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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十三話 バリ島からの女の人その七

「本当にね」
「その辺りはね、ただね」
「ただっていうとやっぱり」
「ダエだって喧嘩はするし」
 それにだった。
「退かないわよ」
「そうするんだ」
「やる時にはやらないと」
 随分と強い言葉だった、本気であることがこのことから伺えた。
「駄目でしょ」
「それでなんだ」
「そう、ダエはそうした考えだからね」
「そのことは覚えておいてだね」
「お付き合いお願いするわね」
 ダエさんはこのこともお話してだった、そしてだった。
 僕達は学校に着くとバスから降りてそうしてだった、それぞれの場所に赴いた。具体的に言うと僕はバスケ部の部活に向かった。
 僕はクラスに行った、すると。
 ここでだ、クラスメイト達にこのことを言われた。
「さっき御前とアパートの人達がバスから降りるの見たけれどさ」
「何か人増えてない?」
「月曜になってまた増えてるだろ」
「ちょっと前まで普通の車だったのにね」
「マクロバスにもなるし」
「増えてるだろ」
「うん、新しい人が入ったよ」
 その通りだとだ、僕は皆に答えた。
「昨日ね」
「何かどんどんな」
「あんたのアパート人が増えてくわね」
「このままだと一気にだな」
「八条荘満室になるわね」
「なるだろうね」
 そうなるだろうともだ、僕はまた答えた。
「もうちょっとしたらね」
「だよな、やっぱり」
「このままだと八条荘すぐに満室になって」
「後どうなるか」
「そのことだけれど」
「一体どうなるんだよ」
「その辺りは執事の人がやってくれてるんだ」
 つまり畑中さんがだ、本当に何でもしてくれる人で助かる。執事の人がついてくれたのはあの人がはじめてだけれど多分滅多にいないレベルの人だ。
「全部ね」
「おいおい、執事さんってな」
「もう完全にブルジョワね」
「貴族の生活だよな」
「それってね」
「貴族、そうだね」
 言われてみればとだ、僕も応えた。
「執事さんがいてくれて。お家もそうで」
「ああ、流石八条家っていうかな」
「あの家の人よね」
「やっぱり八条家の人だとな」
「凄い生活になるわね」
「ついこの前までそうじゃなかったんだけれどね」
 とてもだった、このことは。
「お家だって普通の家だったし」
「親父さんといる時はか」
「そういえばそうだったかしら」
「それってどうしてなんだ?」
「何であの時は普通のお家だったの?」
「何しろ親父はあの女癖で浪費癖だったから」
 それこそお金を湯水の如く使っていた、何の容赦もない。
「だからね」
「それでなんだ」
「あの人のせいだったんだな」
「親父さんの」
「うちの親父一族の間でも評判悪いんだ」
 それも相当にだ、正直一族の鼻摘み者だった。
「親父の方でもフォローとかいらないって言ってて」
「家も普通の家だったんだな」
「そこで二人暮らしだったのね」
「うん、借金はなかったけれど」
「今みたいなでかい家に住む余裕もか」
「それもなかったのね」
「借金はなかったけれどね」
 それでもだった、あの時の僕は。 
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