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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十四話 テスト終了その十六

「ああしたお酒ね」
「はい、その当時のお酒は」
「そうなのね」
「それが出ますわ」
「あのお酒いいわね」
 ダオさんは奈良のそのホテルで飲めるお酒がそれだと聞いてまた言った。
「じゃあ余計に行きたくなったわ」
「それでは」
「一回奈良に行ってみたかったし」
「丁渡いいですね」
「二人で行く?」
「あの、よかったら」
 ここでだ、円香さんは他の皆に顔を向けて来た。当然僕にも。
「皆さんも如何でして」
「その時予定がつけばね」
 モンセラさんはテキーラをロックで飲みつつ応えた、飲む仕草が随分慣れている感じだ。テキーラのその飲み方が。
「行きたいわね」
「それでは」
「まあ、その時予定がつけばだから」
 あくまでその時はというのだ。
「一緒にね」
「では」
「あんたも来られたらね」
 ダオさんは僕に直接声をかけた。
「その時はね」
「僕もその蘇と白酒を」
「飲むのよ」
 こう言うのだった。
「わかったわね」
「蘇も食べて」
「そうよ、奈良時代の山海の珍味を楽しむのよ」
「それ絶対かな」
「奈良に行けたらね」
 その時はというのだ。
「いいわね」
「それでダオさんも」
「勿論よ、ダオお酒大好きだから」
 言いつつ自分でウイスキーをおかわりしている、ロックでどんどん飲んでいる姿は如何にもお酒が好きというものだ。
「白酒も好きだし」
「それでなんだね」
「飲みに行くわよ」 
 こちらが第一だった、ダオさんの場合は。
「気合入れてね」
「じゃあ行けたら」
「行きましょう、じゃあ今は」
「そのウイスキーを」
「飲むわ、ウイスキーはいい飲みものよ」
 それはどうしてかというと。
「女を磨く水っていうのよ」
「それ本当のこと?」
「ダオが思っていることよ」
 主観での言葉だというのだ。
「ウイスキーはね」
「女の人を磨く」
「飲めば飲む程ね」
「そうなのかな」
「そうよ、ダオが言ってるから間違いないわ」 
 こう言ってだ、ダオさんは何処からか。
 コップをもう一つ出してそこに氷をすぐに幾つか入れた。そしてそこにウイスキーを注ぎ込んで僕に差し出して来た。
「あんたも飲みなさい」
「あの、さっき言ったけれど」
「男も磨くのよ」
 ウイスキーはというのだ。
「だからあんたもよ」
「飲めっていうんだ」
「そうよ」
 まさにその通りだというのだ。
「わかったわね」
「ううん、ウイスキーは」
「飲めないの?」
「あまり得意じゃないんだ」 
 アルコール度の強いお酒はだ、何故か身体が受け付けない。一口飲んでそこから飲むのが進まなくなってしまうのだ。
「だからね」
「ウイスキーはいいのね」
「あまりね」
「じゃあいいわ、無理強いはしないから」
「そうなんだ」
「こっちはダオが飲むから」
 入れたそのウイスキーはというのだ。
「それはそれで」
「ウイスキーのことはそれで終わって」
「飲みましょう、テストが終わったことをお祝いして」
「今日は心ゆくまで」
「飲みましょう」
 こう言ってだ、ダオさんは実際に自分が入れたウイスキーを飲んでだった。
 そこからもさらに飲んだ、僕も黒ビールをどんどん飲んで他の皆もそれぞれのお酒を堪能した。そうしてテストが終わったことを皆で祝った。


第三十四話   完


                         2015・3・3 
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