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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第八幕その九

「恋愛にも疎いし」
「そうした人でもよ」
「大丈夫なのかな」
「だって。子供を虐待する様な人でも結婚してるじゃない」
「そうしたお話もニュースで出てるね」 
 先生は悲しいお顔になりました、そのお話については。
「よく」
「ええ、悲しいことにね」
「そうした人でもなんだ」
「結婚してるのよ、それで酷いことをしてるけれど」
 それでもというのです。
「先生は子供いじめる?」
「そんなことは絶対にしないよ」
 当然にと返す先生でした。
「とんでもないことだよ」
「そうよね、先生みたいなお心の人だと」
 それこそ、というのです。
「大丈夫よ」
「だといいけれどね」
「ええ、きっといい人と結婚出来るわ」 
 間違いなく、というのです。
「安心してね」
「まあ先生はね」
「こんないい人そうそういないから」
 ポリネシアとトートーもこのことはよくわかっています。
だからね」
「何時かきっとね」
「いい人と一緒になって」
「そちらでも幸せになれるね」
「私もそう思うわ、絶対によ」
 お静さんも太鼓判を押すことでした。
「先生は幸せになれるわ」
「間違いなくね」
「そうなれるよ」
 オシツオサレツも二つの頭でお静さんに続きます。
「僕達以外にもね」
「結婚相手が出来て」
「それでそちらでもね」
「仲良くなれるよ」
 こうお話するのでした、そして。
 ホワイティがです、先生にこう言いました。
「じゃあお茶をね」
「うん、皆で飲もうね」
「そうしようね」
「お茶を飲むとね」
 それこそ、と言う先生でした。
「何か生き返るんだよね」
「先生って本当にお茶好きだよね」
 王子も楽しげに笑って先生に言います。
「イギリスにいた時から」
「そうだね、お茶が一番好きかな」
「飲みものの中では」
「食べものは色々だけれどね」
 好きなものは、というのです。
「飲みものはね」
「紅茶だね」
「やっぱり一番好きだよ」
 そうだというのです。
「最近は日本のお茶も飲むけれどね」
「特にミルクティーだね」
「何といってもね」
 先生はこう王子に言いながら実際にミルクティーを淹れています。
「これだね」
「そうだよね」
「うん、一日一回は飲まないと」
 それこそとも言うのです。
「何か気がね」
「済まない?」
「調子が出ないっていうかね」
「そこまで好きなんだね」
「そうなんだ、あとティータイムには」
 お茶だけでなく、です。 
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