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フリージング 新訳

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第25話 Machination 4

 
前書き
ダメだ……サテライザーさんの出番がない……
カズトとサテライザーさんのイチャコラやカズトの無双を書きたいのに‼︎ 

 


「ラナ…先輩、どうしたんですか?」
「どうって、カズトくんを探していたでありますよ。」

まるで、当たり前のことを聞かれたかのように、首を傾げる。いや、なんでだよ。俺に会いに来る理由が見当らないんだけど。用があるとすればアレか?助けたお礼でも取りに来たのか?
いやまて、それは俺の方から出向いて手土産の一つでも持っていくものだろう。

「カズト、俺はもう終わったから、先に教室戻ってるよ。」

しっかりやれよ、と言うように、ウインクをしてアーサーは席を外した。
あいつ後で締めてしまおうか……

「カズトくーん?どうしたでありますか?目が遠くなっているでありますよぉ〜?」

そう考えていると、ラナが顔を覗き込んできて、思わず後ずさる。

「い、いえ、なんでもないです……」
「もう、なんでそんなによそよそしいのでありますか?昨日みたいにラナと呼ぶでありますよ‼︎」

なんでこんなにハイテンションなんだろうか……

「いや、流石に先輩を呼び捨てなんて、出来ませんし……」

そうしていると、さらにラナが顔を近づけてくる。この人の距離感は本当におかしいと思う。サテライザー先輩の十分の一でも学んで欲しい……と、軽めに言えたらよかったのに。

「昨日みたいに、気軽に、ラナ、と呼んで欲しいでありますよ…」

ゾクリとした。先ほどまでの無邪気な声とは違う。艶かしい、女の声。

「ほら、カズトくん…」
「わ、わかった、わかったから……!」

なんとか距離を取り、視線をそらしながら言う。

「ラナ……これでいいか?」

仕方なく呼ぶと、それはそれは嬉しそうで、そして恍惚とした表情をした。

「とても気持ちのいい響きであります。」

なんだろう。すっごく色っぽい。サテライザー先輩の可愛い感じとは違って、なんだか大人の色気がある。確か実年齢はサテライザー先輩よりも上なんだよな…

「か、カズト……」

ふと、後ろから震え気味の声が聞こえてくる。聞き慣れた声だが、今日はその声が弱々しく感じた。

「さ、サテライザー先輩……!」
「……なにやってるの?」

やばいやばいやばいやばいやばい‼︎
先輩ちょっと涙目なんだけど‼︎

「あら、サテライザーさん。サテライザーさんもお昼でありますか?」

なんでそんなにくっついてくるんですかね⁉︎なんでなんですかね⁉︎

「あの、ラナ…少し離れて……」
「私とカズトくんのラブラブ空間に同席したいというのなら、どうぞ〜。」

どうしてそこで挑発するんですかね⁉︎
狙ってるんですかね⁉︎

「カズト……」
「はい‼︎」
「ちょっと来て…」

……殺されるかもしれない。

「ごめんラナ。話はまたあとで。」
「あ、カズトくん‼︎」

ラナが何か言っていたが、今は仕方ない。あとで謝ろう。
サテライザー先輩の方が重要なんだ‼︎
生きるか死ぬかの瀬戸際なんだ!

****************

「はぁ……まあ、いいであります。攻略するのはこれからゆっくりと……」

そう呟きながら、ラナは自分の昼食を取り始めた。
初めて興味を持った異性。男らしく、強く、凛々しい戦士の青年。その強さに、心底惹かれた。
そして何より、自分と同類だと直感したのだ。

なんとしても、手に入れたい。もちろん所有物ではなく、自らの夫としてだ。
でも、その為にはあの女が少し邪魔だ。
サテライザー…と言ったか?

アレと彼をどう引き放せばいいか……

と、考えたが止めた。そんなやり方は自分の流儀ではない。

と、その時だ。

「相席、いいかしら?」



「あの、サテライザー先輩?どうかしましたか?」
「…………」

屋上。カズトはサテライザーに連れられ、彼女と向き合っていた。そこには甘々しさなど欠片ほどもなく、ただ鋭さだけが残っている。
別にサテライザーは怒っているわけではない。ただ、少し気にくわないだけだ。

「さっき……あの女のことを……名前で……」
「え?あ、いやあれは……ラナが、そうしろと……必要に駆られて……」

気にくわない。本当に、気にくわない。

「な、なら…私のことも…!……サテラって…よんで……」
「じゃ、じゃあ……サテラ…先輩…。」

目を逸らし、頬を赤らめながら言った。
それだけでも、心臓が跳ねる。
でもダメだ。ここで立ち止まってはいけない。

「せ、先輩はいらないから……」

これにはカズトも面を食らった。
あのサテライザー先輩が、呼び捨てでいいとまで言ってくれたのだ。

「えっと……じゃあ……サテラ…」
「……うん!」

この日、サテライザー改サテラは、カズトとの仲がより一層深まった気がした。

なのに……だと言うのに……



「少しお時間、よろしいでありますか?」

悪意は、時と場所を考えないのだった。
 
 

 
後書き
次回、次回こそはラナvsサテラを‼︎
ここ最近、fateと俺ガイルのコラボ。
色々な日常ものと今作のパロディを書きたいと思っていますので、そちらもどうぞよろしくお願いします。 
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