八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第十七話 不思議な先輩その十一
「隠し子が何人いても」
「おかしくないか」
「そう言われるとね」
「あの親父さんだとか」
「苦労するのね」
「気苦労が絶えなかったよ」
これは今でもだ、実は。
「家に帰ればベッドで、お風呂場でだったから」
「女の人達とか」
「一緒にいたのね」
「家に帰ってもいつも違う女の人と一緒だったんだよ」
それも二人三人ざらだ、顔にはキスマークが幾つもだった。
「何やってんだよっていつも言ってたよ」
「確かにな、そんな人が親父だとな」
「嫌かもね」
ここでやっと皆わかってくれた感じに見えた。
「そこまで女遊びが酷いと」
「しかも無類の酒好きっていうし」
「遊び人でもあるし」
「それなら」
「うん、とんでもない親父なのは事実だから」
このことは否定しなかった、誰にも全力で言える。
「いい親父とはやっぱり言えないよ」
「で、その親父さんの息子さんで」
「あんたはなのね」
ここで僕の話に戻った。
「その辺りはか」
「息子さんとして」
「離れてみている分には面白いと思うよ」
僕は真剣にだ、皆に言った。
「けれど傍にいたら、特に親父だったら」
「困る」
「そういう人なのね」
「そうだよ、物凄い人だから」
これが僕の親父の見方だ、子供の頃から一切変わっていない。
「いい親父とはとても言えないよ」
「暴力は振るわないし借金は作らなくても」
「養ってくれてても」
「それでもなんだ」
「いい親父さんじゃないんだ」
「僕にとってはね、まあとにかく親父の因縁はね」
また言った僕だった。
「僕が終わらせることになるっていうから」
「因縁ねえ」
「何か重い話ね」
「悪い因縁らしいけれどね」
それでもだった、僕はエリザさんの話を聞いてから述べた。
「それでも終わらせられるなら」
「いいか」
「そう思ってるのね」
「悪い因縁なんてすぐに終わらせるに限るよ」
それこそともだ、棒は答えた。
「白因縁にしていかないとね」
「悪い因縁をいい因縁に変えて」
「そうしていって」
「それでよね」
「後は」
「そう、それじゃあ」
「これから」
こう話してだ、そしてだった。
僕はエリザさんのことも親父のことも因縁のこともだ、皆と話した。そしてそれが終わってからだ、僕は部活も終えてから家に帰った。
するとだ、エリザさんは晩御飯の時に僕に笑顔で言った。
「入部届も出してきたわ」
「あっ、今日のうちにですか」
「ええ、出してきたわ」
こう僕達に答えた。
「占い研究会と他にもね」
「他にもなんですか」
「後はUMA研究会にも」
そちらにもというのだ。
「入部届を出したわ」
「一つじゃないんですね」
「ええ、部活は幾つ入ってもいいのよね」
「この学校はそうですよ」
「そう聞いたから」
それでとだ、僕達に話してくれた。
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