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オズのムシノスケ

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第十一幕その九

「それで休んで」
「そうしてですね」
「明日発ってもいいから」
「そうしてもいいですね」
「別に構わないのよ」
 本当に急がないというのです。
「私達は」
「僕達もね」
「特に急がないよ」
 かかしと木樵もでした、このことは。
「ゆっくりとした旅だし」
「別にね」
「ふむ。それでは」
 ここまで聞いて言った教授でした、その言葉はといいますと。
「今日は皆で休もう」
「皆で、ですね」
「そうして」
「そう、ゆっくりしよう」
 こう決めたのでした。
「今回の旅も何かとあったからね」
「考えてみると何もないということ自体が」
 カルロスが言うことはといいますと。
「オズの国ではないですね」
「それは本当にね」
「オズの国ならではですね」
「その通りだよ、それでね」
 だからだというのです。
「君達五人は疲れてると思うし」
「今日は休んで」
「それで明日の朝都に向かおう」
 こう決めたのでした、それで一行はこの日は大学でゆっくりと休むことにしました。そのことを決めてからです。
 皆で、です。そしてでした。
 この日は大学でゆっくりすることにしました、それぞれ大学の中でお昼寝をしたり散歩したりして時間を過ごすことにしました。
 その中で、です。カルロスは教授と一緒に大学の中を散歩しながらです、教授とサッカーグラウンドを観ながら言いました。
「小石は拾いましたけれど」
「それでもだというのだね」
「サッカーする人は」
「そのうち出て来るよ」
 学生さん達の中で、というのです。
「必ずね」
「そうですか」
「アメリカでも最近サッカーは盛んになってきているね」
「そうみたいですね」
「だからね」
 それで、だというのです。
「少し待っていれば」
「このグラウンドも人が来てくれて」
「サッカーをする様になるよ」
「そうなって欲しいですね」
 しみじみとして言うカルロスでした。
「本当に」
「そうだね、サッカーもね」
「この大学は野球やフットボールが有名で」
「そしてバスケもね」
 それもなのでした。
「ホッケーもね」
「そうしたスポーツと並んで人気が出て」
「皆がする様になるよ」
「そうですね、あと実は」
「実は?」
「僕野球やバスケも好きなんですよ」
 カルロスはにこりと笑って教授にこのことを言いました。
「そうしたスポーツも」
「サッカーだけではないんだね」
「はい、そちらも」
 好きだというのです。
「身体を動かせることなら何でも」
「そうなんだね」
「陸上も好きです」
「本当に何でもだね」
「好きなんですよ、色々と」
「では何をしても」
「スポーツなら楽しめます」
 それがカルロスです。
「水泳も」
「本当に万能だね」
「はい、ただ」
「ただ?」
「どうも僕は水に浮きにくいみたいです」
 この辺りは微妙な顔になって言うカルロスでした。 
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