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インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜

作者:
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ここで負けるわけにはいかない!

最悪のコンビとも言えるし最高のコンビとも言える私のペアは全くもって相手=パートナーのことを考えてない。もっと言えば、私がではなく、もう一人が。

「ボーデヴィッヒさん。宜しくお願いしますね」

と笑顔で話しかけると

「白々しい」

と言葉で片付けられる始末である。
協力出来れば、優勝も間違いないと思うのだが先は長いようだ。

☃☃☃

「なんか大変だな。優里も」

「そうですか?」

「そうですか?って……」

正直言って、ヤバイ状況なのだが一夏も敵になる以上 簡単に情報を提供するのはどうか?と思うので適当に話をそらす。

「そういえば、シャルルとはどうなんですか?」

「うーん、いいんじゃないのかな?」

「そうですか」

「あぁ」

相手も同じらしい。

☃☃☃

「………」

「………」

「あ、ははは」

私、一夏は絶句。シャルルに至っては苦笑いである。その理由は学年別トーナメントの対戦相手が決まったからだ。
第一回戦:那珂優里&ラウラ・ボーデヴィッヒ 対 織斑一夏&シャルル・デュノア
これは最初から強敵にあってしまったようです。
と私は心の中で思うのだった。

☃☃☃

広い競技場の中、白 橙 銀 黒となんとも色鮮やかなISが並んで睨み合っている。睨んでいるのは白と黒の両者だけなのだが。銀と橙はそれを見て、互いも少しながら火花を散らす。

「第一回戦で当たるとは手間が省けるものだ」

「そうかよ。俺もあんたと決着つけたかったしな」

「シャルルと戦うのは初めてですね。なんだか、ドキドキします」

「僕もだよ」

試合開始まであと10秒。10.9.8.7.5.4.………3.2……1

「じゃあ、行くぜ」

「叩きのめす」

試合開始と同時に飛びかかってきたのは、予想に反して私の方に一斉攻撃だった。

「ッ‼︎」

一夏の雪片弐型を自分の鬼切で防ぎながら、上から降り注いでくる銃弾の雨を後ろ飛びで避ける所を一夏が瞬時加速で私の懐に飛び込んで、上から斜めに斬りつける。それを寸前で交わしながら、私は違和感を感じていた。チラッと置いてけぼりになった黒いISを見る。顔はしたを向いてて、表情は分からないがなんかやな予感がする。
(大体、こんな時のやな感じって当たるんですよね)

「よそ見なんて、かなりの余裕だね。優里」

上から聞こえたその声に私はハッとする。しかし、時すでに遅く 火薬の雨に巻き込まれた。





やった‼︎と僕は一夏の方を見る。すると一夏もニコッと笑ってくれた。

『あの二人相手か……』

『うーん。一人一人の能力は高いけど、多分 あの二人は協力しようとしないと思う』

『?』

『だから、一人一人相手していけば勝てるかもしれないってこと』

『………。でも、どっちからやっつけるんだ?どっちも強いぞ』

『………そうだね』

僕と一夏はお互い顔を見合わせて苦笑いした。
そして、今。試合が始まった後、取り敢えず優里マークということだった。二人で攻撃していれば、絶対隙が生まれるだろう身からということで。

「シャルルこそ。よそ見なんて、余裕なんですね」

「!?」

後ろから響いた聞き慣れた声にビクンと心臓が一つ跳ね上がる。
取り敢えず、シールドしないと‼︎と思った僕はシールドを持ったまま振り返る。
しかし、あっちの方が早く 思わず目を閉じそうになる。

カチーン!!

「オイオイ。優里、お前の相手は俺だぜ?」

「一夏の相手なんて、一分もかかりません」

雪片弐型で鬼切の刃を受けている一夏は睨んでニヤッと笑う。その顔を冷たい顔で見る優里。優里は前に鬼切を押し出すとワザと一夏のバランスを崩す。崩した一夏を横払いで切ろうとするところを

「させないよ!!」

優里目掛けて、発砲する。それを器用に鬼切で切って行く優里からひとまず離れた僕たちを黒いISが襲った。





(なんなんだ。あの女)

『ボーデヴィッヒさんって、なんで一夏を狙うんですか?』

『そんな事聞いて、何になる』

『ただの好奇心ですよ』

『…………』

『あっ。話したくなければ別にいいですよ』

『あの男が教官の弟だからだ。あいつのせいで教官は……』

『ふーん。なら、一夏をコテンパンに出来るといいですね』

そのあまりにも他人事のような態度に私は奴を睨む。

『貴様、あの男の仲間じゃないのか?』

『仲間ですけど?』

『私があいつをコテンパンにするの止めないのか?』

『止めるも何も私には他人事なので。それに、これは試合なので本気でやらないと一夏とシャルルに怒られてしまいます』

『………』

冷たい顔で話していたと思えば、優しい柔らかい顔で話している。

(本当、変な女だ)






「ふん」

「ぐあっ!!」

肩のカノンでラウラに撃たれた俺は地面に叩きつけられた。その俺に追い打ちをかけるようにまだ撃ってくる。

「一夏っ!!」

シャルルが援護しようと飛んでくるがそれを優里が鬼切で薙ぎ払い、その勢いでシャルルは壁にぶつかった。

「ッ!」

俺は雪片弐型を握りしめるとラウラに飛びかかる。

「ふん。正面から攻撃とはバカなのか?」

「なんとでも言え‼︎」

また肩のカノンが光り、俺に発砲するが俺は急に向きを変え 優里を斬りつける。優里は俺がこっちにくることは想像もしていなかったようでシャルルの反対側の壁に激突する。

「シャルル、大丈夫か?」

「まぁ、なんとか……」

俺は反対側の壁に視線を戻して、唖然とした。砂煙の中から出てきた優里は傷一つついてない。

「痛いですね。一夏……私、久しぶりにキレそうです」

「…………」

ボソッと怖い宣言してるし。俺は顔を青ざめさせながら、シャルルに耳打ちする。すると、コクンとうなづいてくれる。

「一罰かの賭け」

「うん。行こう!」
 
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