転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0936話
目が覚めると、視界に入ってきたのは眩しい日の光。
いつも感じている重さや滑らかさ、柔らかさがないのを不思議に思い、ベッドの上で手を伸ばすが……そこには何もない。いや、寧ろ狭い?
そこまで考え、急速に眠気が覚めていく。
起き上がった状態で周囲を見回すと、俺がいつも使っている物に比べてかなり小さいベッドの上に眠っているのに気が付く。
まぁ、1人で寝る分には全く困らない程度の広さであり、当然の如くベッドで眠っていたのは俺のみだったんだが。
……ああ、そうだった。昨日は結局フォルマル伯爵家の屋敷に泊まったんだったな。
本来であれば、ピニャがアルヌスの丘に……そしてホワイトスターに向かうというのが決まった時点で影のゲートでも使えば手っ取り早かったのだが、何を思ったのかエザリアからサラマンダーに乗せてこいという注文が入った。
一応サラマンダーは移動用という事で、俺以外にももう1人や2人乗れるくらいの余裕はある。何しろEX-ギアシステムとかを外しているおかげで、かなりスペースが空いているのだから。
まぁ、エザリアの事だから何か考えがあるんだろうと判断し、なら早速と思いきや既に夕方だったので、イタリカに泊まって翌日に来いということに。
正直、本当に何を考えているのかは分からなかったが、特にこれといって急ぐべき用件はない。敢えて上げるとすれば昨夜のレモン達との夜の営みがなくなることだが、それに関してはエザリアが説得するという事で、残念ながら俺も諦めざるを得なかった。
で、食事を済ませてさっさと寝室に戻ってきてからは、眠くなるまで空間倉庫の中から取りだした雑誌を読んで……その結果が今という訳だ。
俺にとっては毎朝レモン達と共に目覚めるのが普通になっていただけに、どうも俺1人だけで目を覚ますというのはちょっと違和感があった。
そんな風に考えつつ周囲を見回していると、不意にこちらに近づいてくる気配を感じ取る。
殺気の類は感じられないし、まさか敵の類ではないだろうと判断しつつ近づいてくるのを待っていると……やがて扉がノックされ、声が聞こえてきた。
「起きていらっしますかニャ、アクセル様。既に朝食の用意が出来ており、ピニャ殿下がお待ちになっておりますがどうしますかニャ?」
ん? この声は確かイタリカでの戦いの時に会った猫の獣人族か?
「分かった、すぐに用意を済ませるから待っていてくれ」
「分かりましたニャ。ところで、お着替えの手伝いは必要でしょうかニャ?」
「着替え?」
そう尋ね、すぐに思い出す。そうか、ここはファンタジー世界だし、何よりもここは貴族の屋敷だ。つまり、メイドに着替えの手伝いをさせるのはそれ程おかしな事ではないのだろう。
だが、さすがにそれは遠慮したい。慣れない事はするもんじゃないしな。
「いや。いらない。すぐに準備をする」
そう告げ、部屋に用意されていた洗面用具の類を使って数分で準備を整えると、部屋から外へと出る。
すると廊下で待っていたのは、やはり俺の予想通りに見覚えのある猫の獣人族だった。
「確か、盗賊が襲ってきた時の戦いで……」
名前を聞いてなかったのを思いだして口籠もるが、向こうもそれは承知していたのだろう。笑みを浮かべつつ口を開く。
「ペルシア、と申しますニャ」
「分かった、よろしく頼む」
獣人、獣人か。もしもその存在を異世界間連合軍の者達が知れば、それなりに人気は出そうだが……それでもやっぱりハイエルフ程じゃないだろうな。
獣人に関してはネギま世界に普通にいるし。実際、俺も幾度となくネギま世界で見た記憶がある。一応獣人もファンタジーに付きものなんだが……やっぱりハイエルフの方が珍しいだけに需要は多い。
そんな風に考えつつ、案内されたのはかなり広い食堂だった。
テーブルに着いているのは帝国皇女のピニャ。そして……
「へぇ」
そこにいる人物達へと視線を止めて思わず呟く。
その言葉にビクリとする2人。
金髪縦ロールの女と、ショートカットの女。即ち、昨日俺に対して攻撃を仕掛け、ピニャの圧倒的に不利な立場を作り出した原因のボーゼスとパナシュの2人だ。
俺の視線が向けられると一瞬ビクリとするが、すぐに立ち上がって頭を下げてくる。
「アクセル様、その……昨日は大変申し訳ない事をしました。私達の浅慮をお許し下さい」
ボーゼスがそう告げ、パナシュと共に深々と頭を下げる。
なるほど、俺の手によって関節が外された両肩と両膝の関節は既にきちんと填められているし、どうやったのかは分からないが、その際に受けたダメージに関しても既に回復しているらしい。
いやまぁ、ファンタジー世界なんだから回復魔法とかマジックアイテムとあっても不思議じゃないが。あるいは単純に本人が痛みを我慢しているのか?
まぁ、それはともかく……
「自らの行いを恥じれ。皇族の騎士である者が、自らの行いによってその人物を追い詰めたという事を理解しろ。そして、帝国そのものが文字通りの意味で消滅の危機にあるというのを忘れない事だ」
それだけを告げ、ペルシアに案内された席……ピニャの向かい側へと腰を下ろす。
「アクセル殿、あまりこの2人を苛めないでやって欲しい。知っての通り、この2人は妾がいない時に騎士団を動かす者達なのでな」
「その割には相手の力量を感じる事すらも出来ないようだが? いや、帝国の人間にそこまで期待する俺が悪いのか。気にするな、これからは帝国の人間はその程度の人物だと理解して対応するからな」
その言葉を聞き、既に俺の言動には慣れたのかピニャは苦笑を浮かべるだけで済ませる。だが、ボーゼスとパナシュの2人は目の中に恐怖を浮かべつつも、自分達の行いで帝国その物が眼前で愚弄されている屈辱に耐えているのが分かる。
「ま、その件に関してはピニャに対して貸しを作ったという事で解決したし、俺からは特に何も言う事はないな。それよりも食事にしようか」
そう告げ、食事を開始するが……当然、ボーゼスとパナシュの2人が俺と会話が弾む筈もなく、かといってピニャを前に2人だけで会話をする訳にもいかず、結局は俺とピニャの間でのみ話が進んでいく。
さすがに領主の館と言うべきか、あるいは皇女であるピニャがいるからなのか、出されている料理は焼きたてのパンに野菜スープ、ベーコンやウィンナーといった代物だ。
普通であれば皇女が食べるには質素だと言いたくなる食事だろうが、つい数日前まで盗賊に襲われていたという事を考えると、焼きたてのパンや温かいスープのような代物は豪華な料理だと言ってもいいだろう。
もっとも、既に盗賊は全滅した以上はそう遠くないうちに商人の行き来も活発になって交易都市としての活気を取り戻し、物資不足もなくなるだろうが。
そんな風に会話をしながら食事をしていると、やがてピニャが持っていたパンを皿の上に置き、改めてこちらに視線を向けてくる。
「アクセル殿。今日アルヌスの丘に向かう件について、ボーゼスも共に向かいたいと言っているのだが……構わないだろうが」
ピニャの視線が向けられたのは、金髪縦ロールの女。
俺に視線を向けられたのを理解すると、一瞬身体を硬直させるがすぐに頭を下げてくる。
「アクセル様、今回ピニャ様がアルヌスの丘に向かうのは私達の件が原因だと聞いています。そうである以上、その事態を招いた私も共をさせて頂きたいのです」
さて、どうするか。
別にアルヌスの丘に、そしてホワイトスターに連れていく人数が1人増えるのはそれ程問題ではない。唯一の難点としては、ピニャがサラマンダーに乗る時に少し狭くなる程度だ。
それに、俺達がどの程度の力を持っているのかを体験するのは多い方がいい、か。
「分かった、そっちが構わないのならそれでもいい。だが、アルヌスの丘まで向かう時は多少狭くなるぞ?」
「そのくらいなら構わんさ。なぁ?」
「はっ! ピニャ様、アクセル様にはご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします」
そう告げ、多少空気が緩くなったところで朝食が終わるのだった。
……本当に今更だが、フォルマル伯爵家の現当主であるミュイの姿がどこにもなかったな。まぁ、年齢を考えれば政治の話に顔を出せなくても無理もないんだろうが。
フォルマル伯爵家の屋敷の庭、ある程度の広さがあるそこに、俺とピニャ、ボーゼス、ハミルトン、パナシュ、それと名前は知らないが男の騎士が2人と、メイド長のカイネや執事のバーソロミュー、そしてこの屋敷の長でもあるミュイの姿があった。
わざわざ全員集合というのもなんだが、帝国の皇女が敵対国家の本拠地に出向くんだと考えれば、それ程おかしな話でもないのか。
既に俺の空間倉庫の能力を知っている者達はともかく、ボーゼスとパナシュの2人は何故庭に来たのかと、未だに多少恐怖の籠もった視線を俺へと向けてくる。
まぁ、ここでわざわざ焦らす必要もないので、脳裏のリストからサラマンダーを選択して取り出す。
一瞬前まで何もなかった所に、いきなり現れたファイター形態のサラマンダー。
特にこの世界では魔法が発達している為に、科学の類はまだ殆ど未発達だ。
その科学の結晶とも言うべきサラマンダーに、ボーゼスやパナシュ以外の者達も目を大きく見開いている。
「これが……帝都に現れた空飛ぶ剣」
ポツリと呟かれた声は誰の者だったのか。ともあれ俺はそれを聞き流しつつ、早速とばかりにコックピットを開けて乗り込んでいく。
「ほら、こっちに来い。この座席の後ろに入って貰う。迂闊に動いて変な場所を触るなよ。もし空を飛んでいる時にこの機体が落下したとしたら、俺はともかくただの人間であるお前達は間違いなく命がないからな」
その一言に色々な意味で肝を冷やしたのだろう。ピニャとボーゼスの2人は、恐る恐ると座席の後ろへと乗り込むとお互いに動かないように座席や周囲の部分に手を伸ばして身体を固定する。
騎士として鍛えていただけの事はあり、後ろに乗り込む時の身のこなしはそれなりにスムーズなものだった。
「大丈夫だな?」
「あ、ああ。それにしてもこれは……」
「ピニャ様、揺れると大変ですので十分にお気を付け下さい」
そんな会話が聞こえてくるが、本当に大丈夫なんだろうな?
いや、どのみち飛んでしまえばこの世界の馬車に比べると揺れは少ないだろうし、そこまで心配する必要もない……筈だ。
もっとも、初めて乗る空飛ぶ乗り物だ。酔う可能性はなくもない。
ワイバーンの類に乗った経験があれば話は別だが。
「いいか、出発するぞ」
そう告げ、キャノピーを閉める。
上から覆い被さるように下がってくるキャノピーにピニャやボーゼスの2人は軽い悲鳴を上げていたが、それも完全に閉まってしまえば特に問題は無いらしい。
時流エンジンを起動させ、サラマンダーを起動させていく。
機体の操作をしながら、外部スピーカーのスイッチを入れて外でこちらの様子を見ている他の者達へと声を掛ける。
「少し離れててくれ。一応問題はないと思うが、風圧で危険になるかもしれない」
その声に従い、サラマンダーの周囲にいた者達が数m程後ろに下がったのを見計らい……次の瞬間、機体がフワリを浮き上がる。
「うっ、うわぁっ!」
「ピニャ様! 危ないですので私に掴まって下さい!」
背後から聞こえてくる声を無視しつつ、そのままサラマンダーをテスラ・ドライブによって上空まで到着すると、そのままスラスター吹かして前へと進み始めた。
「ほら、そこから外を見てみろ。この世界の人間では竜騎兵くらいしか見る事が出来ない景色があるぞ」
サラマンダーの操縦をしつつ、背後にいる2人へとそう告げる。
その言葉に、ゆっくりとだが2人がキャノピーの方へと近づいていくのが分かった。
キャノピーは現在透明度を最大にしてある。勿論宇宙での戦闘とかであればCG処理とかをする必要があるんだろうが、この門世界の空を飛んでるだけだし、今はそんなのは必要無い。
「これは……」
「ピニャ様、この光景は……」
唖然とした声を聞きつつ、更にサービスとばかりに高度を上げていく。
ワイバーンでも到達出来ない高度。具体的に言えば帝都上空ではメギロートが常に待機しながら情報を集めている高度まで上昇すると、歓声は更に高まる。
ここまで喜ばれると、少し嬉しいな。
ただ、この機体がサラマンダーである以上はアルヌスの丘とイタリカまでの距離はほんの僅かな距離でしかない。
実際、視界の先には既にアルヌスの丘の基地が見えている。
「見えてきたぞ、あそこがアルヌスの丘だ」
「……あれが、アルヌスの丘?」
「そんな、以前に聞いた話とはまったく違う……」
ファンタジー世界の要塞や基地しか知らないピニャやボーゼスにとって、シャドウミラーが作り上げた基地を見てそんな感想を抱くのは、至極当然だった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1167
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