そちらも」
「うん、どれもしっかりしているからね」
「だからケーキさんのクッキーは美味しいんですね」
「それに皆に美味しく食べてもらいたい」
このことについても言う魔法使いでした。
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