八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第十二話 気さくなタイ人その五
「魔物とケンタッキーのおじさんもついてね」
「一シーズン百敗だ」
留美さんはこの言葉を出した。
「勝率二割程度でな」
「そうなったら皆大喜びよね」
「巨人の負けはいい負けだ」
ついでに言うと巨人の補強はすべからく悪い補強だ、核兵器に綺麗汚いもないけれど巨人の負けはいい負け、補強は悪い補強だ。理由は何故か、巨人だからだ。
「巨人が負けると元気が出る」
「皆ね」
「だから巨人よ負けてくれ」
留美さんの声はここでも切実だった。
「勝率二割、五試合に四試合は負けてな」
「そうなったら本当に嬉しいわね」
詩織さんもこう言う。
「どれだけいいことか」
「その巨人ですが」
早百合先輩がご自身の携帯をチェックしてから僕達に話した。
「今日も負けました」
「そうか、いいことだ」
「十対零でヤクルトに」
「いい負け方だな」
「全くですわ」
留美さんと円香さんが心からいい他の皆もうんうんと頷く。
「巨人に相応しい敗北の仕方だ」
「無様な負け方ですわ」
「巨人には無様な負けがよく似合うが」
「十対零とは最高ですわね」
「私もそう思います」
先輩は手袋をしている手に持っている携帯とグラウンドを交互に見ながらそのうえで笑顔でこうも言った。
「エラーは三つ、打ったヒットは二つ」
「うむ、実にいい」
「最高に無様でしたのね」
「華麗な敗北だった様です」
「私も嬉しいです」
広島ファンの小夜子さんもこのことは同じだった。
「巨人が負ける、最下位でいると最高です」
「本当に巨人は悪いチームだからね」
僕もこう到。
「あのチームは」
「はい、お金にあかせた補強は政治力も使った獲得と」
「ダーティーなチームだから」
「負けるとね」
それこそだ。
「嬉しいね」
「心から」
「あのオーナーもね」
新聞社の社長だ、冗談抜きで偉そうな権力者だ。
「酷いからね」
「最悪の人ですよね」
「酷いなんてものじゃないよ」
あれだけ見事に嫌な権力者もいないと思う、お陰で僕のマスコミの見方が随分変わった。マスコミ人はああしたものだとわかった。
「あれじゃあ将軍様と同じだよ」
「北朝鮮のですね」
「何処が違うのかな」
冗談抜きでこうさえ思っている。
「あの人と将軍様と」
「そういえばそっくりですね」
「二代目の将軍様とね」
「私もそう思います」
「ああ、あの将軍様実は我が国でも評判悪いあるよ」
中国人の水蓮さんもこう言って来た。
「政府はどう思っているかわからないあるが」
「国民はなのね」
「そうある、嫌いな人が多いある」
そうだとだ、水蓮さんはダエさんにも話した。
「共産主義なのに二代目はおかしいある」
「というかあそこは共産主義なノ?」
ジューンさんはあの国自体のことを話した。
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