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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十三話 マレーシアという国その五

「いざという時の為に」
「忍者色もですか」
「用意されたいとのことで」
 それで奥さんに言って来たというのだ。
「食材があればご自身で作られると」
「そうもですか」
「お話されていますが」
「自分で、ですね」
「その忍者食を」
「いざという時といいますと」
 そう聞いてだ、僕は奥さんにこう言った。
「燻製とか干物とか」
「そういうものと思われますか」
「はい、そんな感じですよね」
「私もそう思いますが」
「ちょっとマルヤムさんに聞いてみます」
 他ならぬマルヤムさん本人にとだ、僕は答えた。
「そうしてみます」
「それでは」
「はい、それからですね」
「お話をお聞きしてから」
「食材を用意してもらうということで」
「そうなりますね」
「まあ幾ら何でも」 
 僕は今は現代の日本であることから考えて奥さんにこう言った。
「そんな。イモリの干物とか」
「そうしたものはですね」
「食材じゃないと思いますけれど」
「そうですね、そうしたものは」
「はい、ありませんね」
「そう思います」
 僕はこう奥さんに答えた。
「幾ら何でも」
「そうですね、そうした変わったものは」
「ないと思いますから」
「ではお願い出来ますか」
「聞いてきます」
 こう言ってだ、僕は実際にマルヤムさんと八条荘でもお話することにした。だがマルヤムさんはまだだった。
 八条荘に帰っていない、それでだった。
 携帯で連絡をしようと思ったところでだ、あることに気付いた。その気付いたことはマルヤムさんの携帯の番号等を一切聞いていないことだった。
 それでしまったと思ったところでだ、丁渡いいタイミングで。
 八条荘の扉が開いた、そして。
 そこからマルヤムさんが入って来た。マルヤムさんは帰って来るとすぐに僕に気付いてこう挨拶をしてきた。
 そのマルヤムさんにだ、僕が声をかけようとしたところで。
 マルヤムさんからだ、僕に言って来た。
「大家殿、丁渡いい」
「僕もそう思ったところだけれど」
「大家殿に伝え忘れたことがあった」
 こう言って来たのだ。
「拙者の携帯のことだ」
「うん、番号聞いてなかったね」
「メールアドレスもな」
 それもだった。
「お伝えしていなかったでござる」
「それじゃあ」
「すぐに教えさせて頂く」
 こう僕に言って来てだった、すぐに。
 マルヤムさんは自分の携帯を出して来てだ、そのうえで。僕にあらためて言って来た。
「ではこれより」
「うん、教えてくれるね」
「では大家殿も」
「マルヤムさんの番号教えてくれるかな」
「メールアドレスもだな」
「そちらもね」
 こう話してだった、そうして。
 僕達はお互いの携帯の電話番号とメールアドレスを教え合った、それが終わってからだ。僕にこうしたことを言って来た。
「これでいい」
「何時でも連絡出来るね」
「携帯はいいものだ」
「忍者としても」
「うむ、連絡に容易だ」
 だからいいというのだ。 
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