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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十七話 不思議な先輩その五

「よくもそんなとんでもない作品を作ったわね」
「はい、クラシックの中でも最大の大作を作った作曲家です」
 裕子さんはその美沙さんにも答えた。
「そのニーベルングの指輪です」
「忠臣蔵の様ですね」
 小夜子さんはニーベルングの指輪の話を聞いて日本人なら誰でも知っている作品の名前を出した。
「歌舞伎の」
「歌舞伎ノ?」
 ジューンさんは小夜子さんのその話を聞いてその小夜子さんに問い返した。
「それそんなに長いノ」
「はい、三日かけて上演されます」
「そっちも長いネ」
「京劇でも大作があるあるが」
 水蓮さんもここで言った。
「指輪程の作品は」
「そして歌舞伎の忠臣蔵は三日です」
「そっちも長いネ」
「全くある」
 二人共言うのだった。
「流石に指輪程じゃないけれド」
「そっちも大作あるな」
「その三日の間にやっぱり」
 千歳さんが言うことはというと。
「浅野内匠頭が」
「はい、作中では塩谷判官という名前ですが」
「切腹するんですね」
「そして結末は」
「そうですよね」
 日本人ならもうここから先は言うまでもなかった、切腹である。
「それしかないですよね」
「そして大団円です」
 あの人が成敗されるというか四十七人でよってたかって倒されてだ、僕はあの作品はそうじゃないかと思っている。だが小夜子さんは今の言葉は淡々としていた。
「晴れて凱旋です」
「そういえば八条学園は赤穂に近いな」
 留美さんはこのことを指摘した。
「同じ兵庫で」
「そうですわね、神戸市と赤穂市は」
 円香さんも留美さんのその言葉に頷いて応える。
「すぐそこと言ってもいい位に」
「近いな、一度行ってみる?」
「そうね」
 ここでこう話したのはラブポーンさんとイタワットさんだった。
「その赤穂にも」
「時間があれば」
「行かれると宜しいかと」
 畑中さんは二人の話を聞いてその背中を後押しした。
「歴史の勉強にもなります」
「日本の」
「この国のね」
「はい、忠臣蔵は江戸時代の歴史の勉強にもなります」
 だからいいというのだ、僕もこのことについては横から話を聞いていてそう思った。
「ですから」
「日本史の勉強のもなるなら」
「それならね」
 二人も畑中さんの話に頷く、他にも色々と勉強になるけれど。 
 そうした話をしてだった、僕達はその日の朝食を済ませて。
 登校しようした、しかしここで。
 家のチャイムが鳴った、皆それを受けて来た、と思った。実際に畑中さんがここで僕達に大してこう言った。
「来られた様です」
「そのオーストラリアからの方が」
「はい」
 その通りだというのだ。
「来られました」
「早いですね」
「そうですね、私も予想していたよりも」
「早く来たと」
「思っています」
「そうですか」
 僕もその話を聞いて頷いた。 
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