八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三十三話 期末テストその十
「ですからそうします」
「では」
僕は畑中さんに答えてだ、そうして。
まずは自分の部屋でジャージに着替えた、それからトレーニングルームに入ったらそこにはだった。女の子達がもう何人かいた。
美沙さんは黄色系統のラフな半ズボンとシャツでルームランナーを使っていた、僕の姿を認めると額の汗を手にしているタオルで拭いてから言ってきた。
「大家さんも来たの」
「うん、汗を流しにね」
「お昼は運動してなのね」
「後でお風呂に入るよ」
「それ畑中さんに言われたことでしょ」
美沙さんは僕にこうも問うてきた。
「そうでしょ」
「うん、そうだけれど」
「私もよ。お昼寝しようと思ってたら」
「そこでなんだ」
「汗流したらどうかって言われたのよ」
「一緒だね、それも」
「そうよね、だからね」
それでとも言う美沙さんだった。
「まずはね」
「汗を流して」
「そしてね」
「お風呂に入ってね」
「それで完全にすっきりとしてね」
そうしてというのだ。
「またお勉強よ」
「そうするんだね、美沙さんも」
「ここにいる皆もそうよ」
美沙さんはトレーニングルームの中にいる他の女の子達を見回した。するとそこにもだった。皆いてそうしてだった。
他の女の子達も美沙さんと同じことを僕に言った、そして。
ラブポーンさんがだ、ダンベルを上げつつ僕にこう言った。
「いや、こうして汗をかくと」
「いい気分転換だよね」
「スポーツするとね」
こう言いつつダンベルを上げてだった。
そしてだ、その後で。
ムエタイのスパークリングもしてだ、また僕に言った。
「これで余計にね」
「勉強に向かえそう?」
「すっきり出来るからね」
運動でストレスを発散出来てというのだ。
「いいアドバイス受けたわ」
「そうだ、文武両道なのだ」
井上さんも言って来た。
「私は最初からここに来るつもりだがな」
「井上先輩は、ですか」
「そうだ、こうしてだ」
器具を動かしつつの言葉だ、黒いジャージで動いている姿がアスリート選手を思わせた。
「汗を流すとだ」
「勉強の方もですね」
「はかどるのだ」
「それで先輩は」
「毎日運動をしていてな」
「今もですね」
「勉強前は汗を流し風呂に入り」
そして、というのだ。
「そのうえで励んでいるのだ」
「じゃあ先輩にとっては」
「健全な汗は健全な成績となる」
何か何処かの標語みたいな言葉だった。
「それが私の座右の銘の一つだ」
「健全な汗が、ですか」
「そうだ、つまりまずは健康的に汗をかき」
そして、というのだ。
「風呂で身体を清め」
「それから机に向かわれるんですね」
「そうすれば健全な学習も出来る」
「そういうことですね」
「文武両道は難しくはない」
こうも言う井上さんだった。
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