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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第百四十二話 獣人の力その五

「だからだ」
「あとあたしでもないわよ」
 泉も言う。
「何か皆にはあたしのカレー評判悪いからね」
「だってね」
「いつもカレーだからな」
 セルジュとハスガがその泉に言う。
「流石にいつもカレーだとね」
「飽きる」
「それで誰がこのカレーを作ったのかな」
「俺だよ」
 由良が微笑んで日向に答えた。
「俺が作ったカレーだよ」
「由良さんがですか」
「うん、そうだよ」
「そうですか。なら安心ですね」
「私じゃないから?」
「あたしでもないから」
「いえ、由良さんのお料理の腕は」
 それはというのだ。
「僕が見たところかなりのもの、ですから」
「そうそう、悟郎ちゃんの料理は完璧なんだよ」
 北岡がその日向達に話す。
「それこそ何でも作れるから」
「そうですか、やはり」
「まあ悟郎ちゃんは料理だけじゃないけれどね」
 由良のそのことも話すのだった。
「万能なんだよ」
「いえ、それは」
「いやいや、本当のことだからさ」
 北岡は笑って謙遜しようとする由良に返した。
「恥ずかしがることはないよ」
「何か北岡さんって」
「そうよね、この人って」
 ヒメアは大兎と共にその北岡を気付いた様な顔になって話した。そうした顔になっているのは大兎もである。
「悪そうで」
「結構いい人だよな」
「私達にも親切だし」
「色々と教えてくれるしな」
「それはあれだよ、恩を売ってるんだよ」
 北岡は二人に笑って述べた。
「それだけだよ」
「恩って言われても」
「私達返すことなんて」
「そうだよな、お金とかな」
「全然ないから」
「それは戦って返してもらうさ」
 そうしてだというのだ、戦いのことでだ。
「それでいいか」
「ううん、それじゃあ」
「そういうことなら」
「宜しく頼むな、これからも」
「わかりました」
「これからも」
 二人は北岡が言葉の裏に隠しているものを理解してそのうえで応えた。そうした話をしてそのうえでだった。
 由良の作ったカレーを食べる、そのカレーを食べつつだ。
 佐野は高見沢にだ、こんなことを言った。
「ちょっといいですか?」
「どうした」
「今度の商談の時ですけれど」
「お互いの会社のだな」
「はい、その時はカレーを食べながら」
「そうしてだな」
「お話しませんか?」
 こう高見沢に提案するのだった。
「一度」
「いいな、お茶を飲みながらも悪くないがな」
「カレーを食べながらも」
「面白い」
「というかそうして隙を作って」
「俺に付け込むか」
「そうしてやりますよ」
 佐野は社長の顔も見せてそして言うのだった。
「ずっと高見沢さんにはしてやられてますからね」
「おい、それはこっちの台詞だ」
 高見沢はその佐野に不敵な笑みで返した。 
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