ガールズ&パンツァー theオリジナル
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第1話
前書き
正直不安ですが、とにかく行きます。
第63回戦車道全国高校生大会が大洗の勝利という快挙で終結してから間もない頃。
大洗女子学園の生徒会室。
西住 みほ達は、杏子達生徒会に呼び出されていた。
みほ『なんのご用でしょうか?』
みほは、杏子達に聞いた。
実は何故呼ばれたかは、全く聞かされていない。
河嶋『実は、ある学園から親善試合を申し込まれた。』
沙織『ある学園?』
華『この時期に…ですか?』
杏子『ウチらに都合が有るなら、別に途中で却下してもイイって話だったから乗ったけどね。』
優花理『どこなんですか、相手は?』
河嶋が皆に理由を説明した。それを聞いた沙織達は疑問に思った。無理もないだろう。大会が終わっておよそ1週間くらいしか経っていないからだ。
小山『茅都川学園って所からなんだけど…。』
優花理『えっ、茅都川⁉︎あの茅都川学園がですか⁉︎』
河嶋『そうだ。』
優花理『いやっほ〜、最高だゼェ〜〜‼︎』
親善試合の相手が茅都川学園と知った優花理は飛び上がる程に喜んだ。
沙織『どうしたのゆかりん、茅都川学園ってそんなに有名なの⁉︎』
優花理『有名も何も茅都川学園は、聖グロリアーナ女学院,サンダース,プラウダ,黒森峰の強豪4校の次に名前の上がる学校なんですよ‼︎』
沙織『えっ、そうなの⁉︎』
麻子『確か、太平洋戦争末期の日本で作られた戦車を多数保有する学校だったな。常にベスト8内に喰い付いていて、隊長格は男子生徒が務めているが、他は皆女子だって……』
優花理『そうなんです‼︎マニアにはたまらない学校なんです‼︎』
沙織『麻子も知ってるの?』
麻子『ああ、茅都川に知り合いがいるからな。』
沙織『ヘェ〜、そう。あれ、男子が戦車道の隊長格って、そんなの有り?』
麻子『大会運営委員会に古雪流戦車道の門下生がいるからな。とはいえ、男子は隊長格か整備員くらいしか認められていないがな。』
沙織『古雪流戦車道?』
優花理『西住流の対となる流派で、西住流とは抗争が絶えないとか。』
沙織『そうなんだ。』
優花理の説明を聞いた沙織は驚いたが、麻子の説明を聞いて納得したようだ。
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みほ『……。』
一方、みほに至っては沈黙していた。
華『どうしましたみほさん?』
みほ『えっ⁉︎いや、なんでもないです‼︎』
華から聞かれたみほは動揺し、首を横に振りながら言った。
優花理『そういえば、茅都川学園は西住殿がお兄さんと呼ぶ人が在籍している学園ですよね?』
『『『『『⁉︎』』』』』
沙織『えっ、嘘⁉︎』
華『本当ですか?』
優花理の言葉に一同は驚き、沙織と華はみほに詰め寄った。
みほ『うん…名前は、古雪流戦車道の後継者で師範代の古雪 龍二。正確には同い年なんだけど、私は小さい頃から、彼をお兄ちゃんって呼んで慕っているの。』
沙織『古雪流の師範代⁉︎西住流と古雪流って抗争が絶えないんじゃないの⁉︎』
みほ『表面的にはそう。だけど、私とお兄ちゃんの祖父母が姉弟の親戚同士だから、プライベートでは仲は良いの。』
優花理『そういえば、西住殿の母上は、龍二殿をお茶に誘う程気に入っているとか……。』
みほ『うん…そう。お母さんは、もう表面的な抗争はお終いにしたいと言う事で、私をお兄ちゃんの所に嫁入りさせようとしているの。』
華『親戚同士で結婚?向こうの考えを無視してですか?』
みほ『ううん、古雪流戦車道の師範も抗争はお終いにしようと思っているの。でも、“私に迷惑をかけたくない。”って、お兄ちゃんが首を縦に振らなくて……。』
優花理『色々大変ですね。』
みんなは、みほの言葉に同情した。こんな事を聞かされて同情しない人はそういないだろう。
沙織『あれ?そういえば、茅都川学園って今年の大会に出場してなかったよね?』
優花理『なんでも、隊長の龍二殿が風邪を引いたらしくて、今年は出場しなかったそうですよ。』
みほ『お兄ちゃんは痩せ気味体質だから、体調を壊しやすいの。』
優花理『龍二殿も大変ですね。』
沙織『みぽりんのお兄さん、気の毒ね。』
麻子『ご愁傷様だな。』
華『お見舞いに行けたらイイんですけど……。』
みほの言葉に、一同は龍二に同情した。
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河嶋『と言う訳で、2週間後に大洗で親善試合を行う。気合入れて行くぞ。』
『『『おお〜‼︎』』』
みほ『……。』
河嶋の一声で士気は上がったが、みほは乗り気ではない表情を浮かべた。
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その日の放課後、みほ達は親善試合に向けて特訓を開始した。
茅都川学園は、四式中戦車チトを主力としており、性能はⅣ号戦車又はⅢ号突撃砲と同等かそれ以上。しかし茅都川には、それ以外に五式中戦車チリも保有している。性能は<レオポンチーム>のポルシェティーガー程ではないが、隊長の古雪 龍二が乗車する戦車だけあって油断は出来ない。
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まずは八九式中戦車擁する<アヒルさんチーム>。
磯辺『忍、八九式のコントロールが甘いぞ‼︎それじゃあ茅都川のスパイクには対抗出来んぞ‼︎』
忍『はっ、はい‼︎』
磯辺『アケビ、そんな甘いスパイクじゃあ、敵チームに弾かれるだけだ‼︎』
アケビ『はい‼︎』
近藤『でも大丈夫かな?ハ九式じゃあとても勝ち目は無いよ。』
磯辺『心配するな‼︎チトが駄目でも、ナトが相手なら勝機はある‼︎』
近藤『はい‼︎』
<アヒルさんチーム>のリーダー磯辺は、メンバーを指導していた。性能では茅都川のチト,チリに劣るが、メンバーの技量でカバーするべく特訓をしていた。
余談ですが、ナトとは自走砲のナトの事。自走砲を大会に出す学園はそういないが、茅都川学園では日常的に出している。、
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一方、Ⅲ突擁する<カバさんチーム>。
カエサル『落ち着いて狙え‼︎Ⅲ突の主砲ならばどこからでも抜ける‼︎』
エルヴィン『諒解‼︎』
カエサル『おりょう‼︎茅都川は強力な戦車を有する以外に技量も高い所だ‼︎お前の操縦テクニックが勝利の鍵だ‼︎解ったな?』
おりょう『解っているぜよ‼︎』
左衛門佐『気を引き締めんとでござる。』
<カバさんチーム>も同様であった。
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そして、今年の試合で目覚しい活躍を見せた<ウサギさんチーム>。
優季『今回はどうするの?』
梓『そうだね。茅都川はパワーより技術って感じだから、こちらも技術力で立ち向かうわよ。』
あゆみ『となると、香里奈ちゃんの操縦テクに掛っている。と言う訳だね。』
梓『そう言う事、頑張ってね香里奈ちゃん。』
香里奈『アイ‼︎』
紗希『……。』
あや『紗希ちゃん、何か言いなさいよ‼︎』
特訓を兼ねての作戦会議をしていた。コミカル的なシーンもあったが、それでも頑張っているようだ。
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では、三式中戦車擁する<アリクイさんチーム>。
ねこにゃー『今回の試合の教訓を踏まえ、もっと活躍出来る様に頑張りましょう。』
ももがー『諒解‼︎今回は上手く操縦出来る様にしないと。』
ぴよたん『そうだね、射撃訓練もしなくちゃね。』
ねこにゃー『だね、頑張らなくっちゃ。』
試合の教訓を踏まえて特訓をしていた。特に操縦面を……
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ヘッツァー擁する<カメさんチーム>。
小山『会長、私達はどうします?』
杏子『私達はヘッツァーの調整を中心にやろうっか。技量では、既に茅都川に勝るとも劣らないからね。』
河嶋『はっ。』
っと言う結果で決まった。
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では、ポルシェティーガー擁する<レオポンさんチーム>。
ホシノ『私らは?』
ナカジマ『うーん、こっちは操縦テクに誠意を尽くそうかな。』
ツチヤ『っと言う事は、私の出番か。よーし、やってやるゼェ〜‼︎』
スズキ『だね。』
<ウサギさんチーム>等と同様、操縦テクに磨きをかける様だ。
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ルノーB1bis擁する<カモさんチーム>。
そど子『相手は校則違反級の強さを有する茅都川学園。風紀員の底力を見せる時だよ2人共‼︎』
パソ美『解っているわよ、そど子。』
ゴモヨ『諒解そど子。』
更に団結力を高めていた。
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最後に、Ⅳ号戦車擁する<アンコウチーム>。
みほ『お兄ちゃん…どうして…こんな時期に。』
沙織『多分、みぽりんの成長ぶりを見たいんじゃない?』
華『そうですよきっと、みほさんの成長ぶりを見せて差し上げましょう。』
麻子『右に同じだ。』
みほ『そうだね、皆さん、張り切って行きましょう‼︎』
『『『おお〜‼︎』』』
とまぁ、こんな感じで決まった。
因みに、優花理は茅都川学園へ偵察に行っている為、装填手はみほが代理を務めている。
後書き
今回はこの辺りで区切ります。次回は、親善試合前日辺りまで書く予定で行きます。
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