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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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透明ルーシィの恐怖!!

ある日の妖精の尻尾(フェアリーテイル)にて・・・

「だらしねぇな!!ナツ!!」

エルフマンさんがカウンターで食事しているナツさんにそう言い、マックスさんも笑っている。何があったのかというと、

「ルーシィ姉に叩き出されたのか」
「ああ。せっかく一緒に仕事に行こうと思ったのによぉ」

なんでもナツさんはいつもの如くルーシィさんの家に忍び込み、作りかけの小説を読んでいたらしい。それでついでに仕事にも誘おうとしたのだが、お腹が減ったからということで食事を求めたらさすがのルーシィさんも怒って追い出されたらしい。まったく・・・この人たちは・・・

「怒られて当然よ!あんたたち、時々勝手にお風呂も使ってるそうじゃない!マナー違反も甚だしいわ」
「デリカシーの欠片もないよ~!!」
「私も同感だ。同じチームでも、けじめはつけるべきだ」

シャルル、セシリー、エルザさんがナツさんに怒る。確かに普通の人はやらないよね、そんなこと。

「お金がない時は、ここにくれば食事くらい出してあげるから」

キナナさんが笑顔でそう言う。ここにくれば食事出してくれるのか?俺もお金ない時はここでごちそうになろうかな?

「ま、お前らみたいな無神経な奴等には、通じないだろうがな」
「でも、もうちょっと優しくしてくれてもいいと思う!!あんなだから、いつまで経っても彼氏ができないんだよ」

ハッピーがお魚を食べながらそう言うと、ギルドの中に笑いが起こる。

「そいつは言えてんな!!」
「つーか、彼氏ができてもすぐ逃げられちまうんじゃねぇか?」
「元はお嬢様でも、中身はたくましいからなぁ」
「真の荒々しさを持つ漢でなければ、太刀打ちできまい」

ワカバさんたちが口を揃えてルーシィさんの彼氏事情に話をしている。

「ルーシィも、我らがシャドウ・ギアのレビィを少しは見習って」
「もっと可愛くすればいいのによ」
「私も、そんなにおしとやかなタイプじゃないと思うけど・・・」

レビィさんはドロイさんとジェットさんに褒められて恥ずかしそうに答える。レビィさんはすごい大人しい人だと思いますけどね。

「でもルーシィさんもナツさんだからこういうことするんじゃ・・・」
「ていうかこのギルドに慣れ親しんでるからたくましいんだと思うんだけど・・・」

ウェンディと俺は二人でそんなことを話している。たぶんルーシィさんがおしとやかじゃないのは皆さんが原因なんじゃ・・・

「てめぇ!!何すんだよこのやろう!!」
「ああ!?何のことだよ!!」

ルーシィさんの話題で盛り上がってるギルド、その中に突然怒声が響き渡り、マカオさんとワカバさんが掴み合い、互いを睨んでいる。

「とぼけんな!!今俺の頭から、酒ぶっかけやがっただろうが!!」
「妙な言いがかりつけんな!!」
「お前じゃなきゃ誰がやったんだ!!」
「知るか!!」

マカオさんは確かに頭からびしょびしょに濡れている。だけど、こんな雰囲気の中でワカバさんがそんなことして空気を乱すとは思えませんけど・・・

「なんだよいきなり!!」
「何すんだ!!」

今度はジェットさんとドロイさんが掴み合いのケンカを始める。なんだなんだ?

「なんだなんだ!?ケンカか!?」

グレイさんは服を脱ぎ捨てケンカに混ざる気満々みたい。

「どうしたの?急に」
「なんか、酒をかけられたとかなんとか」
「一体どうしたんですかね?」

俺たちはカウンターからその様子を見て心配になる。
今度はケンカしていたマカオさんとワカバさんがフリードさんを描いていたリーダスさんにぶつかり、リーダスさんは描いていた絵を壊され怒り、椅子を投げつけたらその椅子がナツさんにぶつかる。
ナツさんが怒ってその椅子を投げ飛ばしたらそれがグレイさんの頭を直撃し二人がケンカを始め、その二人がリクエストボードを眺めていたナブさんにぶつかりさらにケンカが始まり、気がつけば俺とロメオを除いた男性陣全員で大乱闘が勃発していた。

「一体どうしちゃったの?」
「なんでいきなりこんなことに・・・」
「みんな落ち着いて!何があったの?」
「放っておけ。いつものことだ」

心配する俺たちと対照的に落ち着いて紅茶をすするエルザさん。

「でも、このままじゃ建物が壊れちゃう」
「以前と違ってボロボロですからね」

ミラさんと俺は建物が心配なんです。皆さんのケガ?大丈夫大丈夫、多少のことなら皆さんも問題ないはずですし。

ガンッ

あ!エルザさんの頭に椅子が当たった。

「後で修理させればいい」

さすがエルザ。何があっても動じないですね。

ゴンッ

今度は樽が頭にぶつかるがそれでもエルザさんは動じない。

「いちいち動じないのが大人というものだ」

ドガンッ

そんなエルザさんに今度は大きめの背もたれつきの椅子がぶつかる。

「まったく、成長しない奴等だ。むしろ7年経ってますます騒がしく――――」

エルザさんがさすがにイライラし始めてケンカの様子を見ようと体の向きを変えると、そこに大きなテーブルが飛んできてエルザさんの顔をヒットした。

「お前らぁ・・・」

さすがにエルザさんも限界みたいですね。怒りで体をフルフルと震わせたあと、

「大概にしろー!!」

エルザさんもケンカへと参戦する。やっぱりこうなるんですね。

「エルザさんまで参加しちゃった」
「でも、こうなると思ったけど・・・」
「ですよね~」

キナナさんとミラさんもその様子を見て同じことを思っていたようだ。

「はぁ。成長してないのはエルザも同じみたいね」
「むしろ前より怖さが増したような気がするよ~」

エルザさんは目を赤く光らせグレイさんとナツさんを締め上げていた。
そのナツさんが吹き飛ばされて壁にぶつかると突然、

「きゃっ!!」

ルーシィさんの声がどこからか聞こえてくる。なんだ今の?

「ルーシィ?の声、それに匂いも」

ナツさんは辺りを嗅ぎ回すとある一点で動きを止める。

「ルーシィか!?」

ナツさんが何かを掴もうと手を動かすと、

「キャー~!!どこ触ってんのよ!!」
「ぐはっ!!」

ルーシィさんの声と共にナツさんは殴られたようによろける。

「ルーシィだと?」
「ルーシィいるの?」
「声は聞こえるのに・・・」
「匂いも感じますけど・・・」
「姿が見えん」

俺たちはギルドのどこかにいるはずのルーシィさんを探すがその姿はどこにも見当たらない。

「ルーシィどこ?」
「そうだ!!」

俺には“目”があるんだから、ルーシィさんもどこにいるかわかるかも!!
俺は目を使って辺りを見回すと、そこにはルーシィさんらしき魔力を見つけ、そこをじっと見つめるとありえない姿が見えてくる。

「る・・・ルーシィさん・・・」
「シリル?」

俺は見つけたルーシィさんにこう続ける。

「なんで裸なんですか?」
「キャーー!!」

大声をあげるルーシィさん。ごめんなさい・・・どうなっているかわからずに見てみたらまさか透明になっている上に裸だったとは・・・このあとウェンディにすごく注意されました・・・でもこれは俺が悪いのかな?なんか納得できない・・・



























しばらくして・・・

「はぁ・・・」
「ふ~ん・・・」
「ほぇ~・・・」

俺たちは椅子に座っている服・・・正確には見えなくなってしまったルーシィさんをまじまじと見ている。
なんでもルーシィさんが入浴時に使った薬が7年前のものだったらしく、以前までの効果とは違い、透き通るような肌じゃなくて透明人間になっちゃったらしい。

「なるほどこういうことか」
「見れば見るほど妙な光景だなぁ」

グレイさんたちの言う通り、なんか服だけ浮いてるみたいですごい違和感を感じる。

「ちょ・・・ちょっとそんなに見ないでよ、恥ずかしいじゃない」
「「「「「「不気味だ!!」」」」」」
「何よ!!」
「ルーシィさん落ち着いてください」

ルーシィさんはナツさんたちに不気味と言われて怒っているようだ。俺はそのルーシィさんをなだめる。

「困ったことになったわねぇ、とりあえず服を着せてみたはいいんだけど・・・」
「これじゃあただのお化けですもんね」
「元に戻れないんですか?」

ウェンディは心配そうにルーシィさんに訪ねる。

「うん・・・それでみんなになんとかしてもらおうと思って」

ルーシィさんはいつもよりも暗い声でそう言う。しかし、そんなルーシィさんにナツさんは面白がって言う。

「なーに、別に気にすることねぇんじゃねぇか?面白いからそのまま一緒に仕事に行こうぜ!!」
「行けるわけないでしょ!!」

当然ですよね。さすがに依頼人も驚いて腰が抜けるかもしれませんし。

「誰か知らない!?透明になる魔法を解除する方法!!」
「そう言われてもな・・・」
「「「「「「「「「「う~ん・・・」」」」」」」」」」

俺たちはみんなでどうすればいいか考えている。

「よーし!!いい考えがある!!」

ナツさんは何か作戦を思いついたようだ。

「何!?」
「火で炙ってみりゃ、なんとかなるんじゃねぇか?」

ナツさんは自分の炎でルーシィさんの体を炙ればいいと言い出した。

「それってなんか根拠あるの?」
「確か前にも、石になった私に同じことをしていたなぁ」

エルザさんにも同じようなことしたんですか?ナツさんチャレンジャーすぎる。

「けど、他に思いつかないなら仕方ないんじゃないか?」
「うむ、漢なら、あれこれ迷わずやるべし!!」
「私、女の子・・・」

ルーシィさんの訴えなどお構いなしにナツさんはやる気満々だ。

「よーし、いくぞルーシィ!!」
「俺も手伝うよ、ナツ兄」

ロメオもナツさんと一緒にルーシィさんを元に戻すのを手伝うようだ。さてさて、うまくできるかな?

「待って!!まだ心の準備が・・・」
「「せーの!!」」
「きゃああああ!!」

ナツさんの炎とロメオの青い炎がルーシィさんにぶつかる。ルーシィさんは熱かったらしく走り回っている。でも、その姿に変化は特にない。

「う~ん。効き目なしか」
「当たり前でしょ!!」

おおよそ結果はわかってましたけど、もしかしたら・・・とか思ってたから。止めなくてすみません。

「うわああああん!!」
「元気だしてルーちゃん!!きっと何か方法が・・・」

泣き出すルーシィさんと励ますレビィさん。ルーシィさんの涙をシャルルとハッピーがコップで受け止めてくけど、あれって意味ある?

「ウィ。こういう時こそ俺の出番かな」

そういって颯爽と現れたのはリーダスさん。きっとナツさんよりはマシな作戦だろうし、ここは任せるか。

「ウェンディ、シャルル、セシリー、行くぞ」
「行くってどこに?」

ウェンディは首をかしげている。そりゃあもちろん、

「ルーシィさんの部屋から薬と星霊の鍵を持ってくるんだ」
「あ!!そっか!!」
「確かにルーシィ、何も持たずに来てたからね」
「いこういこう!!」

俺たちはルーシィさんの住んでいるアパートへと急いで向かった。


























「とりあえず鍵と薬は見つかったね」
「だね~」
「それにしても、まさか部屋まで開けっぱなしで来るなんて・・・」
「よっぽど慌ててたんだな」

俺たちはルーシィさんの部屋から問題の薬と星霊の鍵を持ってきて、今はすぐ目と鼻の先にギルドがあるところまで歩いてきた。一番いいのはルーシィさんが元に戻っていればいいんだけど、たぶん無理だと思うんだよなぁ・・・
俺たちはギルドの扉を開けて中へと入る。

「ただいまー!!」
「ただいま帰りました」
「シリル兄たち、どこに行ってたんだ?」

ロメオが俺たちに視線を移しながら質問する。案の定ルーシィさんは元に戻れてないか・・・

「ルーシィの部屋よ」
「薬の瓶と」
「星霊の鍵を取ってきました」
「ついでに部屋の鍵もかけてきましたので」

俺たちは事情を説明して薬の瓶と鍵を見せる。するとルーシィさんがこちらに走ってきた。

「そっか!!星霊に頼むって手があった!!ありがとう!!シリル!!ウェンディ!!」

ルーシィさんの顔に何やら写真が貼ってあるせいで余計に不気味さが増してたような・・・ウェンディも怯えてるし・・・

「でもどんな星霊を呼び出せばいいんだろう?こういう時はロキやアクエリアスじゃ頼りにならないだろうし・・・」

確かに、どんな星霊に頼むといいんですかね?

「ルーシィ!!ジェミニを出して!!」

ハッピーは何かを思い付いたようでそうルーシィさんにお願いする。

「ジェミニ?どうして?」
「ルーシィに変身してもらうんだ!!いいからやってみてよ!!」

ルーシィさんはハッピーに言われるがままにジェミニを召喚しました。

「久しぶりにジェミニ登場!!」

ジェミニはすでにルーシィさんの姿になっている。マカオさんたちはそれを見て驚いてるけど、さてさてハッピーの作戦とは?

「ここからどうするの~?」
「こうするのです!」

ハッピーはどこからか取り出した布を見えないルーシィさんにかけ、そのルーシィさんをジェミニの後ろに配置する。

「あたし、ルーシィです。皆さん仲良くしてください」

ルーシィさんが後ろからジェミニの手を動かし、それに合わせてジェミニが口パクし、後ろからルーシィさんが声を出しているようだ。あれって、俗にいう黒子ってやつ?

「これからずっとこうすればいいよ!!」
「なるほど!!ナイスアイデア!!」
「なんの解決にもなってないでしょ!!」

ルーシィさんはハッピーと感心しているナツさんに怒鳴る。でもこの方が姿が見えないよりかはマシですよね?

「しかし見れば見るほどそっくりだなぁ」
「おまけに変身してる人の考えていることまでわかるんですよね?」
「うん!他にもその人の記憶や能力もコピーすることができるんだ」

俺と戦った時も俺の魔法を覚えてたからな。変身すればなんでもできるんだ。すごい!!

「だったらこっちが本物ってことで良くないか?」
「だな。見かけも能力も同じだし」
「むしろ、こっちの方が控えめで、素直そうっていうか」
「コラァ!!」
「「「冗談冗談」」」

マックスさんたちの失礼な言葉にルーシィさんは大声をあげる。3人とも冗談を言っているようには見えませんでしたよ?

「フリードとレビィは何してるの?」

ミラさんがテーブルで本を広げて何かを調べているフリードさんとレビィさんに声をかける。

「調合レシピを解読しているの!!」
「 魔法の仕組みがわかれば、術式で解除することも可能だ」

オオッ!!なんか今までで一番期待できそう!!

「解読終了。フリード!!これが薬の成分よ!!」
「うむ」

レビィさんは解読したレシピをフリードさんに手渡す。

「後は任せろ!!」

フリードさんはルーシィさんの周りに術式を展開させ始める。

「この術式の中にいる者は、魔法薬の効果を、解除される!!」

フリードさんがそう言うと術式が光り、そしてルーシィさんの姿が―――

「お・・・おい、なにか見えるか?」
「い・・・いや?」

見えませんでした。失敗ですかね?

「本当に効き目あるの!?」
「ある!!ただし、7年間置きっぱなしにしていた薬だから」
「解除するのに、7年かかるの」
「そんなに待ってられないのよぉ!!」
「ごめんルーちゃん・・・」

なんと解除するのに7年かかる術式だったらしい。7年も経ったらルーシィさん誰だかわからなくなるんじゃないですか?
ルーシィさんはorz状態になりさめざめと泣いている。

「何がおかしいんだ?ルーシィ」
「泣いてるの!!情けなくて!!」

ナツさん、そこは察してあげてください・・・
すると、ルーシィさんの着ている服となぜか顔につけられたポスターが光だし、少しずつ薄くなっている。

「な・・・何これ?体だけじゃなく、服まで透明に?」
「存在が消えかけてるのよ」

レビィさんが服まで消え始めているルーシィさんを見てそう言う。

「どういうことだレビィ」
「体が透明になるだけじゃなく、ルーちゃんの存在そのものが消えかけてるのよ!!」

エルザさんにレビィさんは慌てた様子で答える。

「見えなくなるだけではなく、最初からこの世にいなかったことになるようだな」

そう言うフリードさんの手の中にある魔法の薬が突然消えてしまう。

「瓶が消えた!?」
「ルーシィがいなかったことになるってわけだから、持ち物も当然消えるわ!!」
「それってつまり~?」
「今ごろ、ルーシィさんの部屋も空き部屋に変わっているはずだ」

ルーシィさんの存在まで消え始めるなんて・・・一体どんな薬だよ!!
そして、俺たちがそんな話をしていると、俺たちの頭の中から大切な一つの記憶が抜けてしまった。

「今私、何の話をしてたんだっけ?」
「さぁ?仕事の話なんじゃないか?」

レビィさんとフリードさんが顔を見合わせて話をしている。

「何かの絵を描いてたような・・・なんだっけ?」

リーダスさんも頭を抱えて何かを思い出そうとしている。

「たった今まで、誰かがここにいたような気がするんですけど・・・」
「ウェンディもそんな気がするの?」
「私もそんな気がするわ」
「う~ん・・・僕もそんな感じが~・・・」

俺たちも何かを忘れているような気がするんだけど・・・なんだっけ?

「何かが足りないような、おかしな気分だ」
「俺もだ、気のせいか?」

エルザさんが顎に手を当て、グレイさんは腕を組み悩んでいた。たぶんグレイさんに足りないのは上着のような気がするけど。

「ナツもそんな気がする?」
「う~ん・・・わかんね!!」

ナツさんは特に何も感じていないようだ。本当にこの違和感はなんなんだろう?

「まぁいいか。仕事しようぜ」
「フリード、そこに座ってくれ。モデルの続きだ」
「わかった」
「俺にできそうな仕事は・・・」

マックスさんは仕事を探しに行き、フリードさんとリーダスさんは絵画の続き、ナブさんはいつものごとくリクエストボードを眺めている。

「シリル!!こっちでお話ししよう!!」
「うん!!わかった!!」

俺とウェンディは近くのテーブルに移動して話を始める。そこにエルザさんも来て3人で近くにできたケーキ屋さんの話をしています。
俺とウェンディは甘い物が好きだから、ケーキとかの話になると楽しいんだよね。

「よーし!!そんじゃ仕事いくか!!」

ナツさんは食事を終えるといつものように大きな声でそう言う。相変わらず元気ですね。

「ハッピー!!ルーシィ!!行こうぜ!!」
「あいさー!!」

ナツさんにハッピーが両手を挙げて答える。ん?

「ルーシィ?」
「ルーシィ?」

ナツさんとハッピーはその一人の女性の名前で固まってしまう。

「「そうだ!!ルーシィ!!(オイラ)たちの仲間の!!同じチームの!!」」

二人のその声で俺たちは忘れていたものが何なのかを思い出す。

「そうだルーシィ!!」
「ルーシィがいた!!」
「思い出した!!」
「ルーシィさん!!」
「俺たちの仲間の!!」

俺たちが忘れかけていた仲間の名前を聞き、みんなでそう言う。すると、ナツさんの隣で涙を流しているルーシィさんが見える。

「ナツ・・・みんなー!!」
「魔法が解けた!!」

ルーシィさんとレビィさんは手を取り合って喜んでいる。

「もしかして、ナツさんが思い出したから、薬の効果が無効になったのかも」
「二人の絆の力って奴ですね!!」

ウェンディと俺は笑顔になっているルーシィさんたちを見てそう言う。

「ああ。そうかもしれねぇ」
「魔法ってのは、心ありきっていうからなぁ」
「ギルドの絆は、ちょっとやそっとの魔法じゃ、びくともしねぇさ!!」
「それっぽくまとめてるけどさ~」
「あんたたち3人、全然役に立ってないわよね?」
「「ははっ・・・」」

マックスさんたちにセシリーとシャルルの辛辣な一言に俺とウェンディは苦笑いを浮かべる。

「ありがとう!!ナツ!!」

ルーシィさんはナツさんに歩みよりお礼をいう。

「やっぱチームで仕事にいく時はルーシィが一緒じゃないとな!!」
「あい!!」
「うん!!」

ナツさんとハッピーはそれに楽しそうに答える。ルーシィさんも嬉しそうにしている。

「これ、早く処分しよーっと」

ルーシィさんは今回の原因である薬を処分しようとしたが、

「よかったねルーシィ!!」
「ああ!!」

ハッピーがルーシィさんに飛び付いて薬が宙を舞う。それだけならまだよかったのだが、薬の蓋が空いてしまい、中身が俺たち全員に降りかかる。
それにより、ルーシィさん以外の全員の姿が見えなくなってしまった。

「なんだこりゃ!?」
「俺の顔はどこいった!?」
「お前誰だよ!?」
「俺だよ俺!!お前こそ誰だよ!?」
「シリルどこ~!?」
「ここだよー!!てかウェンディがどこー!?」

俺たちは周りの人の姿が見えずに大パニック。あれ?でもよくよく考えると・・・

「俺の水で洗い流せばいいんじゃね?」
「「「「「「「「「「そんな手があったのか!!」」」」」」」」」」

俺の水の勢いであの薬を洗い流せば見えるようになるんだもんな。灯台もと暗しとはこのことか。
結局、俺の水竜の咆哮で皆さんの体についてしまった魔法薬を洗い流し、元通りのギルドへと戻りました。ルーシィさんが一人「わたしの時にやってくれないかしら!?」って怒ってたけど、気づかなかったんだからしょうがないよね。
でも透明人間って便利だと思ってたけど、意外と大変そうだなぁ・・・でも、俺たちには妖精の尻尾(フェアリーテイル)の仲間がいるから、透明になってもきっと見つけ出してくれるよね。やっぱり仲間っていいなぁ。









 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
最後の全員が透明になったのは、液体だしシリルの水で落とせるってことにしてみました。
次回からはアニメオリジナルの長編エピソード、『無限時計編』に入らせていただきます。
うまくできるかかなり不安なんですが、暖かい目で見ていただけると幸いです。
次回もよろしくお願いします。 
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