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オズのムシノスケ

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第八幕その九

「だからね」
「サラダも濃いんだね」
「そうなの、皆が食べる様なサラダならね」
 それこそというのです。
「ロシアだとカロリーが足りなくなるのよ」
「寒さを凌げないんだ」
「神戸はね、オズの国はもっとだけれど」
「暖かいんだ」
「冬も」
 神戸の冬にしてもというのです。
「風も含めてね」
「暖かいんだ」
「あれ位ならロシアでは冬にならないわ」
「ナターシャちゃんよくそう言うわよね」
 恵梨香も言って来ました、その神戸で生まれ育っている彼女がです。
「神戸は暖かいって」
「かなりね」
「神戸の冬は六甲から下りて来る風で寒いと思ってたけれど」
「寒さのレベルが違うのよ」
 その神戸とロシアでは、というのです。
「モスクワとかとはね」
「モスクワねえ」
「サンンクトペテルブルグなんてね」
 この街は特にというのです。
「北極の方にあるから」
「北極に」
「そう、もうびっくりする位寒いから」
「そこまで寒いのね」
「それでサラダもね」
「濃いのね」
「この通りね」
 今皆の目の前にあるそれの様にというのです。
「それで美味しいのよ」
「そう、ロシアのサラダもね」
 ドロシーも言ってきました。
「美味しいのよね」
「そうですよね」
「私もサラダは普段は皆と同じサラダを食べているわ」
 生野菜にドレッシングをかけたあっさりしたものをです。
「けれどね、ロシアのサラダもね」
「美味しいですよね」
「ええ、だから今日はこのサラダを出したの」
 ロシア風サラダをというのです。
「勿論後でデザートを出すわよ」
「そのデザートは何かな」
 教授がドロシーに尋ねます。
「今日のそれは」
「ええ、ケーキをって考えてるけれど」
「そう、ケーキだね」
「ただ、ケーキもね」
 ここでまたナターシャを見てお話するドロシーでした。
「ロシアのケーキは違うけれど」
「ケーキは他の皆のケーキでお願いします」
 ナターシャは微笑んでドロシーに答えました。
「そちらで」
「普通のスポンジのケーキね」
「そちらでお願いします」
「わかったわ、じゃあケーキとね」
 それにというのです。
「ミルクがいいわね」
「飲みものはですね」
「寝る前にコーヒーや濃い紅茶を飲むと」
 そうすると、というのです。
「目が冴えるわよね」
「どうしても」
「だからね」
 それでだというのです。
「ミルクにしましょう、それも暖かいミルクをね」
「うん、それがいいね」
 教授もです、ドロシーのその提案に笑顔で頷きます。
「寝る前にホットミルクを飲むとじっくり寝られるんだよ」
「そうよね、だから私もそれを出そうって思ってるの」
「いいことだね、では皆でね」
「最後はね」
 デザートはというのです。
「ケーキとホットミルクよ」
「今日もかなり歩いて身体を動かしてるから」
 カルロスが言うには。
「ぐっすりと寝れますね」
「うん、皆よくね」
「寝ておくんだよ」
 かかしと木樵も一緒にいます、そのうえでの言葉でした。 
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