八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第二十二話 秋田小町その一
第二十二話 秋田小町
チェチーリアさんも入居した次の日もだった、僕は自分のクラスで皆に八条荘のことを話した。そのチェチーリアさんのことも。
チェチーリアさんのことを聞いてだ、皆はこう言った。
「ペルーねえ」
「昨日インカ帝国のこと話したけれど」
「早速だね」
「インカ帝国と縁のある人が来られたのね」
「そうなんだ、それも実家はマチュピチュの近くらしいんだ」
僕は皆にこのことも話した。
「凄いよね」
「うん、じゃあ昨日インカ帝国のこと授業で出たことも」
「縁なのかしらね」
「こうしたことって神様の配慮もあるらしいけれど」
「それでインカ帝国のお話の後で」
「そのインカ帝国の人が来た」
「考えてみれば凄いことよね」
皆唸る様に言う、そして。
僕は皆にだ、チェチーリアさんのこのことを話した。
「チェチーリアさんもインディオの血が入っているらしいよ」
「あっ、じゃあ」
「やっぱりその人も」
「インカ帝国の末裔?」
「そうよね」
「そこまではわからないって言ってたよ。それにね」
僕はあの人についてさらに話した。
「あの人インディオの血以外にも」
「ああ、スペインの方の」
「あっちの血も入ってるのね」
「あそこの人は大抵だよ」
それこそテレサさんもモンセラさんもだ、中南米の人達は。
「もう混血してるよ」
「そうそう、中南米はね」
「スペインの人とインディオの人がね」
「混血してて」
「あと黒人の人もいて」
「あそこら辺は混血がかなり進んでるのよね」
皆も僕の話を聞いて納得してくれた。
「あそこはね」
「そうだったわね」
「うん、だからね」
それでだとだ、僕はまた言った。
「あの人も肌の色褐色だし」
「というかあっちの人って」
「本当にそういう人多いよね」
「混血が進んでて」
「もうその辺りはね」
「インディオだけじゃないのね」
「他の国の人達もね」
考えてみればだった、中南米からの人達以外の人達も。
「混血してるよね」
「アメリカ人とか?」
「あと中国人もそうよね」
「うん、皆ね」
僕はそのアメリカ人、中国人のジューンさんと水蓮さんを念頭に置いて皆に答えた。考えてみればあの人達もなのだ。
「多分ね」
「混血してて」
「色々なルーツの血が入っているのね」
「確か漢民族って」
中国だからだ、クラスメイトのうちで中国の歴史に詳しい岩田さん、所謂歴女になるこの人がこんなことを言った。
「ずっと混血してるのよ」
「中国の歴史の間」
「そう、商から周になる時もそうだったし」
封神演義の舞台なのは知っている、僕も。三千年以上も昔のことだ。
「それで秦や楚は漢民族よりも異民族の血が濃かったみたいで」
「それで統一して?」
「漢になって」
そしてそれからもだった。
「五胡十六国の時に北の異民族が滅茶苦茶入ってるから」
「あっ、そこでネットだと」
男子の一人が岩田さんにこう言った。
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