転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0937話
アルヌスの丘の基地に近づいていくと、ふと近くを飛んでいたメギロートが3機こちらへと近づいてくる。
別にサラマンダーに対して迎撃に出てきたとか、そういう話ではない。寧ろこっちの護衛兼出迎えといったところだろう。
「なっ、巨大な虫!? しかも3匹も! ピニャ様、お下がり下さい!」
メギロートの姿にボーゼスが思わず声を上げるが……下がれって、このコックピットの中でどう下がるつもりなのやら。
いやまぁ、この世界の住人がメギロートを初めて見れば無理もないのか?
それでもホワイトスターでの戦いはともかく、アルヌスの丘を占拠した時の戦いでは帝国軍から逃げ出せた者は少数だがいただろうし、連合諸王国軍との戦いの時でも監視役として派遣されてきた奴を始めとして、少なくない数の者がメギロートの姿を見た筈だ。
その殆どが従属国の軍隊であり、帝国に擦り寄っている者達は殆どこっちの攻撃で死にはしたが、それでも全滅という訳ではない。
それを考えれば、メギロートの情報が多少でも帝国に渡っていてもおかしくはないんだが……そう考え、すぐに首を振る。
そもそも、それらの戦いではメギロート以外にも多くの機体が使われている。特に人型の機体はこの世界の住人の目を大きく引きつけるだろう。
そうなれば当然そちらの情報が重視されて、メギロートに関しては疎かになる、か。
「安心しろ、あれは敵じゃない。お前達も今乗っているこれと似たような存在だと思えばいい」
その言葉に、慌ててコックピット周辺を見回すピニャとボーゼス。
「そうだな、分かりやすく言えば帝国にとっての騎士と魔導士が一緒になったような戦力……と言えば、分かりやすいか?」
「騎士と魔導士が? ……アクセル殿、具体的にはどれ程の戦力が?」
騎士団を率いている皇女だけあって、やはりその辺に関しては興味があるのだろう。それと、少しでも俺達の戦力についての情報を集めるといったところか。
だが……それは、ある意味自殺行為に等しい。
俺達の戦力が具体的にどれ程のものなのか。その一端を自ら知りたいと思ってしまったのだから。
「そうだな、この門世界で暮らしているのなら古代龍の炎龍は知っているな?」
「それは勿論だが……それがどうしたのだ?」
「その炎龍を、あのメギロート1機で楽に倒せる程度の戦闘力は持っている」
「……は?」
聞こえてくる間の抜けた声。
だが、事実だ。それも、メギロート1機で炎龍1匹を倒せるという訳じゃない。純粋な戦力を考えれば、炎龍数匹をメギロート1機でどうにか出来るだろう。
何しろ、炎龍の最大の武器は言うまでも無くブレス。そして手足や尻尾を使った物理攻撃だ。
PTとの戦いをこなせるだけの性能を持ち、ミサイルやらビームやらレーザーやらが飛び交う中で戦い続ける事が可能なメギロート。その性能も、俺達がホワイトスターを基地とした時に比べて格段に進歩している。
恐らく炎龍の物理的な攻撃ではメギロートの装甲の表面に軽く傷を付ける程度のダメージしか与えられない。炎に関しても、メギロートにダメージを与えられるかと言われれば……どうだろうな。
それに対し、炎龍の鱗は確かに硬いがメギロートのサークル・レーザーを防げる程ではない。
つまり、炎龍の攻撃はメギロートに対して殆どダメージを与えられないのに対して、メギロートは一方的に攻撃できるのだ。
しかも幾ら天災と同じ扱いであったとしても、炎龍は生き物。無人機であるメギロートと違い、体力の限界はある。
その辺の説明を簡単にすると、ピニャにしろボーゼスにしろ、信じられないといった様子で左右にいるメギロートに視線を向けていた。
ちなみにもう1機に関してはサラマンダーの上を飛んでいる。
「この虫が1匹で炎龍を数匹相手に……? その、アクセル様。このメギロートという虫は何匹くらいいるのでしょうか?」
「まず言っておくと、こいつらは虫じゃない。機械……と言っても理解出来ないか。そうだな、巨大な弩の類が自分で行動して、戦闘に関しても勝手に判断するようなものと考えてもいい」
そう告げたのだが、やはり理解はしにくいらしい。ゴーレムの類があれば分かりやすかったのかもしれないが、錬金術とかゴーレムとかは門世界に存在していないみたいなんだよな。
いや、実は存在しているのかもしれないが、少なくても俺は見た覚えがない。
「まぁ、分かりにくいのなら、それはそれでいい。で、メギロートの数だったか。……そうだな、正確な数に関しては分からないが、数十万ってところだろうな」
『なっ!?』
俺の言葉に息を呑む2人。
まぁ、1機が炎龍数匹を相手に出来るだけの性能を持つのが数十万もいるのだ。それはつまり、下手をすれば炎龍数十万匹、あるいは数百万匹が帝都の攻め寄せるかもしれないと判断しているのだろう。
こっちの戦力に関しては詳しい事を理解していなかったようだが、炎龍というこの世界にとっての最大戦力に等しい存在を例に出したのは分かりやすかったか。
もっとも、当然ではあるがメギロートの全てがこの門世界に存在している訳ではない。各世界で駐留している機体もかなり多いし、ホワイトスターで待機している機体もいる。
それを思えば、アルヌスの丘でいつでも発進準備が可能なのは100機程度だろう。
そもそもシャドウミラーや異世界間連合軍としては、この門世界の戦力を非常に低く見積もっている。……その割にファンタジー世界ということで、それなりに魅力的な物は多く存在しているように映っているんだが。
そういう意味では、狩り場としてはいい世界ではあるんだよな。
そんな風に考えつつメギロートの案内に従ってアルヌスの丘の基地へと降下していく。
「そんな……何だ、この基地は石? 岩? レンガ? いや、そのどれでもない。境目が全く存在しない……まるで、巨大な岩をくりぬいて作ったような……」
「確かにピニャ様の仰る通りです。一体どのようにしてこんな物を……え? ひ、姫様っ、あそこを!」
「なっ! 人が空を走っている? いや、飛んでいるだと!? どのような魔導士が……む、ボーゼス、あそこを見ろ。先程の空飛ぶ虫とは違うが、あれもまた同じような物に見えないか?」
「確かに。まるで蜘蛛のような……」
そんな風に、建物やネギま世界から派遣されている魔法使い、あるいはイルメヤの姿を見て一々声を上げる2人。
門世界の住人にしてみれば、余程に異様な光景なんだろうな。
「少し揺れるから、気をつけろよ」
そう告げ、基地へと着地したサラマンダーは動きを止める。
軽い衝撃。
……いやまぁ、一応ISCがあるから本当に軽い揺れでしかないんだけどな。
ともあれこうしてアルヌスの丘の基地へと到着した俺達は、コックピットから降りて大勢の量産型Wが整列している場所へと向かう。
後ろの2人は、コックピットから降りようとした時に皆同じような機械で出来ているヘルメットを被っている量産型Wに一瞬驚いたようだったが、それを表情に表したのは一瞬だけ。
その後、澄まし顔で2人共が地上へと降り立つ。
「アクセル代表、エザリア様からの伝言です。客人をホワイトスターに招くように、と」
「……ここじゃないのか?」
色々と話をするにしても、わざわざホワイトスターまで連れていかなくてもいいだろう。このアルヌスの丘の基地で十分間に合うと思うんだが。
いや、あるいはホワイトスターに連れてこいという事は、向こうの光景を2人に見せて心理的に圧迫するのが狙いか?
それなら確かに十分な効果が望めるだろう。
「って事だ。悪いがアルヌスの丘じゃなくて門を通ってホワイトスターの方に向かうぞ」
「あ、ああ。こちらとしては構わない。いや、寧ろそうしてくれた方がいい」
俺の言葉にピニャが頷き、ボーゼスはただひたすらに驚きながら周囲へと視線を向けていた。
「伝言、確かに受け取った。ならお前達は仕事に戻れ」
「は!」
伝言を伝えた量産型Wが短く返事をし、それを聞いていた量産型Wもそれぞれが自分達の仕事へと戻っていく。
一糸乱れぬその姿は、己の意思を持たぬ量産型W故だろう。
だが、それを初めて見たピニャやボーゼスにしてみれば余程意表を突かれたのか、ただ呆然とそんな量産型W達を見送っていた。
「アクセル殿、一つ聞くが……あの妙な兜はシャドウミラーの一兵卒の正式装備か何かなのか?」
「まぁ、そうだな。間違ってはいない」
量産型Wは頭部に機械が埋め込まれている関係上、それを人目に晒さない為にあのヘルメットを被っているのは事実だ。防御力は無論の事、通信機能やら赤外線探知機能やらその他諸々備わっているヘルメットであり、至近距離で銃弾を受けても殆ど無傷で済む。
それに量産型Wがシャドウミラーの一兵卒であるというのも間違ってはいない。
「そ、そうか。変わった兜なのだな。だが、寧ろそれがシャドウミラーらしいとも……」
最後の方は口の中だけで呟くピニャと、周囲を見回しているボーゼスを連れて量産型Wが用意してあったエアカーへと案内する。
「これは……馬車? しかし、馬は」
「馬車なんてのは俺達の世界では既に完全に廃れている。イタリカでも見ただろう? あれの小型版だよ。まぁ、いいから2人とも後ろに乗れ。論より証拠だ」
そう告げ、俺は運転席へと乗り込む。
それを見た2人もまた同様にエアカーの後部座席へと乗り込んだ。
そしてエアカーを起動させると再び聞こえてくる悲鳴。
サラマンダーに乗ったんだから、この程度の事で驚くのはどうなんだ?
まぁ、サラマンダーとエアカーでは色々と規模が違いすぎて例外的な存在だと思ってしまっても無理はないが。
「ピニャ様、この馬車揺れが……」
「ああ。全く感じない。これは一体?」
「そもそも地面を走っていないからな。これは空中に浮かんでいて、地面のすぐ上を飛んでるんだ」
エアカーを操縦しながら告げると、恐る恐る周囲を見回す2人。
そして何故か急に黙り込む。
何だ? 迂闊に動けば危険だとでも判断したのか?
そう思ってバックミラーで後部座席を見るが、そこに映っていたのは何かを考え込むような様子のピニャと、それを心配そうに見つめるボーゼスといった光景だった。
そのままエアカーで進んでいくと、やがてアルヌスの丘の基地の中心部にある門へと到着する。
この門がなければ、門世界との行き来は出来ない。そうである以上警備に関しては万全を期して、生身での戦闘力では定評のあるネギま世界の魔法使いや量産型W、メギロート、イルメヤといった者達が行っている。
もっとも、後者に関しては門の外でだが。
ともあれ、他にも妙な物を持ち込まないように探知システムの類が用意されており、許可の無い者が危険物の持ち込みをしようとしてもすぐに発覚する。
まぁ、ここに来ているのはどこも俺達シャドウミラーに対して友好的な勢力である以上、心配のしすぎだとは思うんだが……門は色々な意味でこれ1つしかない存在だしな。どうしてもその辺は慎重にならざるを得ない。
ゲートに対するテロも実際過去にはあったんだし。
「ほら、行くぞ。あの門を通り過ぎれば俺達シャドウミラーの本拠地でもあるホワイトスターだ」
「う、うむ」
「は、はい」
帝国皇女や騎士だとはいっても、所詮は門世界の中だけの事。どうしても他の世界に出向くとなれば緊張するのだろう。
それが、帝国と敵対している……否、相手にもしないような国家であれば、当然か。
大勢の視線を集めながら、門の方へと進んでいく。
何故こうも大勢の魔法使いが俺を……正確にはピニャとボーゼスに視線を向けているのかといえば、ホワイトスターの交流区画に侵略してきた帝国の皇女という重要人物だからに他ならない。
恐らくエザリア辺りからネギま世界の魔法使いを含めて連絡が行っているのだろう。
寧ろ、こっちの戦力を誇示する為に敢えて……という可能性の方が高いか。
「よう、アクセル。随分と色々楽しかったみたいだな」
そんな声に振り向けば、そこにいたのはムウ。
ここがアルヌスの丘である以上ムウがいてもおかしくはないが、あからさまに俺を待っていたって感じだな。
「で、用件は?」
「あらら。ご機嫌斜めな訳ね」
「……そうだな、お前とテュカがいい雰囲気だってのをナタルに教えてやろうと思うくらいにはご機嫌斜めだぞ」
「おいおい、別に俺とあの子は何でもないぞ?」
「さて、どうだろうな。火のない所に煙は立たないって言うし」
「お前の場合、火のないところにナパームぶち込んでるだろ。……まぁ、いい。敵対国とはいっても皇女様が来たんだ。俺はそのお迎えだよ。一応歓迎パーティ……って程に豪華じゃないけど、歓迎の宴は用意してあるらしいぜ?」
そう告げ、ムウは俺達と共に門を潜り……ホワイトスターの旧交流区画へと到着するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
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撃墜数:1167
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