オズのムシノスケ
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第七幕その九
「首に巻いて運ぶんだよ」
「荷物は背中の方に置いてね」
「そうすればいいから」
「だから欲しいのね」
「僕もね、そう思えてきたよ」
トトもだというのです。
「便利そうだしお洒落だしね」
「お洒落かしら」
「僕はそう思うよ」
その風呂敷が、というのです。
「日本って趣があってね」
「ううん、 田舎臭いかもって思うけれど」
「そうかな、田舎臭くなんかないよ」
「だったらいいけれど」
「日本のものはお洒落だよ」
とてもだというのです。
「その風呂敷もね」
「田舎臭くないのね」
「また言うけれどお洒落だよ」
「これまでそうは思わなかったけれど」
「僕から見ればそうだよ」
「そこはそれぞれなのね」
見る人によってです、トトは犬でもその感性は同じでした。
「そういうことなのね、風呂敷にしても」
「そうだよ、それで風呂敷だけれど」
「オズの国に戻ったらね」
その時にとです、ドロシーがトトにお話します。
「私が作ってあげるわね」
「ドロシーがなんだ」
「そう、トトの大きさなら」
それならというのです。
「大きなハンカチでいいわね」
「それ位のものでだね」
「そう、それで充分だから」
「それでなの」
「そう、オズの国に戻ったらね」
その時にというのです。
「トトに風呂敷作ってあげるわね」
「うん、お願いするよ」
「私も風呂敷はいいと思うわ」
ドロシーも言うのでした、恵梨香はもうその風呂敷を畳みなおして収めてです、そうしてもう表に出してはいませんが。
「お洒落よ」
「ドロシーさんもそう思いますか」
「ええ、風呂敷はね」
「そうですか、それじゃあ」
「私も欲しくなったわ」
「風呂敷を」
「とてもね」
ドロシーもこう思うのでした、、トトと一緒に。
そうしてなのでした、この風呂敷のことをお話してからです。
そうしてでした、一行はです。
皆になのでした、将軍にお別れを告げるのでした。飲みものもお菓子も全部ドロシーの水筒とバスケットボックスに入れてです。
ドロしーがです、将軍に言いました。
「それじゃあね」
「ええ、またね」
「またここに来た時はね」
「楽しもうね」
将軍もドロシーに応えて笑顔で挨拶をします、お隣には旦那さんがいます。
「その時も」
「ええ、その時もね」
「その時にはまたご馳走するから」
「私もよ。エメラルドの都に来てくれた時はね」
「その時はね」
「ご馳走させてもらうから」
美味しい食べものに飲みもので、です。
「楽しみにしていてね」
「そうさせてもらうわね、私も」
「じゃあまた」
「ええ、会いましょう」
二人でお話してでした、そのうえで。
一行は将軍と旦那さんの二人と別れました、そしてなのでした。
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