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魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
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九校戦編〈下〉
  九校戦四日目(2)×名無しの実力とハンデ

「お疲れ様」

「何だか拍子抜け」

「まあそうだが、次は名無しの出番となる。決勝トーナメントで使うデバイスは朝の内にしといたから、傍で見ようじゃないか」

「うん、名無しさんが一番楽しみだった」

そう言いながら、控室で見る事になった一真(ゼロ)と雫は決勝トーナメントまでの間に使うデバイスチェックをしていた。一方屋外訓練場にいる一真と蒼太に烈は、そろそろだと言っていて構えていた。一真の瞳に映るのは遥か先にある有効エリア範囲の地面にエレメンツを仕掛けた。予選は五分間に百個射出されるクレーを何個破壊するかで競うが、決勝トーナメントでは同じエリアに射出されるのでクレーを多く破壊した方が勝ちとされている。

『えーこれより一高の者によるスピード・シューティングを始めたいと思います。蒼い翼特別推薦枠を今年度の一年生が、一高にいるのですがその選手は各出場する競技にハンデを設けております。なお名前は明かせないので、名無しさんとお伝えするしかありませんのでご了承を』

「いよいよ名無しさんのが始まる、これが楽しみだったんだよね~」

「俺もだ、いったいどうやってやるのか楽しみだぜ」

『では選手の準備が整ったとの事で、早速始めたいと思われます』

「ええ!選手の立つところには誰もいないけど!」

「どういう事だ?選手がいないのに始めるという事は」

エリカ達も真由美達もそこには選手がいるところにはいないが、立ち位置には人影のような物が見えるだけで、選手がどこにいるかは分からなかった。そんで試合開始のランプが鳴って始まった。有効範囲エリアに入った瞬間に破砕されてしまい、次々とクレーが出てくるとまるで早撃ちのように次々と砕いていき数分でパーフェクトとなり、競技が終了となったのだが、九校戦最速時間ともなった。

「どういう事?深雪はもう分かっているの?」

「ええ。有効範囲エリアがある地面を見てみれば分かるわ」

有効範囲エリアの地面の方を見ると、クレーが司会者によって投げてから影が出来る瞬間に砕いたのでほのかはもしかして?と思って深雪に聞いてみた。

「もしかして太陽光から影ができるところを名無しさんは射撃しているという事ですか?」

「その通りよ、エレメンツ使いはいろんな属性があるけど光と闇ももちろんあるから、影が出来た瞬間に破砕ができるのよ。シャドーブレイクと言うところかしら」

一方真由美達も一体何の魔法なのかさっぱりで、さすがの鈴音でもさっぱりだった。一方屋外射撃場では、構えを解いた一真と蒼太がいたがさすが狙撃手とでも言おうかな。一キロ先のクレーを破壊する事ができるからなのか、まあ桜花達IS部隊なら楽勝だろうよ。そんで予選が終わり姿のない名無しは、次はバトル・ボードに行くと言ってからデバイスを空間に入れてからバトル・ボード会場に行った。蒼太と烈も一緒だったが烈は他で見ていると言い、俺と蒼太だけレース場に向かった。

『さて、ここで蒼い翼特別推薦枠を掴み取った選手が出てきました、真っ黒でサングラスの者は名無しさんです』

そう言ってから俺は第二レースの予選女子に混ざったが、バトル・ボードでのハンデはこの鉄板で出来た重いボードをした形で試合に望む事だ。試しにボードをレース場のとこに置いたら沈んだので手元に戻した。

『蒼い翼特別推薦枠を持つ者は新人戦でのハンデが付いてますが、バトル・ボードでは重さ何キロの鉄板をボードとして試合に望むそうです』

鉄板ボードを水路に置いてから、俺は選手たちの後ろにいた。そんで格好は真っ黒の服にサングラスだから、格好から怪しいと言われたがすぐに試合開始で理解した観客達だった。レースが開始となった直後に、選手たちはスタートしたが俺は水術とエスパーに風術の合せで進んだ事に驚いたが最初のカーブがあるため、選手たちは減速したが俺だけは加速のままだった。誰もがぶつかると思った瞬間に消えた。

「消えた!」

「どこに行った!」

観客達もどこに行ったと思えば、カーブの後の直線に俺がいた事に他の選手たちも理解不能だった事に驚くが次の曲がるところになると消えたと思えば次の直線で姿を現した事にどんな魔法を使っているのか見当も付かなかった。これについては真由美たちにも通信が入った事とスピード・シューティング会場にある大型スクリーンから名無し選手がバトル・ボードに出場しているのが見えたのだった。

「名無し選手が使っているのは、普通のボードではありませんね。あれは恐らく鉄板でしょう、それも何キロか分かりませんが重い物かと」

「鉄板を水路で走らせている時点で面白いが、カーブの時に減速せずに加速したあと消えたのは何だ!」

「恐らく瞬間移動でもしているんじゃないかしら?それでも現代魔法ではの話だけど」

一方深雪たちもバトル・ボードの試合を持っていたタブレットで試合を見ていたが同じ感想を漏らしていた。

「おいおい、名無しの奴は何を考えているんだ?鉄板じゃ水路に浮かぶ所か沈むぞ・・・・浮いている!?」

「それとカーブするところを減速ではなく加速のままだと消えたと思いきや、次の直線で姿を現した」

「恐らくですが、エレメンツと空間移動をしているのでしょう」

空間移動?と疑問符だったが、カーブのところで消えてから直線のところで姿を現すのは一真がよくやる空間から物を取り出すかのようにと伝えた。空間切断で消えたと思わせてからカーブ部分で消えるというのは、現代魔法でも古式魔法でもない。

「これはこれでハンデになるが、あまり面白くないがまあいいだろう。ガッド、俺が通り過ぎた後に水中機雷よろしく~」

独り言のように言ってから、滝上のでジャンプした後に着地した選手の水中に地雷が置いてあるのを気付かなかったからか水中爆破で波が出来てボードから落ちないのがやっとだった。で、あっという間に三周したので俺は最速記録をしたのだった。それを見ていた一真(ゼロ)と雫もタブレットで映像を見ていた。

「一真さん、名無しさんは何を使って消えたの?」

「そうだな~空間移動に風と水とサイコパワーを使ったマルチキャストとでも言っておこうか」

あちらは終わったので、名無しは鉄板ボードを担ぎながら姿を消した。競技用特化型デバイスは、魔法の種類に応じてデバイス自体を変えるのが一般的であるが、一真はこれからの選手の次の次の試合準備に入る。雫は決勝トーナメント用のデバイスが保管されている天幕へ、一人で向かった。

「三人とも予選通過で、名無し君は二つの競技でも予選突破したのか」

一高本部の天幕に戻った真由美の元へ届けられた、スピード・シューティングの予選結果と名無し選手の二つの競技での予選結果。それを見ながら独り事のようにつぶやいた。

「今年の一年女子は特にレベルが高いのか?」

決勝トーナメントに進出するのは、予選二十四名中八名。その八名に同じ学校からエントリーした三名が共に入っているという事は、本戦、新人戦を通じて過去にも例はない。摩利は分からないフリをやめるように言われると肩をすくめてみた。

「バトル・ボードの方はどうなっているのかしら?」

「男子は二レースをを終了していずれも予選落ちですが、名無しさんは女子レースの中に混じっていたので予選突破した模様です。鉄板ボードを使用というのもハンデの一つだったようです。ですが消えてからの移動はさすがの私でも分かりませんが、まるで空間移動でもしているようにも見えました。女子は一レースに出場して予選突破のようです」

「男子はあと一人か。女子の方では、最終レースに光井さんが予選突破確実でしょうから、こっちもあーちゃんが頑張ってるからからかな」

「当校も、もう少し技術者の育成に力を注ぐべきかもしれんな。それと名無しに関して使った魔法が一切分からないというのも、問題点ではあるな」

自分の端末で見ていた会頭であったが、名無し=一真が使う魔法が何なのかさっぱり分からないという事は、作戦スタッフや選手であった会長でさえ分からず仕舞いとなっていた。スピード・シューティングの準々決勝は四つのシューティングレンジを使用して行われる。決勝トーナメント進出の八名が全て別々の学校であれば四試合が同時に行われるが、同じ学校の選手が含まれる場合、試合が重ならないように時間調整される事になっている。まあ準々決勝では同じ学校の選手同士での戦いはない。とは言っても同じレンジで一試合行う準決勝に比べ、各試合のインターバルはどうしても短くなる。今回の第一高校女子チームのように、三名が準々決勝に進出するとエンジニアは非常に忙しい思いとなるが、一真(ゼロ)は一瞬して移動してしまうので疲労感なく仕事をしている。 
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