| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

剣聖龍使いの神皇帝

作者:黒鐡
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第2巻
  攻撃と防御の手本×各ペアでの実技授業

「そういう事なので、俺が見本というか手本を見せよう。相手は誰でもいい」

「何時の間に見学席にいたと思えば、一瞬にして嫌な雰囲気をぶっ壊した兄様!二年生を差し置いているわ」

「それと兄さんにいつでも理事長職を解任できるような弱みを握っているとは・・・・!」

「灰村君がそう言うのであれば頼もうか」

まるですまないと言っているかのようだが、俺は何でもないような感じで首を振る。一方理事長は、顔を青くしていたがすぐに復活した。理事長に文句言ってから、そのまま立っているので皆の前に出た。男子生徒からは嫉妬が渦巻き、女子生徒からは黄色い歓声が漏れていた。

「ふざけるなよ、灰村!貴様ばかりに脚光を浴びさせてたまるかよっっっ」

大きな声を上げたのは誰だと思ったが、ああアイツか~と欠伸をするかのような奴だった。対抗意識剥き出しなのはいいけど、弱い奴が何言ってんだ。

「そうだろ、タナT。アンタは次にオレ様を指名するつもりだったはずだ」

颯爽と立ち上がった二年男子が、仁王像みたいなポーズをして決めたかのように思える。それと田中先生を略称してもいいのか?一年生は間違いなくドン引きで、二年生は苦笑いである。俺といえば、普通に立っていたが覇気と殺気を高めていく様子だったので抑えるようにと沙紀からの念話で無くした。アイツの名は、万年堂亀吉と言って全望眼差しを浴びていたかのようだ。

「一年の皆!オレ様の事は敬愛を込めて亀吉(カミー)と呼んでくれ!」

オリジナルポーズを決めたかのように宣言してから、一年生全員は吹き出すのを堪えていたかのように思えた。田中先生はそれは困ると言い今から《耐魔通》を使うから、俺はなるべくお手柔らかに第一階梯闇術ぐらいの攻撃をしてもらおうと思ったらしい。それぐらいだと普通の火炎弾みたいに撃てばいいのか、威力を弱めた火炎放射なのかは知らんが。

「だったらタナT。オレ様がお手柔らかに攻めてやるから、灰村が耐えればいい!オレ様の鮮やかな《火炎(フレアー)》で、皆のハートを燃やしてみせるぜ」

授業を勝手に仕切り出してから、両足を開き股座を突き出すようにし背中に回した右手でその股の向こうから手招きをする。一年の間に、変な空気が流れているがなぜこの変人が摘まみ出されないのか疑問ではなく、なぜコイツみたいな変人が実戦部隊の一員となっているのか?だった。亀吉の名札にも「ランクC」という表示されている。

「それでいいよな灰村!逃げるのか灰村!オレ様の闇術に恐れをなしたか灰村!」

「すぐにその口を閉ざしてやりますよ~」

「いいのかい、灰村君?君は白鉄でも黒魔でもないから、正直どういう防御をするかは分からないんだけど」

《耐魔通》は熱量を完全に防ぎきれないから、痛いとでも思っているが俺の戦闘服はただの服ではない事をここで見せてやる。

「後悔なら今の内ですけど、あの人は言う事聞かないんでね」

俺にとっては、十三人しかいない実戦部隊の特別顧問として余り力を見せていない。毎日放課後特訓でも、顔合わせはするがそのワガママ振りは慣れてしまったと言ってしまった方が早い。俺が相手をするので、田中先生が代わりに《耐魔通》の事を説明した。

「えー、一年生のために説明しておくと、《耐魔通》というのは《金剛通》の応用技で、魔力(マーナ)呪力(サターナ)に抵抗するための光技だ。使い手の通力(プラーナ)にもよるが軽減できるダメージは多くなく、回避不可能な魔力(マーナ)呪力(サターナ)の攻撃に対しやむを得ないとしか使うものと憶えておいて欲しい。が、灰村君はそれを使わずにどういう風に防御を取るかは先生も分からない」

と言う風に大事な講義をしている前でも、亀吉は何度もムーンウォークで行ったり来たりして横切る。どういう意味かは分からないが、とりあえず超ウザい。閉口する生徒達から、少し離れた場所に移動してから対峙した。

「最初に言っておくぞ、灰村!」

亀吉はわざわざ背中を向けて、上半身だけ振り返るウザいポーズをして宣言した。

「オレ様はお前が大嫌いだ!」

「それについては知ってますが、後悔しません?」

「はっきり言って、二年でオレ様より優れた《救世主(セイヴァー)》などいない。ダントツだ。なのにオレ様は去年、お前と違って石動隊長よりも上でスーパールーキー所か戦闘のエキスパートだ何て呼ばれた事何てないんだよ!だからオレ様はお前が憎い!妬んでいる!お前はいびるのをこの上ない生き甲斐としている!お前に嫌がらせ出来るなら、オレ様は悪魔にだって魂を売るだろう!でもなあー、サー・エドワードの前で誰よりも目立つのはこのオレ様だ!実戦部隊の仲間であるから、手加減してやるのとは大間違いだ!」

「はあー・・・・、何でこんな奴が実戦部隊のメンバーなのだろうか。御託はいいから、さっさと掛かって来い!」

「万年堂君。時間も押してるいのでとっとと始めてくれるかな?」

「いいでしょうとも!オレ様の光速スペリングを見せて差し上げよう。皆、手本にしろよな」

俺の声が聞こえないのか、代わりに田中先生が言ったら更に調子に乗る奴だった。生徒達から頭がカチンとしたのは、俺の気の所為であってほしいが残念ながら俺もその一人だ。一息ため息を吐くと、見えないオーラで奴を見ながらも仁王立ちをし腕を組んでいたのでそれで攻撃を耐えてみせると言ったようなもんだ。実戦部隊以上の実力を持っているから、亀吉も魔力(マーナ)を高めて、虚空に指を走らせて太古の魔法文字を綴るが、一行多いなと思った時には既に遅かった。

「あっ。ダメだよ、万年堂君。第一階梯闇術をと言っただろう」

気付いた時には遅く、亀吉の闇術は完成をした。第一は《火炎(フレアー)》で第二は《猛火(ブレイズ)》だ。そして発動しようとしていた時でも腕を組んでいた。

「ヘヒヒヒヒヒヒ!上手に焼けやがれーーーーーい!」

振り向き様に放った《猛火(ブレイズ)》が燃え盛りながら俺を襲うが、こんなのフェニックスでの業火よりもまだマシな弱火だなと思った。狂犬の群れの牙めいた、荒々しく炎が呑み込まれるが、バカ丸出しの亀吉の実力は本物。闇術が生んだ炎の凄まじい熱気と迫力に、生徒達は固唾を飲んで見守った。注目の先、紅蓮の炎に巻かれていた俺は腕を崩さずに何かした?みたいない涼しげな表情をして立っていた。

「ハイ、先生!」

「はい、嵐城さん。質問をどうぞ」

「《耐魔通》だと完全に防ぎ切れないってさっき聞きましたけど、諸葉が凄く楽勝な感じでまるで何も起こってないかのような感じなのですけど」

「うむむ。灰村君の実力は未知数なのか、万年堂君の魔力(マーナ)よりも余りに強すぎたようだ。それになぜ焦げてないのか、私でさえ分からない現象であり実例としては、相応しくないねえ」

「それは俺が答えるとしようか、何簡単な事だ。俺の戦闘服は防刃防弾防熱防寒に、通力(プラーナ)魔力(マーナ)でさえ防いでしまう特殊な服何でね。こういう弱火とかは、効果はないのだよ」

そう答えると、亀吉は膝が崩れて頭を抱え込んで嘆いていたが、俺の戦闘服には追加効果もある事で知ったので更に頭を抱え込んだ。生徒の間であちこちで、くすくすと忍び笑いが漏れていた。肝心の奴は、もう少し熱がれとか言ってたけど、実戦部隊では特に弱い者が俺に敵う訳ないだろうにと言ったら先輩として面目丸潰れだそうで。後輩なら上級生を立てろと言うが、それは俺より弱い奴なら立てるが生憎俺はそのような事は一切しない。

「ところで先生。模範実技というなら、攻撃闇術で攻撃闇術を相殺するのもやっておいた方がいいと思いますよ。まあ、俺は闇術ではなく魔法と言いますが・・・・」

「それもそうだけど、灰村君はどうやるのかね?」

俺に任せて下さいと言ってから、左手から赤い籠手を纏った。そんでしばらくすると籠手から鳴ってからの倍増した小さな炎を出現させてから、亀吉に向かって殴り込むようにしたら火炎放射となり向かって行った。これは闇術で言えば、《火葬(インシネレート)》ぐらいの威力だった。土下座をしていたが、それを許す程俺は甘くないので亀吉は真正面から受けてからのしばらく燃え上がった。そんで瞬時に消火をしたので、亀吉は焦げる程度となっていた。俺は赤い籠手を瞬時に元の手に戻らせてから、盛大な拍手を浴びながらサツキと静乃の隣へと戻って行った俺。

「ふう、こんなもんか」

「いい気味ね。あの先輩はいつも諸葉を目の敵にしているからね、諸葉の実力を過小評価しているからそうなるのよ」

「あんなウザい先輩は、一度でいいから下級生からの洗礼を受けた方がいいと思ってた。特別訓練だと俺は見学しているからな」

「右に同じく。一度その性根を叩き直して出直してきなさいと言いたいくらいだったから、諸葉には感謝ね」

あの先輩は男友達は多そうだが、女子からは丸っきり受けが悪い。ま、人を散々おちょくろうとした罰だと思えばいい。俺はチラリと見るが、まだ黒焦げから蹲ったまま震えていて、友人達と口論している。沙紀のとこにいるまーやは、俺の戦闘服の追加効果についてを話していたけどね。これは量子変換機で制服から一瞬にして着替える事が出来て、極地だろうと体温管理までしてくれる服だ。

「ギャハハハハハハ、カミーだっせ!」

「うるせーっ。だったらお前が灰村とやってみろよぉ。あいつ怖すぎんだよ」

「なら最初から喧嘩売るなよ、実戦部隊特別顧問をしている灰村を過小評価したお前が悪い。だっせー」

ムードメーカ野郎が調子に乗るのを防いでみて、逆にちょっとした実力の差を見せたのだった。あの理事長はもういないかのような雰囲気となってから、授業を再開した。

「そういう訳だ、一年生と二年生でペアを作ってくれ。一年が好きに攻撃を仕掛け、二年が防御に徹する。一年は胸を借りて思う存分、攻める感覚を学ばせてもらいなさい。二年は一年の攻撃くらい捌けないようじゃ、さっきのようになってしまうのでは話にならないぞ」

田中の指示で生徒達はリラックスして立ち上がり、思い思いの相手とペアを組む。攻撃は易し、防御は難し・・・・だからこそ、学年差があってもちょうど拮抗する。今日の合同演習の狙いがそこだったからだ。俺は俺でサツキや静乃と手を振って別れた後に、沙紀を来させた後に久々のIS同士での模擬戦を空中で行った。俺はいつも通り黒鐵改にストフリモードで、沙紀は中遠距離を得意とするがあえて近距離特化のインフィニットジャスティスとなり、一年と二年がペアとなり合同授業をしながら俺と沙紀は授業が終わるまでずっと空中での模擬戦をしていたのだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧