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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
紅の殺意
  第26話

 
前書き
前回の続きからクラディールが本性表す辺りまで書きます。 

 
〈俊足の槍突〉の言葉に反応したサチは、すかさず愛槍の<マーキュリースピア>を取り出して、ゴドフリーに襲い掛かった。
≪ビュンッ‼︎≫
ゴドフリーは紙一重の差で躱したが、足元がおぼつかない。
サチ『〈俊足の槍突〉?その呼び名はやめてもらえないかしら?』
サチは笑顔ながら殺気のオーラを放出させながら言った。
ゴドフリー『解った解った、〈青の槍壁〉。〈青の槍壁〉と呼ぶから…それで勘弁してくれ‼︎』
ゴドフリーは後ずさりしながら言った。これでサチの怒りは収まり、槍を収めた。

ゴドフリー『でっ、では…30分後に、街の西門に集合‼︎。ハッハッハッハッ……。』
ゴドフリーは引きつった表情をしながらその場を後にした。

アスナ『サチ…怖いわね。』
キリト『ああ……。』
キリトとアスナは唖然とした。
サチ『速目に行こ、キリト。』
キリト『ああっ、じゃあアスナ、ここで暫し待っててくれ。』
アスナ『解った、気を付けてね。』
サチの言葉にキリトは同意し、アスナはキリト達を心配そうに見送った。

ーーーーーーーーーー

それから30分後、キリトとサチは集合場所に着いた。だが、2人は驚いた。そこには、ゴドフリーと一緒に立つクラディールの姿があったからだ。
キリト『どう言う風の吹き回しだ、一体?』
キリトはゴドフリーに聞いた。この時サチは、キリトの後ろに隠れている。
ゴドフリー『嫌なに、君らはこれからギルドの仲間だ。昔の事など、綺麗サッパリ水に流そうと思って、ワザワザ呼んだのだ。』
キリトは“俺は反対だ。”と思ったが、あえてその事は口に出さない。すると、クラディールがキリトとサチに歩み寄った。
クラディール『この間は…大変失礼しました。申し訳ございません……。』
サチが前に出ようとしたが、キリトはそれを押し留めた。
キリト『ああ…心配するな……。』
サチは不愉快そうな顔をしたが、あえて思い留まった。

ゴドフリー『よしよし。では今回の訓練は極力実戦に近い方で行うので、危機対処能力が知りたい。そこで、<結晶アイテム>は全て預らせて貰う。』
キリト『<転移結晶>もか?』
キリトはゴドフリーに聞いた。
ゴドフリー『無論だ。』
キリトの問いに、ゴドフリーは首を縦に振った。
サチ『解毒と<回復結晶>はまだしも、<転移結晶>は流石に……‼︎』
ゴドフリーの答えに、サチは抵抗した。

転移アイテムは、プレイヤーの生命線を指している。それを取り上げられたりすればどれだれ危険な事か誰にでも解っている。その上で、ゴドフリーは言っているのだ。

キリト『解った、大人しく渡そう。』
サチ『えっ⁉︎キリト、そんな……』
キリト『心配するな。俺とサチなら問題ないだろ?』
サチ『キリト。』
キリトは、ゴドフリーの言い分に従い、結晶アイテムを全てゴドフリーに預けた。キリトの行いにサチは抗議したが、キリトの言葉を聞いたサチは頬を赤く染めた。その後2人は互いの手を掴み、目を見つめ始めた。
すると…、
ゴドフリー『2人共…、人前でイチャイチャするのは…大概にして貰えるかな……?』
『『……//⁉︎』』
とっくにクラディールから結晶を預かったゴドフリーは、キリトとサチに言った。この時2人は手を繋いでいた。ゴドフリーの言葉を聞いた2人は、つい手を放してしまった。

ゴドフリー『それでは…出発‼︎』
『『『おお……。』』』
ゴドフリーの一声に、3人はおぼつかない表情で声を合わせた。

ーーーーーーーーーー

その後、フィールドに出た一行は幾度かモンスターに遭遇したが、キリトとサチの連携で皆返り討ちにした。

それからどのくらい経ったか、谷間に到着したゴドフリーは、足を止めた。
ゴドフリー『よし、ここで休憩。』
『『……。』』
キリトとサチは憂鬱だった。
本音を言う所、サッサと終わらせたかったが、そう言う訳にも行かなかった。

ゴドフリー『では、食料を配布する。』
ゴドフリーがそう言った直後…、
サチ『あの…私とキリトはお弁当を用意しているので、結構です。』
ゴドフリー『そうか…なら仕方ない。』
サチの言葉にゴドフリーは少し不満そうな顔をしたが了解した。
仮に拒否したら、サチが怒るだろうと考えた上での決断だ。
サチ『はい、キリト♪』
サチは早速お弁当をオブジェクト化すると、キリトに渡した。
キリト『サンキュー。』
キリトはお弁当を受け取ると、早速蓋を開けた。中身はポテトサラダと唐揚げ,魚のフライ等であった。
キリト『相変わらず旨そうだな。』
キリトは早速一口…、
キリト『美味い、流石サチだ‼︎』
高評価であった。
サチ『ありがとうキリト♪』
キリトの言葉に、サチはとても嬉しそうだった。そしてサチも、お弁当を食べ始めた。
数分後、ゴドフリーが食べ始める前に、2人は昼食を済ませてしまった。
キリト『ふう〜、美味かった。』
サチ『本当?じゃあ、口直しあげようか♪』
キリト『それっていっ……』
キリトが言い終わる前に、サチはキリトの唇に触れるだけのキスを贈った。
キリト『おっおい、サチ///⁉︎』
サチ『いいじゃない。毎日キスしているんだし♪』
キリト『それは…そうだが……///。』
サチの突然の行動にキリトは抵抗したが、サチの言葉に肯定するしかなかった。

確かに2人は、既に1年半以上前からファーストキスを捧げている(ゲーム内ではあるが……。)。
当然、相手はキリトとサチ同士。むしろ2人は、毎晩寝る前にキスをするのが日課になって来ている。

ゴドフリー『若いのはイイな……。』
ゴドフリーは呟いた。ゴドフリーは40代くらいの人間だが、今まで彼女の1人出来なかった。当然、現実世界でも同じ。見せ付けられて、不愉快で仕方ないのだ。気分転換に水を飲んだ。

サチ『キリト……///。』
キリト『サチ……///。』
2人は見つめ合い、まぶたを閉じてもう一度キスしようとしたその時…、

≪バタッ‼︎≫
何やら物置がした。キリトとサチが音のした方を向くと、そこには地面に倒れ込むゴドフリーの姿があった。ゴドフリーのHPを確認すると、HPバーがグリーンに点滅する枠に囲まれている。麻痺毒だ。
すると…、
クラディール『ククククッ、ヒャッヒャッヒャッヒャッ……。』
突如、クラディールが笑い出した。しかもその笑みには、狂気も含まれている。
ゴドフリー『クラディール…お前…何のつもりだ?』
キリト『何しているんだ、早く解毒結晶を使え‼︎』
キリトは叫んだ。ゴドフリーは急いで解毒結晶を取り出そうとするが、麻痺毒にやられた為、その動作はおぼつかない。
ゴドフリーがノロノロしている間に、クラディールはゴドフリーがやっと取り出した解毒結晶を弾き飛ばした。
クラディール『ゴドフリーさんよ…あんたはかなりの脳きんだと思っていたが、どうやら想像以上だな。』
クラディールはそう言って両手剣を装備して…、
≪ザクッ‼︎≫
ゴドフリー『ぐはっ‼︎』
それでゴドフリーを刺した。これにより、ゴドフリーのHPは少し減り。そして、クラディールのカーソルは緑から黄色に変わった。
ゴドフリー『辞めるんだクラディール‼︎』
ゴドフリーは叫んだが…、
クラディール『いいか?俺達のパーティーは途中で、犯罪者プレイヤーの大群に襲われ、勇戦虚しく3人死亡するも、俺は連中を全て撃破して、見事生還しました〜‼︎』
クラディールは聞く耳を持たず、無防備状態のゴドフリーに攻撃し続けた。

そして、いつしかゴドフリーのHPは0となり、ゴドフリーはポリゴン状となって消滅、同時にクラディールのカーソルは黄色から赤に変わった。
 
 

 
後書き
今回はここまで。次回作は早ければ今週半ば辺りに公開の予定で行きます。 
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