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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十六話 終業式その二

「そうするからネ」
「だからあるな」
「私も起きるヨ、そしてネ」
「朝顔を見るあるな」
「そうするヨ」
「いいあるな」
 今度は水蓮さんがにこりと笑った、そのうえでの言葉だった。
「やっぱり朝は早く起きるものある」
「早寝早起きネ」
「それが一番あるよ」
「それは違うわ」
 だがここでだ、エリザさんが二人にこう言った。
「最高は早寝遅起き」
「いや、それはかなりネ」
「駄目あるよ」
 二人はエリザさんにすぐに反論した。
「早寝早起きヨ」
「それしかないあるよ」
「というか何?早寝遅起きって」
「ずっと寝るあるか」
「そう、夜は早く寝て」 
 具体的にだ、エリザさんは二人に話した。
「そして朝は遅く起きる」
「とにかく寝ル」
「そういうことあるか」
「人は寝ることもまた必要だから」
 それで、というのだ。
「早寝遅起きが一番」
「それはどうも」
 今エリザさんに言ったのは円香さんだった、円香さんが言うには。
「よくないのでは」
「どうして」
「それは太田蜀山人さんですね」
「そう」 
 江戸時代の武士であり様々なお笑いのネタを残してくれた人だ、何でも仕事中に駄洒落を書いて江戸から大阪に左遷されたこともあったらしい。
「あの人」
「そうですね」
「あの人のお父さんの家訓を見て決めたから」
「早寝遅起きと」
「人はじっくり寝るべきだから」
 またこう言ったエリザさんだった。
「それで」
「左様ですか」
「具体的にはどの位なノ?」
 ジューンさんは具体的な睡眠時間についてだ、エリザに問うた。
「一体」
「十時間」
 エリザさんはジューンさんにあっさりとした口調で答えた。
「それだけ」
「十時間なノ」
「そう、それだけ寝るの」
「十時に寝て八時に起きル」
「それ位あるか」
 水蓮さんもお話を聞いて言った。
「それはネ」
「寝過ぎじゃないあるか?」
「私的には丁渡いい」
「だからなノ」
「早寝遅起きあるか」
「そう、私の趣味は寝ること」
 まさにそれだからともいう言葉だった。
「夏休みもそれを楽しむわ」
「朝顔見ないノ」
「それはいいあるか」
「朝顔よりも睡眠」
 エリザさんの言葉はここでも変わらなかった、とにかく睡眠が必要とのことだった。エリザさんにとっては。 
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