ハイスクールD×D大和の不死鳥
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30三大勢力会議
俺達グレモリー眷属は三大勢力の会議の場所へと向かっていた。ギャスパーは未だに神器が不安定なので部室に秋、雪、レナと一緒に待機している
「失礼します」
リアス様を先頭に俺達眷属も生徒会室に入る…と、其処には会談の為にこの場に集結した、3大勢力の重要なポストに就く方達が勢ぞろいしていた。
まず左側にはアザゼルやヴァーリを始めとした堕天使陣営…俺の姿を見て親しげに返事するアザゼルさんと、好戦的な視線を向けるヴァーリが特徴的だった。
続いて奥側には、ミカエルやイリナを始めとした天使陣営。
ゼノヴィアがイリナの顔を見るとそっぽを向かれた
更に右側には、サーゼクスやセラフォルー、ソーナ会長及びその眷属の皆を始めとした悪魔陣営…匙、緊張する気持ちは分かるがガチガチ過ぎるぞ。
そして手前側には、リアス達オカルト研究部メンバー…そう、コカビエルの一件に関わった面子だ…俺達の席も、こちら側にある。
「私の妹と、その眷属だ」
「先日のコカビエル襲撃で彼女たちが活躍してくれた」
「報告は受けています。改めてお礼を申し上げます」
ミカエルがリアスへ礼を言う。リアスは冷静に振る舞い、再度会釈をするだけだ。
「悪かったな、俺のところのコカビエルが迷惑をかけた」
あまり悪びれた様子もない。
「こちらこそ俺の勝手でコカビエルを殺ったことに謝ります」
「いいさ、コキュートスに落とすよりも信頼できるからな」
「そこの席に座りなさい」
サーゼクスの指示を受け、グレイフィアが俺たちを壁際に設置された椅子を促してくれる。その席にはソーナ会長がすでに座っていた。
会長の隣にリアスが座る。その横に俺が座り、その後には朱乃さん、木場、イッセー、アーシア、ゼノヴィア、小猫ちゃんと続いて座った。
それを確認したサーゼクスが言う。
「全員がそろったところで、会談の前提条件をひとつ。ここにいる者たちは、最重要禁則事項である『神の不在』を認知している」
ソーナ会長はコカビエルの話を聞いていないはずだから、会談前に誰かから聞いたんだろう。
「では、それを認知しているとして、話を進める」
こうして、サーゼクスのその一言で三大勢力の会談が始まった――。
会談は順調に進んでいった。
サーゼクス、セラフォルー、ミカエル、アザゼルの4人がそれぞれ喋り続けていた。
三大勢力のトップが集まるのはほとんどないからシトリー眷属、俺を除くグレモリー眷属の全員は緊張している
俺は無言でリアスの手を握りる
リアスの手に集中しながら会談を聞いていると、リアスのコカビエル襲撃の報告となり、アザゼルが和平の話を持上げてきた。ってアザゼルが神器持ちを集めてたのは3大勢力の戦争のためじゃなくて、研究のためかよ。
「そう。次の戦争をすれば、3すくみは今度こそ共倒れだ。そして、人間界にも影響を大きく及ぼし、世界は終わる。俺らは戦争をもう起こせない」
アザゼルは真剣な面持ちになる。
「神がいない世界は間違いだと思うか? 神がいない世界は衰退するか? 残念ならがそうじゃなかった。俺もおまえたちもいまこうしやって生きている」
アザゼルは腕を広げながら言った。
「――神がいなくても世界は回るのさ」
まっ、それもそうだな。大昔に死んでいて、いまも俺らは何も変わらずに生きているんだから、神は本当に必要なものだったのかわからないよな。
それから会談は戦力うんぬんの話しに移り、現在の兵力と、各陣営との対応、これからの勢力図の話しに移った。
「――と、こんなところだろうか?」
サーゼクスのその一言で、お偉い方々が大きく息を吐いていた。
それからミカエルが俺たちのオカルト研の方へ視線を向けていた。
「さて、話し合いもだいぶ良い方向へ片付きましたし、聖魔フェニックスと赤龍帝どのお話を聞いてもよろしいかな?」
全員の視線がこちらに向いた。
「赤龍帝はわかるが、俺もか?」
3大勢力のトップたちはうなずいた。
「ええ。あなたは前大戦の時にいた者、和平に合意してくれるかを訊きたいのです」
ああ、そういうことね。
俺は聖の黄金の炎の羽根と魔の炎の炎を出して言う。
「まずは和平に同意する。それと前大戦は中立の立場だったが今回は王であり彼女がいる悪魔側で行くつもりなのでそのつもりで
イッセーに訊ねた。
「で、赤龍帝、おまえは?」
アザゼルに訊かれたイッセーは見返るのほうを向いて、アーシアに言った。
「アーシア。アーシアのことをミカエルさんに訊いていいかな?」
「イッセーさんがお訊きしたいのでしたら、構いません。私はイッセーさんを信じていますから」
イッセーはミカエルを見て訊いた。
「アーシアをどうして追放したんですか?」
え? いまここで?
俺は驚いたが、ミカエルは真摯な態度で答えだした。
神が死んで神が使っていた『システム』だけが残り、その『システム』をミカエルたち上級の天使の一部が引き継いで『システム』を使い、信徒に加護を与えていたそうだが、その『システム』は容易に扱えるものではなく、いろいろ不都合が起こったそうで、その不都合が禁手というバクや、アーシアの神器で悪魔や堕天使の傷を癒すことができたり、木場が本来交じり合うことのない魔と聖の聖魔剣を創りだせた理由で、神の不在を知られるわけにはいかなかったから、アーシアを切り捨てたという話だった。
そして他にも『システム』に影響を及ぼすものがあった。
神の不在を知るものだ――。つまり、ゼノヴィアもどちらにしろ教会側から追い出される運命だったのだ。
「そうです、ゼノヴィア。あなたを失うのはこちらとしても痛手ですが、我々『熾天使
(セラフ)
』と一部の上級天使で神の不在を知った者が本部に直結した場所に近づくと『システム』に大きな影響が出るのです。――申し訳ありません。あなたとアーシア・アルジェントを異端とするしかなかった」
ミカエルがアーシアとゼノヴィアへ頭を下げる。
イリナが驚いて目を丸くしていた
ミカエルが謝ったことに2人は目を丸くしていたが、すぐにゼノヴィアは首を横に振り、微笑んだ。
「いえ、ミカエルさま、謝らないでください。これでもこの歳になるまで教会に育てられた身です。いささか理不尽を感じていましたが、理由を知ればどうということもありません」
「あなたが悪魔に転生したこと。それはこちらの罪でもあります」
「いいのです。……多少、後悔も致しましたが、教会に仕えていた頃にはできなかったこと、封じていたことが現在私の日常を華やかに彩ってくれています。そんなことを言ったら、他の信徒に怒られるかもしれませんが……。それでもいまの私はこの生活に満足しているのです」
ゼノヴィア、俺たちとの生活をそんな風に感じていたのか……。
アーシアも手を組みながら言う。
「ミカエルさま、私もいま幸せだと感じております。大切なヒトたちがたくさんできましたから、それに憧れのミカエルさまにお会いしてお話もできたのですから光栄です!」
ミカエルはゼノヴィアとアーシアの言葉に安堵の表情を見せていた。
「すみません。あなたたちの寛大な心に感謝します。デュランダルはゼノヴィアにお任せします。サーゼクスの妹君の眷属ならば下手な輩に使われるよりも安全でしょう」
それからイッセーがアザゼルにレイナーレの事件で悪魔になったことや、アーシアが殺されそうになったことを言ったが、アザゼルに「俺の監督不足」と返されてしまった
それからアザゼルは『世界をかえることのできる力を宿している』白龍皇のヴァーリと赤龍帝のイッセーに世界をどうしたいか訪ね、ヴァーリは戦いを求め、イッセーは世界が平和になってハーレム王になると宣言し全員から苦笑され、リアスには呆れられていた。
そして、イッセーの『赤龍帝の力を仲間を守ることに使う』と宣言していたところで会場の時が停まった
続く
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