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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十六話 バーベキューその七

「そのこともあってですか」
「いえ、あくまで私個人の好みです」
「それで、ですか」
「はい、そのお酒は」
 それはというと。
「白のアスティ=スプマンテ=ガンチアです」
「そのワインがですか」
「お勧めです」
「白ならですか」
「ロゼはやはり」
「西本さんにですね」
「お聞きになって下さい」
 こう僕に言ってくれた。
「例えば今日にしてもです」
「バーベキューに合うワインですね」
「今夜は牛肉以外に羊肉や鶏肉、野菜に魚介類も出ます」
「あっ、やっぱり」 
 魚介類と聞いてだ、僕は思わずこう言った。
「出るんですか」
「そうです」
「じゃあやっぱりロゼですね」
 詩織さんとお話した時そのままだった。
「ここで飲むワインは」
「それが一番ですね」
「わかりました、じゃあそれにします」
 ロゼにとだ、僕は答えた。
「今日は」
「左様ですか」
「そのロゼもですね」
「お酒はです」
「はい、ソムリエの人に聞きます」
「西本さんに」
「そうさせてもらいます」
 こう畑中さんに答えて実際にソムリエの西本さんに聞いた。考えてみると専属のソムリエさんがいるアパートなんて他にない。
 そして西本さんからそのロゼを勧められてからだ、僕は夕方外で行われるそのバーベキューパーティーに出席した、そこで。
 ジューンさんは意外といった顔でだ、こんなことを言った。
「へえ、面白いネ」
「面白いって?」
「いやサ、日本のバーベキューっテ」
 それが、とだ。ダオさんにも言うのだった。
「こんなに魚介類多いのネ」
「アメリカのは違うのね、まあダオも日本のバーベキューはじめてだけれど」
「お肉と野菜ばっかりだヨ」
 そうだというのだ。
「こんなに魚介類多くないヨ」
「烏賊とかも」
「ないわヨ」
 そうだというのだ。
「全然ね」
「アメリカは日本に比べて魚介類食べないから」
「それでなのネ」
「ううむ、こうして外で作って食べることはある」
 今度は水蓮さんが言った。
「中国ではないね」
「作ってからよね、中国は」
 ラブポーンさんが水蓮さんに応える。
「そうよね」
「そうある、中国では料理は厨房で作って出すある」
 バーベキューみたいに外で料理しながら、というのはないというのだ。
「だから面白いと思うある」
「そうなのね」
「どんな味か楽しみある」
「北海道だとね」
 自称道産子の美沙さんはこんなことを言った。
「バーベキューよりジンギスカン鍋よ」
「そちらか」
 留美さんが美沙さんに応える、まだ焼けるのを待っていてそれぞれお箸やお皿を手にしている段階の中の話だ。
「北海道では」
「そう、お外で食べるとなると」
「ジンギスカン鍋なのだな」
「羊のお肉を焼いてね」
「マトンかラムか」
「マトンの方が多いかしら」
 成人の羊の、というのだ。 
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