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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
心の温度
  第18話

 
前書き
“心の温度”を完結させます。 

 
翌日、リズベッドが目覚めると、キリトが何やら地面に穴を掘っていた。
リズベッド『///。≪カ〜〜‼︎≫』
夕べ、その手を自分が握っていた事を思い出すとリズベッドは頬が赤くなった。
リズベッド『⁉︎≪パンパンッ‼︎≫(いけないいけない‼︎)』
それに気付いたリズベッドは頬を叩いて精神をフル稼働させて立ち直ると、キリトの方に近づいた。

リズベッド『何してるの?』
リズベッドがキリトに聞くと…、
キリト『ホイ。』
キリトは手のヒラより1回り程大きな金属を掘り出すと、それをリズベッドに差し出した。金属は水色とか様な色をしているが、少し緑掛かった色をしている。金属に見慣れたリズベッドとはいえ、この様な色の金属は見た事が無い。リズベッドが金属をクリックすると、金属の固有名が出て来た。固有名は<クリスタライト・インゴット>。どうやらこれが、クエストで獲得出来る金属の様だ。
リズベッド『まさか……』
キリト『ああ、これがその金属の様だ。』
リズベッドがキリトの顔を見ると、キリトは首を縦に振った。
キリト『成る程、そう言う事か。』
リズベッド『何よ、自分だけ納得して……‼︎』
リズベッドは、キリトだけが納得しているのが気に入らなくなり、声を上げた。
キリト『ここはドラゴンの巣だ。』
リズベッド『ええっ⁉︎』
そして以外な答えが返って来たので、リズベッドは驚いた。
キリト『ドラゴンは水晶を齧(かじ)り、お腹の中で金属を精製する。つまりそれは、ドラゴンの排泄物だ。後は、察しがつくだろう。』
リズベッド『えっ、えっ、ええっ⁉︎』
キリトの説明を聞いたリズベッドは、キリトが手に持つ金属を何度も見た。そしてキリトは、その金属をサッサとアイテム欄にしまった。

キリト『さて、後はここからどうやって脱出するかだな。サチは無事だから、長いロープを持って来て貰おうかな?』
そう言ったキリトは、サチにメールを打とうとした時…、
リズベッド『?ちょっと待って‼︎』
リズベッドが待ったを掛けた。
キリト『何だよリズ。』
キリトはリズベッドに聞く。
リズベッド『ドラゴンは夜行性だから、もうすぐ巣に帰って来るんじゃ……』
リズベッドがそう言うと、2人は上を見上げた。
すると、ドラゴンが巣に帰って来た。
≪グオ〜〜〜‼︎≫
リズベッド『来た〜〜‼︎』
リズベッドは叫んだ。2人がいるのは、ドラゴンの巣穴。しかも隠れる場所はどこにも無い。
キリト『掴まってろ‼︎』
リズベッド『えっ、ちょっと⁉︎』
キリトが声を上げると、リズベッドを担ぎ上げ、勢い良く壁を登った。それから直ぐ、キリトがジャンプすると、剣を抜いてドラゴンの背中に刺した。これにはドラゴンも驚き、空へと舞い上がった。ドラゴンが巣から出たのを見計らい、キリトはドラゴンに刺した剣を抜くと、2人はそこから落下し始めた。地上からの高さはおよそ数十m、下手をすれば、戦死者リストに仲間入りも免れない。
すると、眼下に55層一帯が目に映った。
リズベッド『キリト〜‼︎』
途端にリズベッドは叫んだ。
リズベッド『私ね〜っ、キリトの事〜好き〜〜‼︎』
キリト『何だって〜、聞こえないよ〜〜‼︎』
リズベッドの声は、落下による爆音でよく聞こえない。
キリト『うわっ⁉︎』
リズベッド『何でもな〜い‼︎』
リズベッドはキリトを抱きしめると、その場で笑い出した。

そして2人は、柔らかい雪の上に着地した。
サチ『キリト。』
すると目の前に、サチがいた。手には長目のロープが握られている。
キリト『サチ、悪いな、迷惑をかけて。』
サチ『ううん、イイんだって。』
キリトはサチに謝り、サチは許した。その後サチは、ロープをアイテム欄にしまい、そして一行は、転移結晶を使って47層に転移。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リズベッド武具店に戻った。
NPC『お帰りなさいませ。』
店番のNPCが、キリト達に挨拶した。
リズベッド『ただいま〜‼︎』
リズベッドは、挨拶して来たNPCに笑顔を見せた。

キリト達は工房に入ると、早速金属をオブジェクト化して、リズベッドはそれを炉に入れた。
リズベッド『片手用直剣でいいんだっけ?』
キリト『ああ、頼んだ。』
サチ『楽しみだね。』
リズベッドは金属が焼けたのを確認するとキリトに聞いた。
キリトが頷くと、サチはワクワクしながら楽しんでいた。

リズベッドは、焼けた金属を金床に置くと、鍛冶用のハンマーを取り出して金属を叩いた。
≪カーン、カーン……‼︎≫
金属は良い音を出しながら火花を立てた。リズベッドは心を無にして、尚且つキリトの事を思いながら叩いた。

そして数分後、金属は段々姿を変えて行き、気付いた頃には、金属は1本の剣に姿を変えた。
全体に青味掛かった色、柄の先端部分にはサファイアの様な宝石が埋め込まれていた。
リズベッド『固有名は<ダークリパルサー>。多分、情報屋も知らない剣の筈よ。』
リズベッドは剣をクリックしてウインドウを見た。固有名は<ダークリパルサー>、直訳すると‘暗闇を払うもの’。どちらかと言うなら、光の刃と言った所だろうか。
リズベッド『試してみて。』
キリト『ああ』
リズベッドは剣を手に取ると、その場で素振りした。
≪ビュンッビュンッ‼︎≫
リズベッド『どう?』
リズベッドはキリトに聞いた。
キリト『重い、いい剣だ。』
リズベッド『本当⁉︎やった〜〜‼︎』
サチ『凄いじゃない‼︎』
キリトの言葉にリズベッドは喜び、サチはそんなリズベッドを褒めた。
その後リズベッドは鞘を見繕って、剣を鞘に収めた。

キリト『さてと、剣の代金を払うよ、幾らだ?。』
キリトはリズベッドに聞いた。
すると…、
リズベッド『お代はいらない。その代わりに、私をキリトの専属スミスにして、お願い‼︎』
キリト『ええ⁉︎』
リズベッドの要求を聞いたキリトは、驚きを隠せなくなった。
サチ『えっ、私は?』
リズベッド『当然、サチの専属スミスにもなるわ。それなら問題ないでしょ?』
サチ『うん‼︎』
キリト『それじゃあ、お願いするよ。』
リズベッド『了解。』
サチの問いに、リズベッドはサチの専属スミスにもなる事を提案した。それを聞いたサチは、首を縦に振った。そして、キリトの要望で、リズベッドは改めて2人の専属スミスとなった。

それからリズベッドは2人に言った。
リズベッド『ではこれからも、リズベッド武具店を宜しくお願いします‼︎』 
 

 
後書き
次回は原作第1巻の真ん中辺りから書きます。
公開は未定ですが、早くとも来週末辺りになります。 
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