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リリカルビィト~才牙と魔法が交わる物語~“改稿版”

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三十九話、ある夏休みの一日

 
前書き
作者「……あ、歩きすぎて、足が……」
龍也「……大丈夫か?」
なのは「あまり動かないからだよ……」
はやて「とりあえず休んどき、其ではどうぞ♪」 

 
「お泊まり? 空海の祖父の神社に?」

夏休みが始まり、なのはの泳ぎの特訓の翌日、龍也は宿題を終わらせて、のんびりしていたらややから電話が掛かってきた

『うん、良かったら行かない? どうせ暇なんでしょ?』

「いや、仕事が入ったら暇じゃなくなるんだが……何時からだ?」

『一応三日後からの四日間だよ? 近くに海があるし、結衣ちゃんもつれてきて良いよ?』

「ふむ、結衣」

「な~に~?」

絵本を読んでいた結衣に聞く龍也

聞くと即答で行きたいとの事

因みにアリシアはその日からバベルの訓練に行くのでいけない……

龍也は了承し、結衣をアリシアに任せて泊まりに行く為のものを買いに行くのだった……

●○●○

「え~と、必要なものは此れで全部だな」

メモを見ながら確認する龍也

[このあとどうしますか、ロード]

「そうだな、折角だか"キィッ!! キャアア!!? バタン!! ブロロ……"……なんかデジャヴを感じる……」

龍也の目の前(道路の向かい)で女の子が車に連れ込まれた

[アリサさんの次はすずかさんですか……]

「……追跡は?」

[問題ありません、認識阻害も展開しております]

「流石だな、なら行くとしようか」

龍也は買ったものをウィルに収納し、屋根づたいに移動しながら車を追った

●○●○

ポチャン.....ポチャン.....

まるでどこかのドラマや映画で見る牢獄から聞こえる水滴が落ちる音が響く

その音に、何故か眠っていたすずかが眠りから覚醒し、目を静かに空ける

「(...っ...う~ん、何で私眠ってたの? えーっと....あれ、体が動かない....それに手首と足首がなんか痛いし...それに口に何か入って....).... んぅぅっ!!?」

すぐに直前の記憶を思い出そうとするも、体に何か違和感を感じ、覚ました目で自分の状態を確認する事ですずかは理解した

体を動かそうにも手首と足首は縄で縛られ、さらに椅子から動かないよう拘束具で固定されて動けず、口の中には何かの詰め物が入ってガムテープで塞がれているため声も出せない
どうにかこの状況を脱しようと無駄だとわかりながら手足を動かそうとするが.....

「.....目を覚ましたようだな」

「んぅっ!?」

暗闇の中、突如声がかかる。 この暗い中、声の主がどこにいるのか確認しようとするすずかだったが、突如暗闇だった景色が明るくなる...... 突然明るくなった事で眩しく感じて一度開けていた目を閉じてしまう

そこには.....

自分の前に立つ男とその後ろにいる立ってたり座ってたりしてすずかを見ている数十人の人々

そして全員に共通しているのは、全員が凶器を持っている事である

目の前の光景に呆気にとられていたすずかに、この集団のリーダー格とも言える男が全員の代表として目の前まで歩いて来たのだ

「初めまして、月村家当主月村 忍の妹、月村 すずか......いや、こういうべきか。



人外、"夜の一族"の末裔よ」

「っ!!」

夜の一族......それを聞いた途端にすずかの体が震える

そんなすずかを見かねてか、男は自分達の正体を明かそうとする

「...."夜の一族"の末裔、そんな化け物が人と同じ暮らしをしている……そんなことが許されると思っているのか?」

「んっ!!?」

「助けを待っているのなら無駄だと言わせてもらおう。我々は"聖なる力"を操ることが出来る。神に授けられた力が……こんな風にな?」ボウッ!!

そう言いながら男の手から炎が吹き上がる

その光景にすずかは目を見開く

「(天撃!!?)」

何せ今まで天撃は覚醒した時の為にと連れていってくれた龍也をはじめとした聖王教会の特騎士の極少人数が使っているところしか見たことがないからである

「正直部下から話を聞いた時は耳を疑ったぞ。何せ化け物の象徴とも言ってもいいあの"夜の一族"が街の中を歩いてるとはな……それも恋人や友達まで作って」

「むうぅんっ!!」

「本当に笑える話だ。化け物が"只の人間"の生活を真似てそれも様になっているのだからな」

「我々はエスパーを含めたお前達のような化け物を滅亡させるために立ち上がったのだ。生きる価値のないお前達のようなクズ共をこの世から消すために、そしてそんな存在がいることを許しているこの世界を正すためにな.....だからはっきり言わせてもらう。お前なんかに生きる価値など皆無なのだよ」

「.........」

すずかはショックのあまり喋らなくなった.....

「勿論お前にも死んでもらう。だが簡単に死を与えるつもりはない。死ぬその時まで、永遠 の苦痛と恐怖をお前に刻み込みこむ.....今までの奴らもそうして殺してきたのだからな」

「んんぅっ!!?」

「この世で一番重い刑は死刑と言われているが、死刑というのは一瞬の痛み、少しの痛みでこの世から去らわせる....。 しかし我々は甘くない、この世に生まれてきた事を後悔させる...拷問という名の死刑を行うのだ。魂になっても消える事のない爪痕を残すためにな……お前達。今すぐこのゴミをあの部屋へ連れていけ。そして....わかっ ているな?」

『....了解』

リーダーの男は後ろにいる3人の部下に指示を与え、その3人はすずかへと歩んでいく

この状況にすずかはすぐさま理解した、今から自分は……

その時、すずかの頭の中には恐怖しかない....

「んんぅうううぅぅ!! んんぅううぅぅうう ん!!!」

すずかは迫ってくる3人から逃げる様に体を激しく動かすが、体は椅子に固定されてるため動く事などできはしない

「はっ、化け物が何死ぬ事を恐れてるのやら」

「仕方ないんじゃない?何せあれを受けるのは私も嫌だし」

「.....ふん。化け物なら当然の報いだ、それにこいつを始末したら今度はこいつの姉だからな……速くするぞ」

歩みながらすずかをバカにする部下の3人は彼女に手を伸ばそうとする
そんな中、すずかは祈っていた.....

「(助けて.....)」

わかっていても、無駄だとしても、彼女は祈る事はやめない

「(助けて.....)」

彼女はある1人の男に祈る

何時も優しい笑みを浮かべ、とても仲間想いでやさしくて、一緒にいるだけで楽しくて
...自覚してないが秘かに想いをよ せる....あの少年を

「(助けて.....龍也君!!!)」

もう少しですずかに手が届きそうなその時……

ゴバアアアアアアアアアン!!!!

部屋の入り口が突如吹き飛ばされた

「な、何なんだ一体!?」

「侵入者か!?」

突如起こった目の前の出来事に部屋にいた部下達は戸惑いと驚きの声を上げたり、警戒態勢をとったりする

「此処だな……すずか、無事か?」

そんな声が聞こえる

すずか以外はこの声が誰なのか分からない

だがすずかはこの声をよく知っている。なぜなら.....

入り口からコツコツと足音が聞こえる。 そして現るは、肩まで伸びた闇のような黒い髪を後ろに一纏めにし、体から少し翡翠色の光がわき出てる一人の少年

「今助ける……すまないがもう少し我慢してくれ……」

彼の姿が目に映った時、嬉しさからなのか、目が潤んだ
.....何故なら

「んぅんうん!!(龍也君!!)」

彼女が先程まで祈っていた少年.....九重 龍也だったのだから 
 

 
後書き
龍也「其では感想待ってます!!」 
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