八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三十三話 期末テストその二
「そうしたお粥あるよ」
「そうなのネ」
「中華料理はお粥も多彩ある」
「実際にチャイナタウンでも相当あったヨ」
その種類が、というのだ。
「こんなにあるのかって驚いたヨ」
「それで及第粥あるが」
「はい、豚の内蔵を入れたものです」
「そっちあるか」
「別の及第粥は」
何か何処かの本で読んだ、相当にややこしい作り方だ。
「実は私が好きではないので」
「好きじゃなイ?」
「そうあるか」
「はい、レシピはある漫画なのですが」
その漫画が、というのだ。
「私は嫌いなので」
「それでなのネ」
「そっちの及第粥は作らないあるか」
「あの漫画は料理漫画ではありません」
小野さんには珍しい全否定の言葉だった。
「全ては否定しませんが」
「それでもなノ」
「参考にしないあるか」
「一切です」
やはりだ、小野さんは強く否定して言った。
「自然食、反文明ではです」
「ああ、自然食ばかりだとネ」
「かえってよくないと思うあるよ」
ジューンさんと水蓮さんもこう小野さんに言った。
「調理器だってよくなればそれだけ料理も美味しくなるシ」
「化学調味料は摂り過ぎなければいいだけある」
「そうしたことにこだわるとネ」
「かえってお料理が悪くなるある」
「そうです、ですから私はです」
その漫画はというのだ。
「参考にしていません」
「あの漫画ですね」
僕も小野さんに応えて言った。
「僕もあの漫画は昔は読んでいましたが」
「今は、ですね」
「何か出て来る人が皆」
漫画の登場人物達がだ、それも誰もが彼もがだ。
「物凄くすぐに怒って野蛮で」
「そうですね」
「おかしいですよね」
「ヒステリー症の人ばかりではと」
「そう思える位ですね」
「はい、本当に」
「その時点でもおかしいですし」
それにとだ、小野さんはさらに話した。
「インスタントラーメンや冷凍食品は出しませんね」
「ですね、何があっても」
「あの原作者の思想で」
「自然食だけですか」
「そうした考えですから」
それで、というのだ。小野さんは。
「そればかりではと思いまして」
「参考にされないんですね」
「そうです、確かにインスタントラーメンは身体にあまりよくないかも知れません」
「それでもですね」
「すぐに食べられることは事実です」
このことはというのだ。
「ですから」
「悪いものではないんですね」
「はい、あくまで食べ過ぎと食べ方が問題であり」
「インスタントラーメンを否定することは」
「それもまた愚かだと思います」
「そういえばインスタントラーメンは」
イタワッチさんがここで言って来た。
「こっちでもよく食べるよ」
「インドネシアでも」
僕はそのイタワッチさんに応えた。
「そうなんだね」
「うん、結構ね」
「インドネシアのインスタントラーメンは辛いんだよね」
「日本のよりもね。あとね」
「あと?」
「焼きそばみたいなのもあるよ」
日本で言うそれがというのだ。
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