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我輩は逃亡者である

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  IF22

さて、こんちっわー上代翔だよ。くーちゃんに時間稼いでもらって逃げ出した野郎だよーふふふふふふふ…現在下水道にいます、下水道が似合う泥水滴るダメ人間上代翔だよ!
…ふぅ携帯なくして束先輩とも連絡とれないし。もういいや、くーちゃん助けにいこう。ステルス玉あったら侵入できるだろうし…どうにかなるさ!ならなくても成す!らしくなくてもやってやらぁぁぁぁぁぁぁ!



▽▽▽▽



…いやー実際に入れると引くよね、何か大量のISが街の方に向かってたから警備がザルだったんだけど…アレだ、前にテレビでやってたイオスっての着けた人たちはちらほら居たけどさ。

どうやってくーちゃん見つけるかなぁ…っと!

「あー何で私だけ学園の警備に残らないといけないのかしら?確かにISが全機外にいくのも不味いけどさぁ」

ふむ1機だけ警備に残ってたみたいだ……乗ってる人はトイレに行ったりするよね?するよね?
アレもらおう、一応乗れるらしいし。

――それから10分ほどしたらトイレに向かったのかISを外し走っていった…多分トイレだろう、そうに違いない!…ゴクリ

「よいしょっと!おお、何だかんだではじめて乗ったけど…どうやって動くんだこれ?歩ける気とか微塵もしない。あれ詰んだ?」

くーちゃんの居場所は…お、それは載ってる。ふむふむ、寮の一室にいるのか。予想より好待遇でよかったが…

「あっちの方向だよな…移動するには…スラスターを点火すればいいのか?―ッノォォォォォォ!?」
「ちょ!?あなた何をしてい――きゃあ!?」






なぜかスラスターが全開となりくーちゃんの部屋まで一直線に突っ込むこととなった…途中立ち塞がる全ての壁を貫いて。ゴフォ!?壁に突き刺さった…バリアーシールドって凄い、だってこんなになっても無傷なんだもの。

「きゃっ!?誰ですかッ!……かーくんさん?」
「や、やあ迎えに来たよ?」
「迎えに来る方法がISで壁をぶち破るとかあの世へのお迎えになりかけてましたよ」
「ごめんよ、なにぶん初めてで。でそこにいる人は?」
「わかりません、何か音もたてず侵入してきた変態なので黒鍵で昏倒させました」
「そっか変態ならいいや…なら行こうか束先輩のとこへ」
「ええ行きましょう」

くーちゃんを抱えてスラスターを再度点火し束先輩のもとへ向かう。

「でかーくんさん…ちゃんと操縦できるんですか?」
「あっ……っぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!?」
「きゃぁぁぁぁぁ!」

回転が!回転が止まらない!弾丸のように飛んでいってる…!

「高度が上がりすぎです下げてください!右スラスターの噴射を抑えて!」
「ッッッッ、こう!?ぬぁぁぁ!?」
「何で直角に下がるんですかぁぁぁぁ!?」
「ぬぎぎぎぎぎぎ!!ふんすっ!」

ふぅ…はぁはぁ、何とか地面にクレーターをつくる前に真っ直ぐ飛べた。

「これを真っ直ぐ飛べたと言っていいんでしょうか?」
「うん…やっぱ駄目?」
「回転しないように地面を両足で削りながら飛んでますし」
「いやー道路と燃費には悪いね、はじめて乗るもんだから全然わからなくて」

こうして何とか真っ直ぐ進めるようになったのはよかったけど道路と足の装甲が激しく削れて火花を散らしながら走っている…何か前に見える空が黒くなってるぞ?

「不味いです!恐らくあれは束様のつくられた無人機です!」
「え!?何であんなに出してるの!?」
「…私たちに会えなくて寂しいからでしょうか?」
「んなアホな!…いや!ありそうで困る、あの人もおれと違うとこで頭のネジ外れてるし!」
「かーくんさんは自覚あったんですね」
「まぁねー…急ぐよ!ッと加減ミスったぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「はいっ!――きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

そしてスラスター全開のまま盛大に地面のISの足の装甲を削りつつ束先輩のとこへ向かうこととなった。
途中ISの機能か束先輩の叫びが聞こえた…やっぱりあの人も人間なんだ。ただ勝手に居なくなったことにしないでほしい、らしくなくテンパりすぎだよ先輩。






▽▽▽▽




束さんが話終えると同時に束さんの持った箱から無数の無人機が出てきた。

「何体いるんだよ…!」

そしてその数に絶望仕掛けたところへ

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!ちょ!エネルギー切れる!?へい!束先輩くーちゃんパス!」
「え?えっ!?っとぉ!」
「へぷっ、お久しぶりです束様!」
「ぉぉぉ!?…うぇ?エネルギー切れた!?」

打鉄を纏った上代翔が突っ込んできて…エネルギー切れとなり上代翔単体で俺に突っ込んできた。

「何で俺!?ぐほっ!?」
「ぶるふぁ!?」

そうして白式を纏ってるはずの俺は飛んできた上代翔と後ろへぶっ飛んだ…何でだ!?









▽▽▽▽





「お久しぶりです束様!とと、それはともかく!かーくんさん!生きてますか!」

そう呼ぶくーちゃんの声が聞こえた。

「痛ったぁぁぁぁぁ!!死ぬかと思ったわ!」

生きてる!生きてるよおれ!織斑一夏くんナイスキャッチ!ただ今度からもうちょっとソフトにキャッチしてね!

…それより目を白黒させてる束先輩だ、なんだこの虫みたいにウジャウジャしたISは。多すぎてキモい。


「束先輩!IS乗ってここまで来たんで途中から束先輩の声聞こえてたんですけど…敢えて聞かなかったことにします。そんなことより宇宙いきましょうよ!世界を壊すより世界から逃げて逃げて宇宙まで逃げましょう!
だってそっちの方が断然面白いですよ!」
「いやそんなことよりって二人とも…え?え…かーくん…?くーちゃん…?ほんもの…?」
「やばいくーちゃん束先輩があの歳にしてボケた。天災の反動かもしれん、頭の寿命を縮めたか…」
「大丈夫です、かーくんさん。例え束様がボケたとしても私たちがお世話しますから。」
「ああ!間違いなくほんものだね!」

そうだ、まごうことなき本物である。で何世界壊すとかエキセントリックなことしようとしてるんですか。

「いや…二人とも居なくなったと思って…その」
「テンパった」
「…その一言で纏められるのも何かなぁ」
「キョドった」
「離れたよ!そうだよ!テンパったんだよ!」

それくらい私は二人を大好きなんだよ!と束先輩は続けた。…ここはボケれないよなぁ。

「はい、おれも二人とも大好きですよ?」
「はいっ!勿論私もです!」

「「ただそれでテンパってここまでするのはない」」
「うぐっ…」
「ま、ここまで思ってくれてたのは嬉しかったですが…束先輩、同じ形の無人機がウジャウジャしててなんかキモいです」
「そうですね私も嬉しかったですが…束様取り敢えず無人機しまいましょう」
「はーい」

そういうと束先輩の近くの箱にゾロゾロと無人機が入っていった…四次元ボックス的なものかあれは。

「では皆さん、改めてお騒がせしました。いやいや織斑くんは突っ込んですまんね」
「ああ、それはいいんだが…上代はどうするんだ?その、これから…」
「え?これからって?」
「いや…戸籍も全て偽物ってわかって世界から追われることになったんだろ?」
「あっ、そうだった。世界から追われてるのは元々だしなぁ、忘れてたわ」
「…でどうするんだよ?」
「そうだね、束先輩パス!」

めんどくせ!ぶっちゃけ普通じゃないことは何となくわかってたし。親のこととか全く思い出せないのはそのせいだったのかーぐらいの認識だよ。だから束先輩あとは任せた。

「え?ここで束さんに丸投げかい!?」
「ほう…でどうするのだ束?」
「ん、んんんん。未遂だし見逃して?ぶっちゃけ束さん今回は最後に無人機出した以外特に何もしてないよね?」
「…我が姉ながら清々しい開き直りだ、言ってることは正しいがなんとも言えない気持ちになるぞ」
「それに亡国本部に突撃して潰してきたし寧ろプラスだよ!」
「えっ?亡国を潰した!?」
「うん、それでプラマイ0で許して?駄目かなちーちゃん?」

たしかに今回は束先輩はそこまでやらかしてないのかな、寧ろISパクって乗ってきた自分の方がヤバそうだ。後ろに脱ぎ捨てたISがほったらかしだ。
…冷静になると冷や汗が止まらん。え?かなりヤバくないかな?

「そう…だな、お前の言う通りだ。今回は束が何かした訳じゃないし更にそこ犯人をお前が捕らえたなら言うことなしだ。それに…今回のことで考えさせられることもあった。色々すまなかった束」
「いーよいーよ、全く束さんが悪くないわけでもないし」
「ただ今回のことを抜きにしてもお前たちが世界から追われてることは変わらんがな?」
「え?」
「え?」
「え?」
「束さんと上代と銀髪の娘反応揃ったぞ!仲いいな箒!」
「いや一夏、ここで注目するのがそこなのか…?」


え、えー…このまま綺麗に終われない?あ、無理ですか。なら…

「逃げるよ!かーくん、くーちゃん!」
「あいさー!くそ、見逃せよ!」
「はい!束様、おぶってください!」
「全員追え!あいつらを捕まえろ!」
「よしきた!上代翔!一緒に学園に通うぞ!男一人はキツいんだ!」
「待て姉さん!今までのこと色々じっくり聞かせてもらうぞ!」
「ふっ友を逃がすのを手伝ぉぉぉ!?セシリア、鈴何をする!?」
「今度は邪魔させませんわよマドカさん!」
「寧ろあいつらと一緒に捕らえてやるわ!」
「待てぇ!特にラウラ似の髪のクロエって娘こ!」
「そうだ!出身が私と同じではないのか!?」
「おねーさんを舐めてもらっちゃ困るわ、もう逃がさないわよ!」
「山嵐!捕縛ネットバージョン!」

なにオールスターみたいに追ってきてるの!?IS使うな!しぬ、死ぬから!?

ああ、もう…

――俺たちは俺たちの自由のために今日も逃げる!
 
 

 
後書き
※以上はIFで本編にはなんら関係ありません。 
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