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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十三話 期末テストその八

「それにね」
「それに?」
「それにっていうと」
「昨日の夜と今朝食べたし」
「ステーキとカツか?」
 クラスメイトの一人が僕に言って来た。
「やっぱり」
「あっ、わかるんだ」
「俺もそうだったからな」 
 昨日の夜はというのだ。
「ステーキとカツだったからな」
「僕もだよ」
「私も」
「私もよ」
 クラスメイトの中で結構な割合が昨夜はこのメニューだった。
「昨日の夜はな」
「いい点取る為にね」
「ステーキとカツだったよ」
「それだったわ」
「そうなんだ、皆考えることは一緒なんだ」
 僕は皆の言葉を聞いて頷いた。
「だからなんだ」
「そうみたいね」
 女の子の一人が僕に答えてくれた。
「どうやら」
「そうね、ただ」
「ただ?」
「大家君朝は何食べたの?いいもの食べたっていうけれど」
「及第粥っていうお粥だけれど」
「及第粥?」
「豚の内蔵を入れた中国のお粥だよ」
 具体的にどういったお粥かもだ、僕はクラスメイトの女の子に話した。
「それを食べたんだ」
「面白そうなお粥ね」
「美味しかったよ」
 実際にとだ、僕は答えた。
「それでね、今もね」
「体調いいのね」
「やっぱりしっかりとしたもの食べないとね」
 それこそとだ、僕はこうも言った。
「元気が出ないよね」
「そうそう、私も朝はね」
「今朝は?」
「パン四枚食べたわ、トーストでね」
「朝に四枚なんだ」
「いや、食べたお陰でね」
 この女の子の名前は山田さんという。山田さんはにこりと笑って僕に言った。
「今凄く元気よ」
「テスト出来そう?」
「一応勉強したし」  
 山田さんはこの辺りは曖昧だった、実は山田さんは成績はあまりよくない。本人もそのことをわかっていて僕に言う。
「赤点は取りそうにないわ」
「そうなんだ」
「だからね」
 それでとだ、山田さんは僕にこうも言った。
「今回はちょっと安心してるの」
「いけそうだから」
「追試とか嫌だから」
 山田さんは少し苦笑いになって本音を出した。
「勉強したし食べたし」
「テスト頑張れるんだ」
「ええ、何とかね」
 こう言ってだった、山田さんはテストに向かおうとしていた。そしてそうしたことを話しつつだ。僕達はその期末テストに挑んだ。
 一限目は数学、二限目はだ。 
 英語のグラマーだった、そして三限目は世界史でだ。
 その世界史のテストが終わった時にだ、皆溜息と共に言った。
「やっぱりな」
「中川だったな」
「本当にあいつのテストってな」
「変に難しいな」
「何でこんなに難しいんだよ」
「授業も下手だってのにな」
 こう言ってだ、皆嫌な顔で言った。
「何点なんだか」
「赤点じゃなかったらいいけれど」
「まあ採点は普通みたいだから」
「まだいいけれど」
 中には採点が変に厳しい先生もいる、この辺り先生の個性だろうか。変な先生もいるから困ったものだと思う。
 その中でだ、僕もだった。
 とりあえずこの日は終わったと思ってだ、こう言った。 
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