八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三十六話 終業式その一
第三十六話 終業式
一学期の終業式の日になった、その日の朝だった。
ジューンさんは僕にだ、朝御飯のトーストを食べつつこんなことを言って来た。
「アメリカでは二学期が一学期なのヨ」
「あっ、確か」
「そう、アメリカでは一年がはじまるのは九月なのヨ」
「四月でなくて」
「だから日本で言う二学期が一学期なのヨ」
「そうなるんだったね」
「そうなノ、だからネ」
それで、と言うのだった。
「日本だとこれで三分の一が終わっタ」
「そう思うけれど」
「アメリカでは一年の終わりなヨ」
「今日のこの日が」
「そうなっているノ」
「じゃあ今ジューンさんは違和感感じてるんだ」
「少しネ」
微笑んで僕に答えてくれた。
「これで一年終わりじゃないって思うト」
「そこはアメリカ独特あるな」
水蓮さんは牛乳を飲みつつジューンさんに言った。
「本当に」
「自分でもそう思うワ」
「そうあるな、ジューンにしても」
「そうなのヨ」
「あとそれを言うと私も違和感があるあるよ」
水蓮さんは僕にこう言って来た。
「日本の夏に」
「っていうと」
「朝顔あるよ」
「あのお花が?」
「妙に」
これがというのだ。
「多いあるな」
「そのことが違和感があるんだ」
「日本人は朝顔が好きあるか」
「かなり好きだね、実際に」
「やっぱりそうあるか」
「夏となればね」
「日本は朝顔あるか」
「季節の言葉にもなっているし」
こう水蓮さんに話した。
「だからね」
「そのことを受け入れるだけあるか」
「日本の夏はそうしたものだってね」
「わかったある、そうあるか」
「それで春は桜なんだ」
「秋は何あるか?」
「紅葉だね」
それだとだ、僕は答えた。
「それだね、一番は」
「山が、あるな」
「うん、椛が本当に奇麗な紅葉になるから」
「秋はそれを見るあるな」
「それを楽しめばいいんだ」
「わかったある」
水蓮さんは僕のその言葉に頷いた、そしてだった。
あらためてだ、僕にこう言ってくれた。
「じゃあ夏の朝顔を楽しむある」
「それじゃあね」
「毎朝起きて楽しむある」
「じゃあ夏休みになってモ」
ジューンさんはその水蓮さんに横から言った。
「早起きするのネ」
「といか早起きしないとある」
「部活?」
「そう、部活に出ないといけないある」
夏休みもだ、だからだというのだ。
「毎朝しっかりと起きるある」
「じゃあ私と同じネ」
「ジューンも部活に出るあるな」
「日本に残るヨ」
水蓮さんににこりと笑って答えた、もっともこれはこの二人だけでなく八条荘の面々全員が同じことだった。
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