ワンピースの世界に
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5話
レイリーの弟子になってから2年が過ぎた。
レイリーからは最初の1年基本をみっちりと叩き込まれた、その間に分かったことは神様から与えられたこの体は、かなりのチートだとわかった。鍛えれば鍛えた分だけ強くなっていく、レイリーにもお墨付きを貰った程だからかなりのものだと思う。
雷の力はようやくエネルが使ってた技を使えるようになったくらいだ、これは今後の修業次第だな。
その他は修業の合間にシャッキーの店の手伝いや急にいなくなるレイリーを探し回ったり、賞金首を倒して金を得たり人攫い屋を潰して回ったり、まぁ順調に強くなっていると思っていたのだが・・・なんでこうなった・・・
「ハァハァ・・・化物かよ」
「グラララララ・・・小僧、もう終わりか?」
カイトの目の前にいたのは『世界最強の男・白ひげエドワード・ニューゲート』
始まりは、5日前にレイリーから頼まれ事が発端だった。
レイリーの知り合いに荷物を届けて欲しいと言われ、カイトはシャボンディ諸島を出た。荷物自体は届け終わり、帰路に着く前に寄った街で飯を食っていた時にある人物が声をかけてきた。
「グランドラインの賞金稼ぎがこの街になんのようだよい」
「・・・あんた誰?(この独特の語尾を付けるって、聞いたことあるような)」
「俺は白ひげ海賊団、1番隊隊長のマルコだよい」
「・・・・・・マジで?」
「ああ・・・」
マルコと現れたもう一人も声をかけてきた。
「オヤジの首でも狙ってきたか?」
「あんたも隊長?」
「5番隊隊長のビスタだ」
「・・・白ひげの隊長が二人も」
「で、お前がここにいる目的はなんだよい」
「目的は飯を食うことだ、飯を食ったら島を出て行くよ」
「本当か?」
「ああ」
「わかったよい、オヤジには言っておくよい」
そう言って二人は店を出て行った。
(とっとと食べてシャボンディに帰ったほうがよさそうだな)
その後、食事を全て食べ終え店を出たところで見上げるほどの巨体の男が立っていた。
「お前か、俺の首を狙ってる賞金稼ぎは?」
「・・・・・・はっ?」
「グララララ・・・俺ァ白ひげだ!!」
周りを見るとマルコとビスタが、やれやれみたいな顔をしていた。
「いやっ、狙ってなんか無いんだけど・・・もうこの島からも出るつもりだ」
「グララララ・・・この島から無事に出るつもりなら、俺に勝っていきな」
「世界最強の男相手に、力に差がありすぎるだろ」
「一撃でも与えられたらお前の勝ちにしてやるよ」
この状況って、もう逃げれないよな・・・目の前には白ひげがいるし、周りは隊長に囲まれてるし
「・・・わかった」
「グララララ・・・なら、ついてこい」
歩き出した白ひげの後ろをついて行く、途中でマルコに聞いてみた。
「なあ、なんでこんな事になったんだよ?」
「お前の話をしたら、面白いってなったんだよい」
「俺・・・まだ死にたくないんだけど・・・」
「ま、まぁ・・・頑張れよい」
嬉しくない激励をもらったところで声がかかった。
「この辺でいいだろ・・・お前らは下がってな」
マルコ達幹部が離れていく。
「グラララ・・・じゃあ、始めるか」
白ひげがそう言った瞬間動き出したのはカイトだった。
(白ひげ相手に様子見はないな・・・最初から全力で行く)
「剃」
白ひげの後ろに回り込んで覇気を纏った拳で攻撃しようとするが、次の瞬間には自分の顔の横に白ひげの腕から攻撃を放たれておりカイトは瞬時に腕でガードするが後ろに吹き飛ばされる。
「グララララ…なかなか良い動きをしやがる」
「今の速度にも簡単に反応するのか・・・嵐脚・凱鳥」
白ひげに向かって鳥状の斬撃が飛んでいくが白ひげが手に持つ薙刀が横に振り払われただけで防がれた。が、その隙を狙って死角に入り込み拳を放つ。
白ひげは両腕を上に上げると大気中の何かを掴むように指を曲げ、思い切り振り下ろした。
「ッ!?」
その瞬間島全体、さらに海までもが傾き揺れ始めた。
(まずいバランスが!?)
崩れた体勢を立て直そうとするカイトに白ひげは腕を横に振りかぶりそして振り下ろした。
(これが・・・地震の威力か・・・)
白ひげの放った拳の場所には大気にひび割れがはいり、その攻撃はカイトを貫通しその周りにも被害を与えた。
戦いを見ていた誰もがカイトの敗北を確信した、煙が晴れるとそこには体中がボロボロで口から血を流しながらも立っているカイトの姿が現れた。・・・そして最初に戻る。
「ハァハァ・・・化物かよ」
「グラララララ・・・小僧、もう終わりか?」
「まだだよ・・・6000万V雷龍」
龍の形をした雷が白ひげに襲いかかる。
「グララララ、能力者だったのか」
白ひげは拳に力を溜めるとカイトの放った雷龍を殴りつけた、すると地震の衝撃で雷龍は掻き消えていき、後方のカイトまで衝撃が飛んできた。
(マジかよ・・・ここまで差があるとは思わなかったな・・・もし生き残ってたらもっと修業しよ)
「まだやるか、小僧」
「あたりまえだ」
「グララララ・・・随分威勢の良い小僧だな」
カイトは腰に差してある刀を抜き構える。
「土龍閃」
刀で地面をえぐる様に衝撃を与え土砂とその衝撃波を白ひげに向かって放つ。
「フンッ・・・」
薙刀を振るうと、飛ばした土砂が弾け飛んだ。
その一瞬でカイトは白ひげの頭上に飛び上がり、技を放つ。
「龍槌閃」
(落下する力を利用した威力の高い斬撃で一気に斬り裂く、これなら多少は効くだろ)
キィン・・・カイトの刀と白ひげの薙刀がぶつかり合った・・・
(押し負ける・・・クソッ)
刀を回し衝撃をいなすと、地面に着地と同時に刀の腹で切り上げる
「龍翔閃」
すると白ひげの胸に一筋の傷が入った・・・が、カイトの腹部にも薙刀の柄がめり込み吹き飛ばされ地面に叩きつけられた。
「グラララララ・・・大した小僧だ。お前の勝ちだ」
よろけながらカイトが立ち上がった。
「納得いかねぇ」
「ん?」
「こっちはこんなにボロボロなのに、カスリ傷1つじゃ納得できない。続行だ!!!」
「勇ましい小僧だな(目が死んでねぇ・・・こいつは本気で俺に勝つ気だ・・・)」
カイトが刀を構える。
「ハァハァ・・・次が俺の最後の攻撃だ」
「グラララララ、かかってこい」
(クソッ・・・目がかすむ・・・不確かな奥義よりも、確実な大技を当てる方がいいな。体力が持つかな・・・)
「行くぞ、白ひげ・・・九頭龍閃」
一瞬九斬の斬撃を放つ
「チッ・・・(まだこんな技を隠してたのか)」
交差したあと、白ひげの全身から血が流れ片膝を付いた。
振り返ったカイトが見たのは、血まみれで拳を振り上げる白ひげの姿。
それを見てカイトは意識を失った。
白ひげ最後の拳はカイトに当たる前に止められていた。
「オヤジ大丈夫かよい」
「ああ、ちょっと切っただけだ・・・マルコこの小僧の手当をしてやれ」
「わかったよい」
「グラララララ・・・面白いガキだ、気を失う瞬間まで俺に勝とうとしてやがった」
「オヤジに傷を付けただけでも、大したもんだよい」
そう言ってマルコはカイトを船に運んで行った。
海軍本部にて・・・
「センゴク元帥、白ひげの船を見張っていた連絡船より報告です」
「どうした」
「新世界において白ひげが小競り合いをおこしたと」
「なんだと!?相手は誰だ」
「相手はシャボンディ諸島で賞金稼ぎをしていた、カイトと言う人物です」
「カイト・・・ガープから聞いたことのある名だな・・・で、どうなった」
「はい、カイトは敗けたようですが白ひげに手傷を負わせたとの事です」
「白ひげにか」
「はい」
「・・・そうか、報告ご苦労だった。下がっていいぞ」
「はっ」
(白ひげに手傷を負わせる程の使い手か・・・)
数日後・・・
「う~ん・・・ここはどこだ?」
目が覚めると、知らない部屋だった。
「おきたかよい」
「あんたは・・・マルコ」
「ああ、そうだよい」
「ここはどこだ?」
「白ひげ海賊団の船だよい、オヤジの命令でお前の怪我の治療をしてたんだよい」
「そうか、迷惑かけたな」
「気にするな、それより動けるならオヤジのところにいくよい」
「わかった」
マルコについて行くと、白ひげ海賊団の人間が宴会をしていた。
「グララララ・・・起きたか小僧、まあ飲め」
そう言って酒を注がれた盃を渡された、それを受け取ると一気に飲み干した。
「グララララ、いい飲みっぷりだ」
「さあ、もっと飲め」
「これも食ってみろよ」
カイトの前に大量の料理と酒が運ばれて来た、腹も減っていたので遠慮なく手を伸ばす。
飲み食いに夢中になっていると
「グララララ、酒はいけるみたいだな」
「ああ、師匠に付き合ってたら自然に飲めるようになってた」
「師匠?」
「ああ、シルバーズ・レイリーって言うんだ」
「レイリーだと」
一気に周りがざわつき始めた。
「やっぱり、知ってるんだな」
「ああ、アイツ等とは色々因縁もあったからな・・・そうか、あいつの弟子か」
そう言って盃の酒を飲み干した。
「カイト・・・お前俺の息子になる気はないか?」
「・・・・・・息子?」
「要するに仲間になれってことだよい」
「ここにいる奴らはみんなお前を認めてる。あとはおめえ次第だ」
「そうだな・・・面白そうな話だけど、断るよ」
「そうか」
「俺はもう乗る船を決めてるんだ」
「へぇ、誰の船だよい」
「モンキー・D・ルフィ俺の弟だ、まぁ義理のだけどな」
「弟?」
「ああ、ルフィとエースとサボの4人で兄弟の盃を交わしたんだ。俺の大事な絆だ」
「グラララララ・・・それなら仕方ねぇな、だが気が変わったらいつでもうちに来い」
「ああ、その時は頼むよ」
「グラララララ・・・本当におかしな奴だな」
「ハハハ・・・よく言われるよ」
その後宴会は続き居心地の良さに、怪我が治ってからも白ひげの船に滞在し1年程してからシャボンディに帰還した。
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