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『自分:第1章』

作者:零那
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『堕胎』

零那は、娘を産んだ後、これまでに2回、命を棄てた。

流産と、子宮外。
どっちも、産む予定だった。

自分さえシッカリしとけば...
育児をやり直したい...
同じ失敗はせん...

育児は綺麗事じゃなく大変やけど、癒してくれるのも事実。
我が子を愛しいと想える自分が居ることにも慣れてきてた。


命がゴミとして棄てられる。
悔しかった。
絶望そのものだった。
泣いても泣いてもキリがない。
辛いのは自分じゃなく、産まれてこれんかった我が子。


流産の時は、自分が無茶してたしストレスしか無かった生活だった。
だから完全に自分のせい。

子宮外の時も、生理予定日に妊娠生理が来てもスグ病院に行かんかった。
スグに行ってれば、赤ちゃんも苦しまずに済んだかもしれん。

母胎のイタミは日にち薬。
でも、産まれてこれんかった子は、人生を、命を、棄てられてしまう。
それって...あまりにも残酷で認めたくない現実...

養父に弄ばれ、玩具になり、犯され続けてた零那は、子供を身ごもり、無理矢理堕胎した過去がある。

あの時は無知で無力で手段が無くて、先輩達に子宮を殴る蹴るで暴行して貰い、無理矢理...
それを忘れる事なく生きてきた。
それでも同じ過ちを犯す自分は愚か。


子宮外はどうしようも無いと言われた。
頭では解ってる。
それでも...
苦しかった...


元旦那にも言ってない。
言わんかった。
どうせ女の(母親としての)気持ちは言っても解らんやろうし。
言葉にするのも辛かったし...


愚かな自分を殺してやりたいと、この時、久し振りに悪い癖が出た。
涙と共に大量の血を流した。

 
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