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オズのムシノスケ

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第十幕その十

「私達でね」
「そうだな、それじゃあな」
「家族水いらずでね」
「散歩をしようか」
「一緒に」
「そうしようね」
 こうお話してでした、そのうえで。
 群れの他のヘラジカさん達もです、こう言うのでした。
「それじゃあな」
「行って来ればいい」
「そうして仲直りしてきたら?」
「色々お話して」
「そうしていいのね」
 エイミーは皆に応えて言いました。
「これから」
「ああ、そうしてな」
「群れに戻って来てね」
「それからまたな」
「楽しく暮らしましょう」
「考えてみたけれどここに私が好きなもの全部あるから」
 だからだと言うエイミーでした。
「旅には出ないわ」
「そうか、ここでか」
「ずっといるのね」
「私だって危ない目に遭いたくないから」
 だからというのです。
「もうここから出ないでいて」
「わし等とずっとか」
「一緒にいれくれるのね」
「暫くはね。けれどね」
「結婚してか」
「あんたも家族を持つの」
「ええ、そうするから」
 エイミーはご両親にもお話しました。
「大人だからね」
「ああ、そうしろ」
「あんたも幸せな家庭を持つのよ」
「そうしてな」
「楽しく暮らすのよ」
「そうしようね、それじゃあ」
 こうお話してでした、エイミーはです。
 ご両親と一緒に歩きはじめました、そうしてドロシー達に言いました。
「色々と助けてくれて有り難う」
「いやいや、お礼はいいよ」
 教授は気さくに笑ってエイミーに答えました。
「それはね」
「そうなの」
「それよりも」
 どうかと言う教授でした。
「君達がね」
「家族が仲直りして」
「そうして幸せに暮らしてくれればね」
 それで、というのです。
「私達は何もいらないよ」
「それじゃあ」
「行って来るといいよ」
 家族でのお散歩にというのです。
「そうして楽しんで来てね」
「ええ、わかったわ」
「それじゃあね」
「お散歩に行って来て」
「仲直りすればね」
「それで私達は満足だよ」
 こう言うのでした、そして。
「そうしれくれれば」
「そうなのね」
「だからね」
「ええ、私達絶対にね」
 エイミーは笑顔で言うのでした。
「仲直りするから」
「そうしてくれれば何よりだよ」
 こう言ってです、皆でエイミー達を送ってです。
 それからでした、皆で。
 教授はです、皆に言いました。
「それではね」
「はい、これで」
「あの娘の話は終わったから」
「これからは」
「大学に戻ろう」
 こう言うのでした。
「これからね」
「そうですね、それじゃあ」
「ボタン=ブライトを起こそう」
 是非にと言うのです。
「大学に戻ってね」
「わかりました、それじゃあ」
 カルロスが応えます。
「森を出て」
「元の道に戻ってね」
「ボタン=ブライトを起こしましょう」
「そうだね、そういえば」
 ここで、です。木樵は今自分達がいる森の中を見てです。そうしてそのうえでこうしたことを言ったのでした。
「この森は広いし木が多いけれど」
「それ程度茂ってはいないね」
 かかしも言います。
「君が斧を振るうまではないね」
「そうした森だね」
「だからここまでもすぐに来られたし」
「帰る時もね」
 その時もだというのです。
「すんなりと帰られるね」
「有り難いことにね」
「さて、ではね」
 それではと言う木樵でした。
「僕達もこれからも同行させてもらうから」
「宜しくお願いするよ」
「お二人なら何時でも大歓迎ですよ」
 カルロスが皆を代表してかかしと木樵に答えます。
「それこそ」
「それじゃあ」
「僕達も」
「はい、是非お願いします」
 こう言ってでした、五人はかかしと木樵を囲んで一緒に遊びながら森への出口に向かうのでした。そうしてまた大学への道に戻るのでした。 
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