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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十八話 豪新戦その七

「一旦お風呂にでも入ってもらって」
「落ち着いてもらってな」
「それでな」
「それからだな」
 落ち着いてもらって、というのだ。
「飲んでもらうにしても」
「さもないと本当にそこから暴れるとかな」
「普通になるからな」
「大家としても気をつけろよ」
「酒乱は性質が悪いからな」
「うん、その方がいいかもね」
 僕も皆の言葉に納得して頷いた。
「というかね」
「と、いうか?」
「っていうと?」
「いや、実はうちのアパートのお風呂にテレビもあるから」
 わざわざ付けてくれたのだ、それでだ。
「それでね」
「ああ、そこで観てもらって」
「リラックスしながら観戦してもらってか」
「勝敗が決まっても風呂でリラックスしてもらって」
「それでか」
「落ち着いてからか」
「うん、飲んでもらおうかな」
 僕は皆にその考えを言った。
「そうした方がいいかな」
「いいんじゃないか?お風呂場にテレビがあるのなら」
「それならな」
「いいだろ、それで」
「普通に」
「そうだね、それじゃあね」 
 僕はここでこの考えに至った、そして。
 そのことを決めてからだった、僕は皆にこう言った。
「じゃあこの話はこれでいいとして」
「ああ、それでな」
「今度の授業体育だからな」
「早く着替えようぜ」
「更衣室行こうぜ」
「そうしよう、ちょっとお話が長くなったから」
 それでだとだ、僕は立ち上がりながら皆に言った。
「急ごう、何か変な話して悪いね」
「いやいや、気にするなよ」
「大したことじゃないからな」
「今すぐ着替えても間に合うからな」
 だからだとだ、皆は僕に答えてくれた。
「気にするなって」
「それより早く着替えようぜ」
「そういえば次の体育何やるんだ?」
 授業の具体的な内容についての問いも出た。
「一体な」
「ああ、サッカーだよ」
「サッカーか」
「それだよ」
 こうしたことを話すのだった。
「今日はな」
「ああ、サッカーっていうと」
 ラグビー部の氏家君がここでこう言った。
「ラグビーのはじまりだったよ」
「あっ、そうだったね」
 僕も氏家君の言葉を聞いて頷いた、そうした話をしながら皆で体操服を持って教室を出て更衣室に向かっていた。
「そういえば」
「ラグビー高でサッカーをしている時にな」
「生徒の人がボール抱えてゴールに向かって」
「それがラグビーのはじまりになったんだよ」
「そうだったな」
「そのサッカーをするんだね」
「何か面白いな」
 氏家君はしみじみとした口調になっていた。
「それって」
「そうだよな、本当に」
「ああ、ただ」
「ただ?」
「いや、一つ思うことは」
 それはというと。
「そのラグビー高って面白いね」
「そうした話があるからだよな」
「うん、あっちじゃ有名な学校だよね」
「ラグビーのはじまりだけあってな」
 このスポーツの起源だからこそというのだ。 
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