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オズのムシノスケ

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第七幕その七

「本を読み論文を書く」
「それが学者のお仕事であり」
「よい学者の論文はです」
「よいものになるんですね」
「よい農民がよい作物を作ることと同じです」
「それではうちの妻は」
「よい農家の方です」
 そうだというのです、まさに。
「奥方にとって天職だと思います」
「農家の主婦はいいものよ」
 将軍自身も満足している顔で言うのでした、そのお菓子と飲みものを心から楽しみ旦那さんをいとしげな目で見ながら。
「早寝早起きで身体を動かせて」
「美味しいものも食べて飲めて」
「そしてね」
 そうしてというのです。
「優しい旦那さんもいてくれて」
「僕はね、正直なところ」
 旦那さんが仰るには。
「一人でいてどうしようかって思ってたんだ」
「結婚相手はですか」
「見付からなかったんだ」
 そうだったとです、旦那さんは恵梨香にお話します。
「それでずっと独身かなって思っていたけれど」
「反乱が終わって国に戻ってだったのよ」
 将軍もお話します。
「私がね」
「そこでふと出会ってね」
「そうしてだったのよ」
「後はとんとん拍子に進んで」
「結婚したのよ」
「いや、よかったよ」 
 心から言うご主人でした。
「ジンジャーと結婚出来て」
「私もよ、後はね」
「子供が出来たら」
「言うことなしね」
「子供は天からの授かりものですぞ」
 教授は子供のことについてはいつもよりも真面目になって言いました。
「望んでもです」
「はい、そうしてもですね」
「得られるとは限らないわね」
「そうしたものでありますから」
 だからだというのです。
「待たれることです」
「待っていればですね」
「やがては」
「授かりますので」
 そうなるからだというのです。
「お二人は暫し待たれるが宜しいかと」
「はい、そうですね」
「それしかないわね」
「そういうことですので」
「ううん、子供というと」
 ナターシャは青い苺のジャムを舐めつつ紅茶を飲みながらです、こんなことを言いました。
「私達にはまだ」
「よくわからないよね」
「どういうものか」
 ジョージと神宝も言います。
「どうにもね」
「そのことは」
「そのうちわかるよ」
 教授も言います。
「君達にも」
「そのうちですね」
「やがては」
「学問は学ぶに相応しい歳があるのだよ」
 教授は五人にこのこともお話するのでした。
「君達はまだ小学生だね」
「はい、五年生です」
「ドロシーさん達よりも年下です」
「そう、その年齢に相応しい勉強なり学問なりがあるのだよ」
 それ故にというのです。
「だからだよ」
「だからですか」
「子供のことも」
「もう少ししてからになるね」
 ここは大人としてお話する教授でした。
「だから待っていてくれ給え」
「そうですか、それじゃあ」
「そうさせてもらいます」
 ジョージと神宝が頷きます、そうしてなのでした。 
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