八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第十七話 不思議な先輩その十三
「ないと思いましたけれど」
「日本でも売られているんですか」
「はい、鰐の肉は結構簡単に手に入ります」
小野さんは仰天している美沙さんと円香さんにあっさりと答える、小野さんの冷静さも見ていてびっくりだった。
「通販ですが」
「それとカンガルーもですか」
「そちらのお肉も」
「左様です、あと鹿や熊、セイウチやオットセイの肉も」
「そういった野生のお肉も」
「手に入りますか」
「勿論猪もです」
こちらは言うまでもないといった調子だった。
「手に入ります」
「まあ猪は」
猪肉と聞いてだ、僕はこう言った。
「結構普通ですよね」
「猪豚もいますし」
「はい、元々猪から豚になってますよね」
「左様です」
「それで猪の肉は」
僕も食べたことがある、それでこう言った。
「豚肉に近い味ですよね」
「硬くて匂いもきついですが」
「それでも味、それに匂いにしても」
こちらもだった。
「豚ですよね」
「それで猪は」
「そんなに珍しいものじゃないですね」
「野生の肉としては」
小野さんもこう言うのだった。
「オーソドックスなものです」
「そうですよね」
「昔は狸や猿も食べていました」
小野さんはこうしたことも言って来た。
「そちらも」
「童話にある、ですか」
「狸鍋はご存知ですね」
「かちかち山にも出てきますよね」
あの悪さをする狸をそれにしようとして逆にお婆さんが鍋にされてしまう。僕が子供の頃読んだものだとお婆さんは狸に殴られただけで狸にしても兎に懲らしめられてお婆さんに謝らさせられてそれで終わりだった。
「あれですか」
「昔はそうして狸も食べていました」
「そうだったんですね」
「そして猿も」
そちらもだというのだ。
「食べていました」
「そうだったんですか」
「あと犬も」
「犬は普通じゃないの?」
ダエさんがここでこう言って来た。
「ベトナムじゃ食べるわよ、犬」
「こっちもあるよ」
水蓮さんも言って来た。
「中国人犬も食べるあるよ」
「うちは犬は食べないけれド」
アメリカ人のジューンさんが言うことはというと。
「まあ色々食べるネ、色々な国から人が来てるかラ」
「犬食べるのはまあ普通じゃないの?」
こう言ったのは美沙さんだった。
「世界的に見れば」
「はい、犬料理もあります」
そうだとだ、小野さんも言うのだった。
「何でしたらそちらも作られます」
「犬料理もですか」
「一番有名なものは韓国料理ですが」
「ああ、韓国って犬も食べましたね」
「はい」
「やっぱり辛い味付けですか」
「そうです、焼肉にもしてです」
小野さんはこの料理の仕方も話してくれた。
「食べています、ただ」
「ただ?」
「韓国料理でも犬料理は実はあまり食べないです」
「そうなんです」
「じゃあ牛肉とかですか」
「豚や鶏も多いです」
そうした肉もというのだ。
「ですから犬はあまりメジャーではないのです」
「韓国でもですね」
「そうです」
「そういえばうちの学園にも韓国からの人多いですね」
僕はここでこのことにも思い至った。
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