歌集「春雪花」
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消え去りし
忘れ去られし
草の原
在りし日の影
思い返らじ
久々に通る道に、不自然に草の生えた一角がある。以前には建物があったはずだが、どうにも思い出せずに通り過ぎてしまう…。
きっと…彼の片隅にある私の記憶も、同じように忘れ去られてしまうのだろう…。
あの草原を見るたび、きっと切なくなるに違いない…。その風景こそ、私の未来なのだろうから…。
関われず
時の去りゆく
虚しさを
君に伝える
こともなかりき
遠く離れた彼にとっては、もはや私は無用の長物…。この先、関わることなどないのかも知れない…。
こんな虚しい毎日…私のそんな気持ちを、彼に伝えることもないのだ…。
私の時間とは…なんなのだろう…?
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