八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第十四話 今度はメイドさん、本当に色々な人が来るその五
「お兄さんの跡を継いでね」
「妹さんがですか」
「新選組に入ってるって話がね」
「上杉謙信さんみたいですね」
小夜子さんは美沙さんの話を聞いてからこんなことを言った。
「それですと」
「あの人が女性だったっていうお話ね」
「おそらく違うと思いますが」
これは僕も俗説だと思う、上杉謙信が一生結婚しないで子供がいなかったことから出て来た小説がその話の元だというが僕はその小説を読んでいないので詳しいことまではわからない。
「そうしたお話がありました」
「そうなの」
「それで思ったのです」
「謙信さんみたいだって」
「男装の麗人ですね」
「そうなるわね」
美沙さんは小夜子さんの言葉に頷いてからこんな言葉も出した。
「日本版オスカルよ」
「まさにそちらですね」
「けれど、実際にね」
「新選組はですね」
「そうした風な作品もあったりするのよ」
「そうですか」
「面白いっていえば面白いわよね」
美沙さんは小夜子さんに少し真顔で話した。
「こうしたことも」
「謙信さん以外の戦国武将も女の子になったりしていますね」
「最近の小説やゲームではね」
「そうしたこともありなんですね」
「面白ければね」
それならというのっだ。
「ありよね」
「そうなりますか」
「萌えって路線があるから」
この路線は馬鹿に出来ないと思う、僕もそうしたゲームや小説はプレイしたり読んだりしてきているけれど面白いと思う。
そしてだ、その萌の中でもだった。ラブポーンさんが言った。
「萌っていったらメイドさんよね」
「ああ、あれね」
美沙さんは今度はラブポーンさんに応えた。
「メイドさんは確かにね」
「萌っていえばよね」
「タイでもメイドさんいるのね」
「いるわよ、メイド喫茶もあるし」
「そっちもあるの」
「日本から来たのよ」
何とメイド喫茶まで輸出されている、日本文化も恐ろしいものだ。
「これが中々繁盛してるのよ」
「そうなのね」
「私は入ったことがないけれど」
それでもというのだ。
「それでも繁盛してたわよ」
「そうだったの」
「そう、繁盛してたわ」
そうだったというのだ。
「かなりね」
「タイでもメイドさん人気あるのね」
「それもかなりね」
「成程ね、そういえばね」
ここで美沙さんは皆を見回してからこんなことを言った。
「私達の中にメイドさんはいないわよね」
「そりゃいないでしょ」
ダエさんがその美沙さんにすぐに返した。
「やっぱり」
「あたし達が学生さんだから」
「そうよ、だからね」
それで、というのだ。
「いないわよ」
「メイドさんって職業よね」
「メイド喫茶の人でもね」
ああしたお店のメイドさんでもだ。
「アルバイトの人もいるけれど」
「お仕事なのね」
「学生じゃないから」
それで、というのだ。
「ダエ達の中にはいないわよ」
「それもそうね」
「まあフィリピンにはメイドさん多いけれどね」
「あっ、そうなの」
「そう、あの国は出稼ぎ労働者の人が多くてね」
「女の人はメイドさんとして出稼ぎに行くのね」
「だからリアルでメイドさんが多いのよ」
ダエさんは美沙さんだけじゃなく僕達全員にこのことを話した。
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