ワンピースの世界に
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6話
白ひげの船で1年程過ごしたあと、シャボンディに帰還した。
この1年は、ほぼ毎日隊長達の誰かと戦っていた(マルコが一番多かったが)・・・最初は負けっぱなしだったが、半年を過ぎた頃には徐々に勝ち星が増えて行き1年が経つ頃にはマルコにも勝ち越しできるほどに成長した。
雷の力もかなり扱えるようになったと思う、最大で5億Vまで引き出せるようになった。これ以上はまだ引き出すことは出来ない・・・今後の課題だな。
そして白ひげの船での修業も終わり、シャボンディ帰ることにした。
「師匠、シャッキーただいま~」
「あら、おかえりなさい」
「ようやく戻ったか、長い届け物だったな」
ほぼ1年振りに見る『シャッキー'S ぼったくりBAR』だ。
「いや~白ひげの船が居心地良かったから長居しすぎた、でも修業はちゃんとやってたよ」
「そうみたいだな、1年前とは全然違う」
「へへへ、いい経験になったよ」
「そうか・・・ならばいい」
「カイトちゃん、何か食べる?」
「ちょっと海軍本部に行くから、帰ってからにするよ」
「海軍本部に何か用事でもあるのかね」
「帰ってくる前に賞金首を捕まえたから、換金しに行ってくる」
外に出て捕らええておいた賞金首を肩に担いで、力を込めて地をけり空中を移動して海軍本部を目指す。
本部の受付に捉えた賞金首を渡して、金が支払われるのを待っているとガープが声をかけてきた。
「久しぶりじゃのぅ・・・カイト」
「1年振りくらいだな」
「お前に話がある・・・付き合え」
「嫌だ、どうせロクでもない事なんだろ?」
「いいから付いてこい・・・直ぐに終わる」
(なんか・・・普段とは違うな)
「わかったよ」
大人しくガープについて行く事にする。
少し歩くと、デカイ扉の前で止まるとノックもせずに扉を開けた。
「わしじゃ、入るぞ」
そう言って中に入っていくので、後に続いて中に入る。
「こやつがカイトじゃ」
中に入ると複数の人物がいた。
「お前がカイトか・・・私は海軍元帥センゴクだ」
「海軍のトップが何の用?」
「白ひげとやりあったのはお前か?」
「ああ、ボロ負けしたけどね・・・1年も前のことだし」
「そうか・・・実は話があってな」
「話?」
「海軍に入らないか?その力を「興味ない」・・・」
「ワハハハハハ・・・じゃから言ったじゃろう、カイトの勧誘は無理じゃと」
「話がそれだけなら、帰る」
「お、おい」
センゴクが呼び止めるのを無視して、部屋を出た。
(めんどくさいんだよな、金をもらってさっさと帰ろう)
受付に向かって歩いていると・・・
「お前が、賞金稼ぎのカイトか?」
「そうだけど、あんたは誰?」
「俺は教官のゼファーだ」
「っ!?(マジか・・・こんな所で出てくるのかよ)」
「どうした?」
「いや、いきなり有名人が出てきたからビックリしただけだ」
「フッ有名か・・・」
「黒腕のゼファーを知らない奴はいないだろ(俺は元々アンタに師事したかったんだよ)」
「そうか・・・海軍入りを拒んだみたいだな」
「ああ、海軍は好きじゃないしな」
「ハハハ、はっきり言いやがる・・・どこが嫌いなんだ?」
「・・・・・・都合の悪いことは無視するくせに、正義を語ってる所かな」
「・・・・・・」
「じゃあ、帰るから」
受付で1億2千万ベリーを受け取って、海軍本部を後にした。
カイトが帰ったあとの海軍本部内では、センゴク元帥と元大将のゼファーが話していた。
「あの男をどう見た?」
「海軍に入れるのは諦めたほうがいいな、軍に入るより敵に回る確率の方が高そうだ」
「そうか・・・」
「それに相当な使い手だな、安易に敵に回せばかなり厄介だぞ」
「敵じゃないだけマシだと思ったほうがいいな」
「そう言う事だな」
シャッキー'S ぼったくりBARに戻ったカイトは賞金をシャッキーに渡して、食事を始めていた。
「ほう、海軍に誘われたか」
「ああ、断ったけどね」
「白ひげに手傷を負わせる者を手中にしたかったんだろうな」
「まぁ、そんなところだと思うよ」
「カイトちゃんは、海賊になるから海軍には入れないわよね」
「ルフィが海賊になるのを諦めたら、考えてもいいかな・・・ないと思うけど」
「フフフ・・・そうか」
「あっそういえばさ師匠、本部に大将とか中将が揃ってたんだけど、何かあったんだろうか?」
「ん?・・・おそらくレヴェリーが開催されているから、警備のために戦力を集めているんだろう」
「レヴェリー?」
「帰ってきたばかりだから知らないのね、『世界会議』世界中のお偉いさんが集まってお話し合いしてるのよ」
「ふ~ん・・・無駄なことしてるんだな」
「形式だけでも必要なこともある」
「そんなものか、俺にはわかんねぇけど・・・ちょっと見てこようかな。何か金目のものがあったら持って帰るよ、師匠の酒代も稼がないといけないし」
「ハハハ、しっかり頼むぞ」
「ああ、ちょっと行ってくるよ。シャッキーごちそうさま」
「ええ、気をつけてね」
店を出ると、会議が開かれているマリージョアを目指すため、体を雷に変化して目的地に飛ぶ。しばらく飛ぶと、目的地であるマリージョアに着いた。
(着いたはいいけど、警備が相当厳重だな・・・会議が開かれている場所は海軍だらけだし、仕方ないから服を奪うか)
少し探すと、正義と書かれたコートを羽織っている奴が1人でいたので、気絶させてから服を剥ぎ取り縛って閉じ込めておいた。
(準備も出来たし、会場に忍び込むか・・・出来るだけ人に会わないようにしたほうがいいよな)
見聞色の覇気で辺りを探ると、近くの建物の中に大勢の人がいることがわかった。
(見つけたけど・・・出入り口に向かってるって事は、会議は終わったのか?間に合わなかったか・・・まぁいいや、金めの物でも探そうかな・・・ん?)
カイトの見る先には、二人の人物がいた。
一人は小さな女の子、もう一人は特徴的な髪型をした男性・・・
(あれってビビか?・・・多分そうだよな、あの特徴的な髪型のオッサンと一緒にいるし)
ビビと思われる少女に向かって、大柄の男が近寄っていく。
(あの樽みたいな奴って確かワポル?だったよな・・・ビビを殴るはずだったな。見てるのもムカつくから止めるか)
ワポルはビビに近づいていくと、右腕を振り上げ
「おおっと!!!手が滑った!!!」
そう言って、上げた手を振り下ろした。
「ビビ様」
イガラムが駆けつけようとするが間に合わない、ビビが恐怖に目を閉じた・・・瞬間に誰かに抱きかかえられた。
「危なかったな」
「えっ」
カイトはビビを抱えてワポルから少し離れた場所にいた。
訳が分からないような顔をしていたワポルだが、カイトが割って入ったことを理解すると・・・
「こ、このカバ野郎!!俺の邪魔をしやがって!!!」
近づいてくるワポルに対して、カイトはちょっと強めに睨み返す。
「う・・・か、帰るぞ、ドルトン」
ワポルが去って行くと、ドルトンと呼ばれた人物が近づいてきた。
「・・・すまん、助かった」
「あんたも大変だな」
ドルトンはビビにも頭を下げ、ワポルの後を追っていった。
「ビビ様~お怪我はありませんか?」
「イガラム、私は大丈夫よ」
「よかった、間に合わずに申し訳ありません」
「いいのよ、私も助けてもらったし」
二人がカイトを見てくる。
「まぁ・・・怪我がなくてよかったな」
「ありがとうございました・・・私はアラバスタ王国の王女ネフェルタリ・ビビです」
「俺はカイトだ、よろしくなビビ」
「はい」
「私はアラバスタ王国護衛隊隊長、イガラムと申す。ビビ様を助けて頂いた事誠に「良いって」・・・えっ?」
「堅苦しいのは嫌いなんだ、もっと楽に行こうぜ」
「・・・わかった、ビビ様を助けてくれてありがとう」
「気にすんなって」
3人で自己紹介をしていると
「お前達ここで何をしている?」
振り向くと一人の男が立っていた
「あんたは誰だ?」
「私は「お父様」「国王様」・・・ネフェルタリ・コブラ、君が抱いているビビの父親だ」
「あっ・・・ごめん、抱いたままなの気づかなかった」
「い、いえ、ありがとうございます」
ビビを下ろすと、イガラムと二人でコブラに成り行きを説明してくれた。
「そうか、娘が世話になった」
「いいよ、たまたま近くにいただけだから」
「そうか・・・カイト君は海軍なのか?」
「いや、違うよ・・・・・・あっ・・・海軍だ」
(((絶対に嘘だ)))
「階級は?」
イガラムが聞いてきた
「・・・・・・し、少尉?・・・かな・・・中尉だったかも」
「「「・・・・・・」」」
「お前が着ているのは『大佐』の服じゃ」
声に驚いて振り向くとガープが立っていた。
「ゲッ・・・じいさん」
いきなり頭に拳骨が降ってきた。
「痛い~何すんだよいきなり」
「なんでお前がここにおるんじゃ」
「会議ってのがどんなのか気になって忍び込んだ」
「その服はどうした?」
「・・・・・・・借りた」
そしてまた殴られた。
「まったく見つけたのがワシじゃ無かったら、犯罪者になっておるぞ」
「今度から見つからない様に気をつけるよ」
「忍び込むな!!!」
もう一発殴られた。
その後三人の執り成しがあって、今回は見逃してやると言ってガープは去っていった。
「ありがとう、三人とも助かったよ・・・本当にひどい目にあった、あのジジイめ」
「あ、はは・・・」
「じゃあ、そろそろ帰ろうかな・・・これ以上ここにいてもやばそうだし」
「君は一体何者なんだ?」
コブラの問に
「賞金稼ぎ?」
ビビに聞いてみる
「私に聞かれても・・・」
「じゃあ旅人で」
「「「・・・・・・」」」
「じゃあな、三人とも」
「あの、旅をするならアラバスタに来た時には訪ねてください」
「ん?」
「今日のお礼をします」
「わかった、その時は飯でも食わしてくれ・・・じゃあな、ビビ」
ポンッと頭を撫でてやる。
「あ・・・は、はい」
「じゃあ、王様もおっさんも元気でな・・・」
「いつでも寄ってくれ」
「ああ」
そう言って三人と分かれて、最初に忍び込んだ場所に戻り服を着替えた。
(捕まえてた軍人も服を着せて縄も解いておいたから、大丈夫だろ)
シャッキー'S ぼったくりBARに戻り、店の中に入る。
「帰ってくるのが早いな」
「行ったら会議は終わってたし、ガープのじいさんに見つかったから帰ってきたんだ」
「ハハハ・・・ついてないな」
「見つかって殴られたし」
「はい、お水でよかったかしら?」
「ありがとう」
「まぁ、ガープに見つかってそれで済んだだけで良かったじゃないか」
「そう思うことにした」
「明日からはどうする?」
「ん~今までと同じかな、修行もしたいし。師匠また付き合ってくれるよね?」
「わかった、気の済むまで付き合おう」
「師匠の了解も得たし、今日はのんびりと1年振りのシャボンディを見てこようかな」
席を立ち、出入り口に向かっていく。
「じゃあ師匠、シャッキーまた明日」
「ああ」
「ええ」
そう言って店を出た。
(ヒューマンショップに行って金を巻き上げるか、人攫い屋を潰してじいさんに殴られた憂さを晴らすか・・・どうしようかな)
そんなことを考えながら、久しぶりのシャボンディの中に入っていく。
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