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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十六話 バーベキューその十一

「ですから」
「そういえば広島は」
「はい、豊かな場所です」
「そうだよね」
「だから中国地方でも中心地になっています」
 山陽、そして山陰のだ。
「港だけではありません」
「港に土地に」
「その両方があります」
「それお酒もなんだ」
「そうです、幾ら飲んでもです」
 それこそとだ、実際に小夜子さんはお酒を次から次にだ。自分で注ぎながらそのうえで僕に話してくれた。
「飲み足りない位です」
「うん、美味しいから」
「そうです」
「そうなんだね、ただ」
「はい、飲み過ぎにはですね」
「注意してね」
 僕は小夜子さんにこのことはしっかりと注意した。
「これは僕もだけれど」
「お酒の飲み過ぎは万病の元」
「そうだし」
 それだからこそというのだ。
「お願いするよ」
「はい、気をつけています」
「そういうことでね」
「では飲むことよりも」
 まさにそれよりもだった。
「食べる方に」
「うん、そうするんだね」
「そうさせてもらいます」
 こう言いながらだ、小夜子さんは今度は羊肉を自分のお皿に入れて食べた。そのうえでにこりと笑って言った。
「美味しいですね」
「そのお肉羊だね」
「マトンです」
「小夜子さんマトン大丈夫なんだ」
「マトンはとてもいい匂いがしますし」
「わかってるじゃない」
 小夜子さんの今の言葉を受けてだ、美沙さんが横からs笑顔出言って来た。
「マトンはね」
「はい、いい匂いがしますね」
「食欲をそそるね」
「そうですね」
「塩胡椒だけで焼いてもね」
 肉の焼き方としては最もシンプルなこの焼き方でも、というのだ。
「いけるのよ」
「とても美味しいですね」
「そう、しかもカロリーは少なくて脂肪も燃やしてくれる」
 食べた人のそれのだ。
「尚且つ安い」
「いいこと尽くめですね」
「こんなにいいお肉ないわよ」
 それこそ、というのだ。
「他の地域であまり食べないことが残念よ」
「それですが」
 ジョーンさんが残念そうに二人にだ、僕の目の前で言って来た。見ればジョーンさんの手にあるお皿の上はそのマトンを焼いたのがてんこ盛りだ。
「日本人は羊の肉を」
「特にマトンね」
「そのお肉をですね」
「召し上がりませんわね」 
 こう言うのだった。
「残念なことに」
「そう、実はね」
「あまり馴染みがないのです」
 二人もジョーンさんにこう答える。 
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