八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第十四話 今度はメイドさん、本当に色々な人が来るその二
「便利でしょ」
「便利っていうか楽しいわよ」
「趣味?」
「そう、バイクは便利さよりもね」
「趣味の比重が大きいのね」
「中にはハーレーとか乗る人いるじゃない」
僕は話を聞いていて来た、と思った。ハーレーダビットソンは僕も知っている、アメリカの企業だがここのバイクはというと。
「もうロマンだからね」
「ロマンね」
「そう、あれはロマンよ」
ハーレーの存在自体がというのだ。
「持っていて乗ることがね」
「もうそれ自体がなのね」
「ロマンなのよ、ハーレーは」
「バイクもそうなのね」
「そう、だから私もね」
イタワットさん自身もというのだ。
「趣味としてね」
「楽しんでるのね」
「これがまたいいから」
こうも言うのだった。
「風を切って気持ちよくね」
「そういうことね」
「だから私バイクに乗ってるのよ」
実用性以上にというのだ。
「今もね」
「そうなのね」
「サイドカーなんかもいいわよね」
イタワットさんはまた言った。
「あれもね」
「サイドカーね」
詩織さんはサイドカーと聞いてこう言った。
「あれたまに特撮とかで出て来るわよね」
「特撮ってあの」
「そう、日本のドラマだけれど」
「正義のヒーローが戦うのよね」
「今は生義かというと難しいところだけれど」
「とにかく戦うのね」
「敵とね」
詩織さんはこうイタワットさんに特撮について説明した。
「その特撮でもたまに出て来るのよね」
「じゃあヒーローが格好良く乗って」
「そうそう、そんな感じで。ただ」
「ただ?」
「前に出てたヒーロー、サイドカーに乗ってた人は正義かっていうと」
「そこが違ったのね」
「随分色々やった人だったわ」
そのサイドカーに乗っていたキャラのことをだ、詩織さんは深く考える顔で話した。どういったヒーローだったかを。
「味方が気に入らないと謀略使ったりしてね」
「味方を?」
「そう、味方をね」
「内ゲバでもやってたの」
「まあそんなことしてたわ」
「正義の味方が戦うドラマでそれはないんじゃないの?」
イタワットさんは首を傾げさせて詩織さんに問い返した。
「それは」
「ううん、けれどね」
「それでも日本ではなのね」
「そうしたヒーローもいるのよ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
こうイタワットさんに言うのだった。
「日本のそうしたこともね」
「頭に入れておくこともいいのね」
「よかったらね」
詩織さんは判断をイタワットさんに預けた。
「そうしてね」
「わかったわ、ただね」
「ただ?」
「日本ってその辺りも独特ね」
「そうね、日本はね」
「そうした考えもあるのね」
「正義の味方ってされる人でもね」
そのヒーローでもそうだ、僕もそのヒーローは知っているけれどとにかくかなり癖のあるキャラクターだった。
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