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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十六話 ある晴れた日にその九

「なりません」
「そういうことですか」
「別れる時に慰謝料を請求するなりすればいいです。部活等の暴力やいじめは告発出来ます」
「社会的告発ですね」
「暴力教師の告発は今は幾らでも出来ます」
 いい時代になったと思う、こう言うと下品な表現かも知れないけれど社会のダニを駆除する方法が増えたことは有り難い。
「ネットを使って」
「マスコミ各社や警察に通報してですね」
「教育委員会に言って効果がないのなら」
「あと政治家にも言えますね」
「はい、国会議員や都道府県の議員、市町村の議員にと」
「通報出来ますね」
「そうした通報を使ってです」
 そうしてなのだ、まさに。
「社会的に抹殺出来ます」
「抹殺、ですか」
「そうした教師は抹殺すべきです」
 畑中さんの言葉は何時になく厳しかった。
「その生活なぞ考慮してはなりません」
「悪人の生活はですね」
「悪人の人生もです」
 そうしたことは、というのだ。
「生徒の方々が迷惑してしまいます、一人の悪徳教師の人生よりも一人の生徒の人生です」
「その子の未来を考えてですね」
「そうした教師は抹殺すべきなのです」
「何か厳しいですね」
「そうした教師をこの目で見ましたので」
 本当に暴力教師は何処にもいる、本当に迷惑な話だ。
「そして苦しんでいる生徒の方々も見てきましたので」
「その子達のことを考えてですね」
「そうした教師は抹殺しなければなりません」
「教師を辞めさせるんですね」
「そうするしかないのです」
 暴力教師、その他の問題のある教師はというのだ。
「さもないと日本の教育もよくなりません」
「教育自体は」
「八条学園は違いますが日本の教育は腐敗しています」
「何か厳しいですね、何時になく」
「そうでしょうか」
「何か学校の先生がお嫌いな様な」
「見てきましたので」
 またこう答える畑中さんだった。
「だからなのです」
「その目で御覧になられたからですか」
「はい、私はどうしても教師には厳しくなります」
「そういうことなんですね」
「左様です」
「わかりました、じゃあ」 
 僕は畑中さんの言葉に頷いてから言った。
「僕もそうした教師は許さないですし。それに」
「それに、ですね」
「そんなことする人間にはならないです」
 生徒に対してだけでなく家族に対しても暴力を振るう様な人間にはだ。
「絶対に」
「お酒を飲んでも駄目よ」
 詩織さんは厳しい目でこう僕に忠告した。
「そうしても暴力を振るったらね」
「それもしないよ」
「とにかく暴力自体が最低だから」
「本当にそうだね、親父ですらしないから」
 あの問題だらけの親父でもだ。
「まあうちの親父は手本にはしないけれど」
「大家さんってつくづく自分の親父さんが嫌いなのね」
 モンセラさんは僕のその言葉を聞いてこう言った。
「悪口ばかりじゃない」
「いや、嫌いかっていうとね」
「違うの?」
「嫌いじゃないんだ」
 そうでもないとだ、僕はモンセラさんに答えた。
「そう言われるとね」
「けれど悪口ばかり言ってるじゃない、さっきから」
「確かに女好きで酒好きで遊び人のろくでなしだよ」
 このことは絶対に否定しない、東京に行けば銀座で豪遊とかは常だ。そしてホステスさんと毎晩なのだから。 
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