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第三章

「こう攻めるんだ」
「その都度陣形を変える」
「そうして守って攻める」
「そうするんだね」
「常に」
「うん、全員で攻めて守るにしても」
 ただそうするだけではなく、というのだ。
「こうして陣形で攻めて守るとね」
「余計にいい」
「そうなんだね」
「成程ね」
「それだけと余計にね」
「守れるね」
「僕がフィールド全体を見ているから」
 だからだというのだ。
「その都度指示を出させてもらうよ、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「問題はどうその指示を出すかだけれど」
 このことについてもだ、彼は話した。
「そのままどんな陣形か言ったら相手にばれかねないからね」
「ああ、相手に陣形とかばれたら」
「相手も馬鹿じゃないからな」
「攻め方、護り方を変えて」
「それで対応してくるか」
「だから暗号で言っていくから」
 その指示をというのだ。
「暗号もその都度変えて」
「やっていくんだね」
「そうして指示を出すんだ」
「そう、それと相手チームの情報も」
 それもだった。
「そして試合をするグラウンドのことも調べるから」
「徹底してるな」
「相手の情報だけじゃなくグラウンドも調べるのかい?」
「そうするんだ」
「うん、それもグラウンドは晴れの時だけじゃなくて」
 さらに言うフランソワだった。
「雨の時もね」
「調べる」
「そうするんだ」
「そうしていくから」
 彼自身が調べるというのだ。
「これからね」
「何か違うな」
「ああ、フランソワはな」
「ただ練習をするだけじゃないな」
「僕達のことを見てな」
「陣形のことも考えて」
「それで相手やグラウンドのことも調べてるんだな」
 まさに何から何までというのだ。
「考えて調べてサッカーをする」
「噂は聞いてたけれどな」
「噂以上だな」
「コンピューターみたいなサッカーするな」
「何か変わったよ」
 自分でもこう思いだ、彼は仲間達に話した。
「僕もサッカーのやり方がね」
「これまでとはか」
「違ってきているんだな」
「うん、ミッドフィルダーだった時とね」
 高校に入るまではというのだ。
「余計に考える様になったよ、キーパーとしての練習をするだけじゃなくて」
「そうなんだな」
「さらに考える様になったんだな」
 ミッドフィルダーの時と比べてというのだ。
「キーパーになってから」
「前よりも」
「ゴールの前にいると」
 キーパーのポジションであるそこにだ。 
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