原作(オリジナル)の主人公、略してオリ主
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第02話 オリ主くんとの出会いなの(高町なのは@5歳)
前書き
<警告>
対なのファン型決戦地雷が炸裂します。
先日お父さんがお仕事中に大怪我をしたそうです。
お母さんはお店が大変だと毎日忙しそうにしています。
お姉ちゃんとお兄ちゃんもお母さんのお手伝いを一生懸命しています。やっぱり毎日忙しそうです。
特にお兄ちゃんは修行もとっても頑張ってます。最近お兄ちゃんの笑った顔を見ていません。
お姉ちゃんやお母さんは前より少なくなったけど、それでも笑います。お兄ちゃんが心配です。
お父さんはまだおうちに帰ってきません。
なのはは今日も一人です。
「夕ご飯は・・・食べなくてもいいかな・・・・」
どうせ今この家に居るのは私一人だけなんだし。
勝手に夕飯抜きにしても誰からも叱られないし。一人で食べても美味しくないし。
「べっ、別に寂しくなんかないんだからねっ。」
ただ何て言うか、一人で食事にすることを考えると食欲が無くなってくると言うか。
ジュエルシード探索時に悲惨な生活を送っていたフェイトちゃんの気持ちがわかる気がするの。
一人暮らしのヴェテランで、料理もギガうまなはやてちゃんは凄いな。なの。でもアレは色々おかし過ぎるの。やっぱり管理局は・・・なの。
「つまりは、寂しいということなんですね。わかります。」
「――まあ、だからと言って『自分が家族から浮いている』だとか、ましてや、『誰かに必要とされたい』という欲求を満たすために管理局(軍隊)で嘱託魔導師(傭兵)として働く愉快な9歳児に成るつもりはありませんが。なの。」
「・・・やっぱり食べましょう。三原則を安易に無視できるほど私の体は育ってませんし。
何より、忙しい中で手料理を供し続けてくれているお母さんの愛情を疑ったり、無にしたりするような真似は出来ません。」
うん。やっぱり、お母さんの料理は美味しい。寂しさが少し、和らぎました。
~~~~~~~~~~~
最近の日課となった散歩。その散歩コースの折り返し地点、最終目的地である公園に到着。
今こそ家で一人修行に打ち込むというのも間違った選択肢ではないと思うのだけれどね。
愛すべき父であり、得難き師でもある士郎の怪我を癒す力を持ちながら、私はそれを振るわずにいるのだから。その上で一人になったのは都合が良いなどと修行に専念するって何か違うように思えて。
未来の魔法犯罪(原作)のことを考えれば時間を無駄にするべきではないという理屈もわかる。
それと同じように、無事に治ると判明している士郎への手出しは却って何が起きるやもわからないと自重しているのだから。
・・・一方(士郎の怪我)では原作を重視し、一方(魔法関連)では原作を軽んじている。一貫していない。わかっているのだ。でも、納得できない。
そんなこんなで、なんとなく原作なのはの行動をトレースしている。それが日課の散歩というわけ。自分でもわけがわからない行動だと思う――嘘だ。本当は父がちゃんと目を覚ますのか、私は不安で仕方がない。だから、原作通りの結果が出るように、原作と同じ行動をとろうとしている。
―父が目を覚ますのかは、怪我した際の状況やその後の救命治療こそが支配的要因で、今の私の行動には何の影響力もない。
―無駄な行動。
―非論理的。
―オカルト。
―原作教。
―さっさとチート使って治せよ。
わかっている。わかっているのだ。それでも。。。
憂鬱な気分を紛らわそうと、俯いていた顔を上げてみる。西の空がうっすら茜色に染まり始めている。明日もきっと良い天気。
遊具の置かれていないスペースでは私より年上っぽい男の子たちがサッカーをしている。次回のワールドカップで日本はどうなるんだろうか。私の知っている未来ではベスト16だけど。この世界では当てにならないかも。
ジャングルジムの上では4名の男の子と女の子が通信ケーブルをつないでゲームをしている。ポケモンかな?
砂場で4歳くらいの女の子が山を作っている。まだトンネルは上手く掘れないのかな。あっ崩れた。でも、諦めずに作り直し始めた。
みんな楽しそうだ。でも、私が同じ事をしても楽しいとは感じられないだろう。
――そして今、輝くように綺麗な銀色の髪をした男の子が公園へ入ってきた。
今日の外出も「俺」には非科学的としか言い表せぬ行いでした。しかし、全く意味が無い行動ではなかったようです。寧ろ――――
銀髪の子が周りに視線を向けながら近付いてくる。
銀髪の子が私の目の前で足を止めた。
「よお。一人でベンチに座って、何してんだ?」
そして、銀髪の子が声をかけてきた。
近くで見てわかった。この子は左右で瞳の色が違う。右目はとび色で、左目は金色。見事なオッドアイだ。
「何?・・・なの。」
正体も目的も薄々察せられないわけではないが、細かな素性まではわからないので聞いてみる。
質問に質問でも、ボールを返さないと会話のキャッチボールは続かない。
同時にレイプ目を向けることで相手の嗜虐心や優越心を煽ってみる。
「いや、周囲の子供は元気に遊びまわっているのに、お前だけベンチに座り込んでいたからな。体調でも悪いのかと思っただけだ。」
外見年齢にそぐわぬ、なんだかやるせないような表情をした彼は、そんな、外見年齢にそぐわぬ答えを返してきた。
その表情の意味は、同情かな?優しいね。でも、余計なお世話。
「そうなの・・・」
「どうした?やっぱり体調が・・・あ”ー、それともなんか悩みでもあるのか?」
・・・なんだか言葉の途中で急に投げやりになったの。これってやっぱり「知ってる」みたいなの。
だからあえて、原作とは違う、「私の本心」をストレートに告げてみる。
「お父さんが怪我をして病院にいるの。。。それでいつ帰ってくるかわからないって。。。
もしかしたら帰ってこないかもって、そう思ったら凄く怖くなったの。。。。周りの子達みたいに楽しそうには遊べないの。」
これが、原作知識なんて当てになるのかさっぱり定かでない代物に振り回された挙句、不安の余り見知らぬ他人に縋るほど落ちぶれた無様なオリ主(笑)の姿なの。笑えばいいと思うの。
そんな情けない私の言葉を聞いた銀髪の子は、初めに酷く驚いたような顔をして、それから深く納得したような顔をしたの。
・・・今なら彼の思考プロセスを結構な確度で当てられる気がするの。
「お前は優しいんだな。」
「に”ゃっ!」なんか変な声出たー!変な声出たー!!高町なのはの体ってどうなってるの?!思考プロセスを当てられぬ気がするの!
「んー、、、そんで、、、、そう、お前はお父さんのことが大好きなんだよな。
だったら、お父さんもそんなお前のことが大好きだと思う。
だから、きっと帰ってきてくれるんじゃないかなー、と、思う。」
・・・ちょっと涙が出そうになったのは、精神が体に(以下略なの!こいつの滅茶苦茶な言葉で泣くとかありえないの!!
そして優しいのはお前だ!余計なお世話だけど!!
反射的に左フックを炸裂させそうになった私にきっと非はないの。ここはNANOHA流のおはなし術で華麗に場を仕切りなおすの。
「ありがとう。でもさっきからお前お前って呼ぶのは止めて欲しいの。「だって俺はお前の名前知ら」なのはだよ!高町なのはっていうの。なのはって呼んで欲しいの。今度は君の番だよ?」
「俺の名前は藤原・・・高貴だ。」
「(神が嫌がらせで付けたような名前なの。)そっか。じゃあコウくんって呼ぶの。よろしくね、コウくん(ニコッ」
割と本心から出た笑顔でそう告げると、銀髪の子は頬を赤く染めて下を向き、ボソリと「なのはと幼馴染フラグキター?!」とかなんとか呟いてくださいました。
あ、ここで転生者だと確定するの?聞きたくなかったの。サッカーに誘おうと思ってたところなのに。こいつの呼称を銀髪の子改め、オリ主くんにしてやるの。
・・・うん、 つ い に 来 た か というショックが現在進行形で自分の心を占拠している。出会いから会話の最中まで「まだ確定じゃない」と引き伸ばし続けた反動もデカイ。
目の前のオリ主くんからは――今のところ――あまり危険を感じないが、「自分以外の転生者」との「ファーストコンタクト」という事実は非常に重大である。
この事実から関連事項と思しきものを列挙してみればその脅威は自ずと明らかになる。
1. この世界には複数の転生者が存在する。
目の前のオリ主くんと私が居る時点で、確定である。人数は最後《・・》まで推定の域を出ることは無いはず。
(反則的な情報収集力を持つ特典を貰った転生者でも居て、運良くそいつから情報を得られるとかの例外はありうる。)
最低で私とオリ主くんの2名、最高で、、、何名だ?とりあえず、100名を超えたあたりから把握するのも対応するのも非現実的な話になりそうではある。
2. 転生者はなんらかの特典を貰って生まれている。
銀髪にオッドアイとか珍しすぎるし。ほぼ確実に転生特典でしょ。私もチートだから、これもほぼ確定と見てよい。
3. 原作キャラに進んで接触を試みる転生者が居る。
確定。
4. 高町なのは、高町一家など原作キャラのパーソナルデータは転生者に知られている。
このタイミングでオリ主くんと出会ったことからほぼ確定。
「高町なのは」の情報で知られてないことは、「俺」のパーソナリティくらいである、としておくくらいで丁度良さそう。
少なくとも住居、家族構成、生活習慣、交友関係あたりはダダ漏れ。超常的な力を用いた犯罪行為の的にされる恐れあり。
転生者に恨みを買うだけでテロの標的にされるかも知れない。何もせずとも盗聴、盗撮、誘拐、脅迫などへの対策は必要だろう。
「俺」の情報が漏れた場合は、月村家やバニングス家とかがテロの標的になるかも。
原作知識持ちの転生者がオリ主くんだけという可能性もゼロではないが、楽観視に過ぎない。
5. 敵対勢力にも転生者が居る。
推定。目下最大の懸案事項。
チート能力者とガチバトルとか、、、逃げたい・・・が逃げられない。
チートに対抗するにはチートが必要だろうから、逃げたって解決する可能性は低い。
(敵に回すとひたすら面倒。味方にしても頼りにならない。それが管理局クオリティ。)
追われて家族や友人が巻き込まれる可能性が増すだけである。
どこからともなく第三の転生者が現れて代りに解決してくれる?ないわー。
6. 無敵系転生者が居る。
推定。敵対しない事を祈るのみ。
7. 鬼畜系転生者が居る。
推定。
この点に置いてはファーストコンタクトがオリ主くんでマジ助かった。
今にして思えば、オリ主くんが鬼畜系転生者だったら最初の目を合わせた段階で終わってた可能性すらあった。写輪眼その他、洗脳幻覚系スキル怖すぎる。
私がベビーベッドでゴロゴロしてる間に高町桃子と高町美由希が【凌辱エロゲ】な展開も、転生者の配置次第ではありえたのね・・・
下手したら私の父が高町士郎じゃなかった可能性とか、うぅ・・・想像しただけで吐き気がしてきた。
逆に言うと、そうなってないのだから、転生者は全員同年代?という推測も。(推測に推測を重ねてるので確度は微妙。)
8. つまりどういうことだってばよ?
テスタロッサ陣営に超強力な援軍が現れるかも知れない。
アースラ陣営に超強力な援軍がポップするかも知れない。
八神ファミリーに超強力な援軍がもこたんinしたお!するかも知れない。
グレアムファミリーに(ry
時空管理局本局に(ry
数の子団に(ry
ジュエルシードを意図的に暴走させようと企む超Tueeeeeeの第三勢力が出現するかも知れない。彼は高町なのはを問答無用で害そうとする公算大である。
闇の書を意図的に(ry
管理本局などにあるその他のロストロギアを(ry
ミッドチルダの管理局地上本部を壊滅させようと企む(ry
高町なのはを抵抗不能な超常的な力によって洗脳するHENTAIが、早ければ数日中にも現れるかも知れない。
高町なのはを抵抗不能な超常的な力によって拉致監禁拷問調教するH(ry
高町桃子(ry フェイト・テスタロッサ(ry 八神(ry 月村(ry アリサ(ry (ry (ry (ry
9. 長いよ。結論を端的に。
高町なのはは、自分以上に理不尽な力を持ち、世間一般の常識に照らし合わせたところの「不義」や「非道徳」を平然と行い何の痛痒も感じない怪人物――いわゆるソシオパス――と幾度か戦い、その全てにおいて完璧に近い形で勝利しなければならない。(無理ゲー)
高町なのはが敗北条件を満たした場合、日本国、あるいは地球、あるいは次元世界、の何れか単位世界にて社会を構成せしめる制度が崩壊し、人類という種は甚大な(事と次第によっては再起不能の)ダメージを受ける。(鬼畜デスペナ)
そういった事になる可能性がある。その可能性がどの程度のものかは現時点では判断材料が無い。(イベント判定のダイスロール!しかしなのはさんはダイスを持っていなかった!!)
10. 一行でおk。
暇を持て余した神々の遊びで。人類がヤバイ。ついでに私の寿命もマッハ。かも知れないの。
11. 偉そうに正義面して語ってるけど、同じくチート持ちのお前が言うな。これだからオリ主(失笑)は・・・・
そうだね。プロテインだね。
・・・マジレスすると原作の問題を穏便に解決することのみ考えて獲得したチートだから、私はそれ以外に使う気は最初からない。言い訳っぽいけど。
それに「高町なのは」は正義、というか秩序のサイドに立って戦うことが半ば既定路線だったと思うの。環境的な意味で。
まあ、少なくとも「私」は家族を守るついでに海鳴の秩序も守ろうと思う程度には生まれ育ったこの土地を愛しているし。戦う理由なんてそれで十分だよね。
私は私のぉぉおおおおおおぉぉぉぉ!!!!正義を貫くんだァっ!!!!!!!1111111(キリッ
5秒ほどの時間を思考(脳内会議)に費やし、あまり明るくない将来の見通しを立てた――死亡フラグは立ってない。ないったらない。――ところで、半ば捨て鉢になってオリ主くんに八つ当た・・・毒を吐いてみるテスト。全く考え無しに毒を吐くわけじゃないので、八つ当たりではない。
(後ほど、オリ主くんの様な転生者が付近に居る可能性もあったのに迂闊な発言をした自分はやはり自暴自棄になっていたのだと猛省。要するに紛う事なき八つ当たりであったと。)
前述の見通しから、彼のリアクション次第では強硬手段でこの世から退場していただくことも辞さない構えである。
将来、泥沼のチート能力インフレバトルへ引き摺りこまれるとするのならば殺人処女(笑)はここで捨てておくべきだし。
・・・貫くぜ~。私は私の正義(笑)を超貫くぜ~。
本当に、ついさっきまでお父さんのことでウジウジしてたなんて嘘みたいだね。今はもう「父の容態?いよいよとなったらチート使うから無問題」って感じだよ。もう、何も怖くないの。
(スー ・・・ ハー ・・・・)
「おいィ?こんなんでフラグが建つとかありえねーからな。
妄想も程々にしとけよ?だからお前はDTなんだ、このペド野郎。5歳児相手に頬を染めるとかキモイんだよ。社会のgmkzが。
ついでに言っとくと俺は前世で(おそらく)男だったから。同性は普通に圏外だったっぽいからお前にフラグが建つ可能性はこの先もゼロな。
そしてフェイトは俺の嫁!公式的な意味で。STSに入ったら同棲フェイトちゃん19歳(処女)の体を存分にもふもふクンカクンカしてやるおwww
フェイトちゃんやハーレム狙いのオリ主は涙拭いて輪廻に帰るんだおwwwwwww」
「ゑ・・・・・・?」
お、アホ面晒して固まったwwwww
1分経過・・・
てんせいしゃはこおりついている!
2分経過・・・
てんせいしゃはこおりついている!
3分経過・・・
てんせいしゃはこおりついている!
4分経過・・・
てんせいしゃはこおりついている!
5分経過・・・
てんせいしゃはこおりついている!
なのはさんはしびれをきらした!!
とりあえず、逆上して暴力を振るってこなかったのは素直に評価できるの。
仮に私がハーレム狙いの転生者だったら、魔王(高町なのは)に憑依したテンプレチート転生者などというふざけた障害《チート・オブ・チート》は真っ先に予防殺菌するの。可能なら洗脳して【凌辱エロゲ】なの。
オリ主くんの場合、あのフレーズから「俺」の存在を確信する程度の知性はあるだろうし。それでも「俺」を障害認定して攻撃してこないということは相当程度に穏健であると言えるの。
やっぱりファーストコンタクトがオリ主くんなのはかなり幸運なことだったみたいなの。
・・・おはなし、してみたいなあ。
だから、このままこうしてても埒が明かないから、なのはのおうちに拉致するの!
「コウくん、おはなしの続きはなのはのおうちでするの。」
「・・・どうして藤原さんはいきなりO☆HA☆NA☆SHIされてしまうのでせうか?なぜなにホワイ???」
なんだか誤解されてるような気がしたけど、そこは華麗にスルーして腕をガッチリ掴んで家へ向かいます。
門前で「シスコンと決闘フラグはやd」とかなんとか抵抗されたけど、腹パンで黙らせて問答無用でなのはの部屋へ引っ張り込みました。
勿論、帰宅して道場に居たお兄ちゃんには気付かれないよう手際良く済ませたの。
後書き
転生者が複数居る世界に生まれたのは主人公の本意ではありません。転生者は自分一人だけだと思い込んでいた主人公の落ち度です。
賢しげな振りしてテンプレ特典をチート能力に全振りするからこうなるんですよねー。主人公の大失態です。
ご同類の超チート能力者とバトルフラグがががが・・・
ちなみになのはさんがオリ主くんの誘拐に成功したのは修行の成果です。
オリ主くんの運動能力も一般的な5歳児を遥かに上回っていたのですが・・・
白星が増えたよ!やったねなのはさん!!
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